16、離婚は不幸なのか？

三者面談はあっけなく終わった。
私も先生も、心配な部分は見当たらなくて先生との雑談で終わった。
玄関を出ると、お決まりのようにいつものママ友達が集まっておしゃべりをしていた。

和也と同じクラスの女の子のパパとママが離婚したらしい。

その理由がどうやらご主人のDVらしい、という話だった。
へぇ、そんな風に見えなかったけど。夫婦ってわからないものだな…

「そんな風には見えなかったけど、確かにあのご主人は表裏がありそう。」
「子供も少し気になるところがあったよね…」
「娘が言ってたんだけどね…」
「確かにママもあんまり輪の中に入ってくるタイプじゃないし、我慢しちゃってたのかもね。」

そこからは想像力の豊かなアラフォー女子達の妄想は止まらない。
そんな彼女達が私は大好きだけれども。

うちは男の子だからあまり女の子の話題にもならないし、その子の存在は知っているが見た目以外の情報が私の中には全くない。
ママともパパともお話したこともないし、ふたりともそれほど輪の中に入ってくるタイプでもなかったから関わる場面も皆無だった。

こうして話を聞いていても、きっと数分後にはどうでも良い情報になるだろう。
私は自分の将来で頭がいっぱいだし、知らない人の離婚が私の人生に影響を及ぼすことはない。