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コロナクラスターの原因

たまたま昨日読んだネット記事です。

当院は、昨年9月にコロナクラスターが起こりました。1病棟入院患者36名中35名がコロナウィルスPCR陽性。職員も14名陽性となり、その他の多くの職員は濃厚接触者で自宅待機。当時、わたしも応援で入らせていただきましたが、残された職員が慣れないながらも協力して対応し、また市の感染担当の方々やDMATチームの献身的な協力もあり、なんとか一病棟に封じ込めることができました。世間の評価はわかりませんが、わたしは個人的に当院におけるクラスター対策は成功したと捉えております。

さて、記事によると精神科病棟の感染対策の難しさとして、

①入院患者さんの疾病の性格上、マスク着用や手洗いの推奨・アルコール消毒など個々人の感染対策の徹底が難しいこと

②消毒液や液体せっけんは患者さんが飲んでしまう可能性があり、随所に適切な配置ができないこと

③食事や作業療法(グループワーク)などで患者さんが集まる機会が多く、密集しやすいこと

④患者さんが発熱や倦怠感などの感染初期症状を上手に訴えられないケースがあったり、症状があっても理解できずに自室から出てきてしまう事例も散見されること

⑤もともと精神科病院は、一般急性期病院と比べて職員の配置数が少ないため、感染に対する個々の患者さんへの配慮が難しいうえ、感染対策用物資も手に入りにくいこと

などが挙げられていました。わたくしはこれに加えて実際に働いてみて感じたこととして、

1⃣ 閉鎖病棟に出入りする際に、何度も鍵を開け閉めする必要があり、そのたびにドアノブを触る➡前後の手指消毒が必要です。以前いた病院はオフィスから病棟へ向かったときにうまくいけば0回、多くても3回ドアノブに触れればよかったのですが、今は最低3回、多いと7回触れる必要があり、手指消毒用のアルコール使用量が倍増し、手荒れが悪化しております。

2⃣ 電子カルテのキーボードからコロナ感染が拡大した話を聞いたことがあり、今はどの病院でも入念に消毒されているようです。しかし、当院は紙のカルテなためカルテの消毒ができません。誤ってカルテにアルコールをこぼすと、紙がヨレヨレになってしまいます。ただし、停電になっても紙カルテは使えるので、災害には強いです。(笑)

今やどこで誰がコロナウィルスに感染してもおかしくありません。どれだけ対策を講じても、ゲートをすり抜けてくる可能性は十分に考えられます。再びクラスターが起こってもまた一定の範囲で封じ込められるよう、対策を講じていくしかありませんね。

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