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壁の正体:「自分が嫌い」という布団

自分をスポットライトに当てること。

「他者」ではなく、「自分」にスポットライトを当てること。

長い間、したことがなかった。私は、私にスポットライトを当てるためには、私が「勉強で一番になる」、「人気者になる」ことが必要だと思っていた。大人になった時は、「仕事で成果を上げる」、「大人として成功していることをする」、「人にすごいと思われる人になる」ことが必要だと思っていた。

スポットライトは、いつも私以外の周りから照らされるものだと思っていた。

人生の舞台の真ん中にはいつも私以外の誰かがいた

こうして、スポットライトの当り方を研究していたら、私の人生の舞台には、いつも私以外の誰かがいた。

勉強が出来る〇〇さん、人気者の〇〇君、仕事が出来る〇〇さん、メディアで成功している〇〇さん、皆がすごいと言う〇〇君。

私のスポットライトが当たる人は、こういう人達だった。

こういう人達みたいになるまでは、自分にはスポットライトは当たらないと思っていた。それと同じくらい、心のどこかで、自分はこういう人達みたいには、到底なれない、という恐怖もまとわりついていた。

一生懸命追いつこうとしたし、追い越そうとした。

気付くと、こういう人達に近づいた気がするのに、ふとした時に、自分なんか全然ダメだと思う。

仕事ができる〇〇さんと仕事をしたとき、私のスポットライトは、この「〇〇さん」に当たっていた。

〇〇さんから全うな指摘をいただいた時に、「自分は全然だめだ」とか、「〇〇さんは失望しただろうな」と自分を責めた。

こうして、「自分なんか全然だめだ」という私の意識は、自然と他人と距離を取らせていた。彼女に対して、気軽に話しかけなくなっていた。

私は、私の心の中心に、「他人」を据えて、その舞台袖で舞台を見ている人だった。他人をスポットライトに当てて、舞台袖で、舞台に出れるようになるには、自分がどうなればいいかをずっと研究していた。

壁を越えて来た人:私の作った壁を教えてもらった

最近、「働かない」生き方をめざして、仕事を辞める方向で調整をしている時、仕事が出来る〇〇さんに声をかけられて、オンラインで時間を取って話をした。

引継ぎ関連の話をしようと思っていたら、彼女から、本当に勿体ない程の言葉を貰った。

一緒に仕事をしたことで、モチベーションが高まったと言ってもらった。驚く程、気持ちの籠った私への素敵な言葉を沢山もらった。「Hatokaさんの前向きで、一生懸命さに励まされたの」と。

とても驚いた。それと同時に、この時気が付いた。

私は、「自分が嫌い」という無意識の布団に包まって、ずっと、気づかずに他人との間に壁を作っていた。

スポットライトを「他者」にあてながら、一方で、無意識は「自分が嫌い」に向いているから、相手と私の関係を「形作ろう」としてこなかった。

私は、本当にいい大人で、世間では「おばさん」と呼ばれる年齢で、十分年も取っている。おそらく、「社会人」として、一定の距離感や、対応の仕方、コミュニケーションの仕方は十分心得ていると思っていた。「大人」として、適度に「フレンドリー」にも振舞えると思う。

でも、この一件で、こんなに年を取ったいい大人でも、「自分が嫌い」という布団に包まっていれば、「壁」を作れてしまうことを知った。

そして、彼女は、その壁を越えて来てくれた。

私が作った壁は、彼女にとって「Hatokaさん、私と距離を取りたいのかなと思った」と受け止められていた。そして彼女は、「もし私が変なことを言ってしまっていたらごめんね」と言い、素直に、素敵な言葉をくれた。

私が私を嫌いな時、相手には、「私が相手を嫌い」というメッセージに変換されて、伝わってしまう可能性を知った。

私は距離が取りたかったわけではなく、むしろ彼女に憧れていた。羨ましいと思っていたし、「もっと自分が優秀になったら」堂々と仲良くなりたい、と思っていた。。でも、「自分なんかダメ。。」という内向きの気持ちに、引っ張られて、それが距離になり、壁になった。

結果、彼女は、「私が彼女と距離を取りたがっている」、という受け止めをすることになった。

大事なことを学べた。

私が、私のステージに立つこと。そのステージに立った私を、私が認めてあげること。

〇〇が出来たら、ステージに立てるのではなく、今、この瞬間に、ボロボロでもかっこ悪くても、惨めだと思えても、ステージに立って、「私」のスポットライトが静かに当たっていることを知ること。

無意識の「自分が嫌い」という布団から出て、ありのままの自分をステージに立たせてあげること。

「自分なりに着飾って」ステージに立って、私は、「ダメなんかじゃない」と、根っこを張って言うこと。

これが、きっとこれからの、他者に対する、私の優しさの源泉になる。

(4:08~)

「人に馬鹿と呼ばれて、後ろ指を指されて、だけどズルは主義じゃねぇ、俺はクズレペゼンでもカスじゃない。人にフウテンと笑われ、気違いと罵られ、だけど損したと思っていない。俺はクズレペゼンでもカスじゃない。

先がないと笑われ、才能ないと言われて、自分なりに着飾ってステージに立った俺はカスじゃない。昔の友達から「何してる?」と聞かれて、マイカフォンで見返せ、俺はクズレペゼンでもカスじゃない。」

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