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経理部門における属人化からの脱却 #3 チーム内の業務バランス補正

「私」が着任した時点に認識した問題点は次のとおりでした。

・「前任」への業務集中
・低意欲者による手抜き常態化
・業務に問題が顕在化しなければよいという管理職の意識

3つ目の「管理職の意識」を改善することは容易でないため、1つ目2つ目を改善するために動くことにしました。

管理職への働きかけ

管理職は、私と同じタイミングで着任しました。
この管理職は、経理に疎く、まして決算(主計)の経験がないことを理由として「俺はわからないからお前たちに任せる」とのスタンスでした。

私は、「業務内容を不知」=「組織運営も含めて関与しない」という構図で良いとは思えなかったこと、私に業務が集中したままでは私自身が立ち行かなくなる可能性があったことから、着任して2週間後には、私から管理職あて説明を始めました。

私から上司である管理職あてのアクションは次の3つです。
①現時点で業務運営に問題が生じている状況を管理職あて説明
②将来に向けた組織構成上の不備が内在している旨を管理職あて説明
③①②の解消に向けた提案

管理職の反応の推移は
・最初は「ふーん」
・次は「俺に何をしろっていうの」
・3回目で「定期異動は1年に1回。無理。」
で厳しいものでしたが、4回目でやっと「ダメモトで考えてやる。具体の対処(案)を出せ。」との発言を引き出すに至りました。

管理職あて具体の説明内容
・1~2回目は提出したメモの掘り下げ(事実関係の説明)(上記①)
・3回目で現状の不具合やミスがもたらすリスクの可能性の列挙(上記②)
・4回目でリスクを軽減するために措置すべき施策(素案)(上記③)
でした。
傍目には業務運営に支障がないように見える状況であったことから管理職の腰が重かったですが、検討するという言質を引き出すには至りました。

管理職の判断

具体の対処(案)を提出してしばらくしてから管理職の反応があり、
「検討したが難しい。」でした。

提案した具体の対処(案)は、①チーム内の担当割り振りの変更(私の所掌領域への担当者増、他領域での担当者減)、②即戦力の主任担当者の獲得でした。
②は難しいにしても、①は管理職の権限の範疇と思ったのですが。。

なお、低意欲者による手抜き常態化は、当該会社ではよく見かける姿であり、このチームに限ったものではありません。
頑張っても評価されにくいため、問題が顕在化しない程度でOKで、受け身の組織風土で出世よりも安定した生活を重視する者が多いこともあったように思います。
反面、責任感がある者は、見てみぬふりができず、やらざるを得ない状況に陥りがちだったと思います。

(続く)

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