蒲原宿「燕の宿」再訪。お礼の手紙を直接渡してきました 2024.04.21「蒲原物語」
今回の訪問は、第一回の「ライフデザイン塾」の語り手・コーセーさん(静岡市蒲原「燕の宿」宿主)にお礼の手紙を書いた受講生と一緒に、直接手紙を届けに行くことが目的でした。受講生が、自分の書いた手紙を声に出して読み上げると、感極まって涙をこらえるコーセーさん。「僕はすぐ泣いちゃうんですよね」。柔らかく、豊かな感受性に触れて、私もこの瞬間に居られて良かったなぁと思いました。
少しだけ離れた距離で、静かに見守る良さ
コーセーさんが、件の塾で語ってくれたのは、大学生の時にお世話になった喫茶・軽食屋「ラ・ベール」のおばちゃんのお話。詳しくはここでは控えますが、何気なく気遣ってくれた、肉親とはまた別の大人が自分の成長を見守ってくれたという話。
遠く離れて、時間が経っても、時々思い出して、その存在が有難かった、自分の今の場所(宿、駄菓子屋、リモートの対話の場、他)もそんな空間になっていると気づく。いつの間にか、子ども、若い世代を見守る側に。
分かった気にならない、相手の背景にあるものを想像しながら対話する丁寧さ、姿勢
バックパッカーの宿は、外国からの旅人が多い。コーセーさんは、英語が学生の頃は苦手だったけど、会話には困らないと言う。どの国から来た人とも、その国の人の歴史や文化も辿り、想像しながら、分からないところは手探りしながら、対話する。もちろん、あちらも手探りしながら、コーセーさんの言葉を聴いているんでしょう。
「日本人が日本語に頼りすぎていると思う。分かった気になって話しているかもしれない。一つの言葉でも、その言葉を使っている人、受け取る人、そこにどんな経験や文化が紐づいているか多様でしかも観えない。そこに気をつけて会話している」と。
宿も「醤油蔵」も、人の手が入っている温かさを感じる場所
「蒲原宿」は、広重の「夜之雪」で有名。宿場町の昔ながらの建物や風情が残っています。コーセーさんが宿にしている建物も、その隣にある多目的に使える場「ヤマロクソース 志田邸旧醤油醸造蔵」も、昔の建物に手を入れて、素朴だけど清潔、空気がきれい。浄化されて、発酵し、生き返る(笑)