書評『できる社長は、「これ」しかやらない』小宮一慶著 PHP研究所
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最近「しゃちょー!」と呼ばれる機会が増えた。
自分の役柄、立ち位置などが変わってきたと感じるようになった。
社長、社長とはいうけれど、社長とは何なのか。経営をはじめるにあたって、まずはその疑問を解決しようと考えた。その上で、社長という立場でできることを楽しんでいこうかなというのがぼくのスタイルとなった。
社長になったといっても、それは出発点にしか過ぎず、持っているのは地獄への片道切符ということもあるようだ。
自分が、地獄に行きたいのか天国に行きたいのかは、考えてもよくわからないのだが、少なくとも同乗者がいる以上、健全な運行ができるように心がけたい。
『できる社長は、「これ」しかやらない 伸びる会社をつくる「リーダーの条件」』
著者の小宮一慶氏は、1957年生まれの経営コンサルタントで、著書は150点以上もあるとのこと。
本書によると社長に求められることは3つ。
「方向付け」「資源の最適配分」「動機づけ」
詳細には書かないが、「まぁそうだよな」という内容であった。逆にいうと、「まぁそうだよな」と思えたことは、社長としての一歩目としては上々といえるかもしれない。
本書で描かれる「正しい社長像」は、ぼくがこれまで意識してきた「正しい人間像」とも一致する。代表とかキャプテンとかになることが多かったので、自然とリーダーマインドが醸成されていたのかもしれない。
一番大事に思ったのが、社長が常にFor the company(すべてを会社のために)という意識を持つべきというところ。
仲のいい人を優遇したり、私利私欲のためにお金を使うような会社は大きくはならないのだそうだ。もちろん、大きくすることを目的としない場合は、それでいいのかもしれないが、愛人や友人を社員としていれたり、スナックやキャバクラの代金を経費とするのは駄目ということだ。
もっとも、それがFor the companyになっている場合は話が別だ。大事なのは具体的に何をするのかではなく、For the companyになっていること。
もう一つ大事なのが、会社というものが社会の公器であるということを意識できているか。
ぼくが始める出版社は、大別するとマスコミに分類されるため、ある種の権威をもつことになる。つまり、世論をねじまげたり、誰かを貶めたりするような表現をして、拡散させていくことが可能になるのだ。
しかし、それが社会のためだと思ってやる人もきっといるのだと思うが、やはりマスコミがやるべきことは、プロパガンダではなく真実の追究だと思う。
つまり、自分たちの意見や思想を広めるために力を使うのではなく、自分たちの意見や思想以上に事実を重視し、真実を明らかにすることによって、社会や後世へと「善き文化」を紡いでいくのが役割だと考えている。
もちろん、信念がなければできない。しかし、その信念すら崩すほど自分に対する批判の目をもつべきだ。
「会社には良い会社とか、悪い会社とかはない。あるのは、良い社長と悪い社長だけだ」
会社というものは社長でほとんど決まるということも含めて重い立場だなと感じる。
とはいえ、ぼくがやるべきことはシンプルだ。
読者のために良い本を作る。
多くの読者に届くように一生懸命売る。
西葛西出版の仕事を有意義なものにし、働いてくれる人の心を豊かにする。
お金はとても大切なのだけど、お金を稼ぐのは「目標」であって「目的」ではないのだそうだ。お金を稼ぐために起業するとたいていうまくいかないというのは本書にも書いてあることだ。
西葛西出版のミッションは、地域の魅力を徹底的に掘り起こすことで自分の住んでいる土地への愛着を高めること。ミッションといってもまだ明瞭になっていないところもあって、これから理屈をこねこねしてコーポレートサイトの制作をしていこうと思う。
以上。
ちなもにPHP研究所から類書が出ているのだが著者は別の方。
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