見出し画像

大学生バンドマンは新卒で(どこに)就職すべきなのか


前書き


こんにちは。東京でSezyo(世情)@Sezyo_band という社会人オリジナル楽曲バンドでベースを弾いているヘラクレスヨシダと申します。

先日、大学生と対バンした際に就職した方がよいかどうか話題に上がったので個人的見解を示します。
対面で話す時はいつも「就職なんてするな」「社会に隷属するより精神的な貴族たれ」と申しておりますが、本記事においては現実問題を考慮して考えてみます。
また、主にバンドマンを対象とした文章を記しておりますが、創作者全般に当てはまるものだと思います。

この文章を読んでほしい対象者


・現在バンドをやっている学生(主に大学1~3年生)
・社会人になったらバンドをやりたい学生
※社会に出たタイミングで独り立ちし、親からの支援はない状態になること、医師や弁護士資格、学生起業家、エンジニアリングなど、特別技能を持たない学生を想定する。
また、バンドは売れてないとする。
本記事における就職の定義は「企業、組織と正社員として雇用契約を結ぶ事」とする。

結論

就職したほうが良い
あくまで個人的見解になりますが、2024年時点の日本では圧倒的に新卒で就職した方がよいです。

以下、メリット・デメリットについて記載します。

就職のメリット・デメリット



就職のデメリット


・音楽、バンドに全ての時間をフルコミットすることが出来ない

これに尽きる。可処分時間が学生時代よりも大きく減ります。
例として一般的にホワイトと言われる会社員の一日のスケジュールを示します。

6:30 起床
8:00 出勤
9:00~17:30 労働
17:30 退勤
18:30 帰宅
18:30~ 自由時間

18:30~6:00までを音楽にフルベットすることは常人には不可能なため、平日の可処分時間は夜2時間、朝1時間程になると思います。
また、上記はかなりホワイトな一日ですので仕事によっては労働時間が長かったり、夜に飲み会が入ったりなどもあり得ます。
これは私が考える就職最大のデメリットです。
ただ、就職せずにアルバイトを行う場合もしっかりご飯を食べ、飲みに行ったりすることを考えると8時間程度/日の労働は必要になると思われます。

一方、以下はメリットになります。

就職のメリット


・生活基盤が安定することで、心身に余裕が生まれる。

新卒での就職直後と比べるとアルバイトにフルベットした方が収入は多い可能性がありますが、アルバイトには保険などいわゆる福利厚生がないことが多いです。
収入も日本企業に就職した場合、基本的にはある一定年齢からアルバイトを超えます。
よって、「金がないから練習できない、スタジオ入れない、ライブできない、ツアーできない、音源作れない」が防げます。
金銭的問題はバンドにおいて非常に重要です。基本的にバンドは金を使って金を生む作業を繰り返すため、種銭がないと活動できずジリ貧→メンタル死です。

・作業ノウハウなどを習得することが出来る

就職すると、どの様な仕事であれ他者との調整作業、事務作業などを経験すると思います。これはバンド活動にも非常に役立つスキルです。
ライブブッキング一つとっても、担当者とスムーズに連絡をとること、必要資料のやり取り、金銭の計算などが発生します。正直バンドマンはこれを舐めがちなのですが、しっかり行うことでライブハウスを味方に付け、より優位な条件で活動することも出来るでしょう。
また、グッズやMVを制作する際にも複数の人間とやり取りし、時には金銭的交渉を実施することもあると思います。これも職種によっては就職することで数多く経験可能です。
その他Microsoft製品の利用など、バンド活動に還元可能なノウハウを複数習得することが出来ます。

・複数の団体に所属することで、心的な拠り所を複数持つことが出来る。

バンドが上手くいってなくても、仕事が上手くいっていれば精神的安定に繋がります。逆に、仕事が辛い状況でも、バンドが上手くいっていれば元気が出ます。
(まぁ、両方とも上手くいってないパターンの方が世の中的には多いと思いますが…)
2つ以上やることがあれば、1つが煮詰まったら別のことを考えるなど、切り替えて目の前のことに集中する(「マインドフルネス」と言うらしい)が出来ますし、案外離れて俯瞰すると煮詰まっていた事象が解決することもあります。また、バンド活動が止まっている時もやることがあるので気が紛れて良いです。

・新卒から職歴があると(多少)スムーズに転職できる

新卒カードという言葉をご存知でしょうか。日本は新卒の立場がとても強いです。新卒で職歴がない場合、ある程度の年齢になってから就職しようとすると特殊技能がない場合は門戸が狭くなります。
しかし、職歴だけでもあれば続ける才能があると一定の評価をもらう事が可能ですし、そこを自身の強みとして更に別の仕事をすることにも繋がります。

どこに就職するべきか


結論 大手日系企業の経理、人事、総務系部署がおすすめ

おすすめ理由


・日系企業はなんやかんや年功序列

ハードな同期同士の売上争いなどが少なめです(外資とかに比べて)
その分社内政治などもあったりするのですが…

・営業成績に追われない

人事(新卒、中途採用)の場合はノルマ人数などを課せられることもありますが、それ以外は売上数字問題で詰められることが少ないです
(他の問題で詰められる可能性はある)

・繁忙期がハッキリしている

特に経理、人事系は一年、一月の中で繁忙時期がハッキリしているのでスケジュールが立てやすいです。(期初末が忙しいとか)

・資格ありきで就職しやすい(気がする)

例えば大学レベルが少し低いと自分で感じていても、在学中に簿記二級、ビジネス法務二級、労務管理士など資格を取得することで自身に下駄を履かせることが可能です。(並べた奴らなら超高難易度資格でもないし、3ヶ月程度勉強すれば何とかなる。)

・転職時のハードルが低い(気がする)

基本的に人事、労務、法務、経理は企業が違っても相対する法律や会社の仕組みがマイナーチェンジするだけのため、結構転職市場で活動しやすいです。上手いこと行けば経理からの経営企画といった黄金コースに乗ることも出来るかも。

・前髪が伸ばせる

今では髪型に対する条件はかなり緩くなったと思いますが、それでも営業やらなんやらはツーブロゴリラ状態を求められるタイミングがあります。内勤はそこまで求められないです。(経験則)

※色々おすすめ理由を並べましたが、様々な選択肢がある現代では他の選択肢を取ることもあるでしょう。
そこで、就職先の検討材料になり得る条件を以下に記載します。よければ参考にしてください。
なお、「バンドを継続するために就職する」ことを目的とします。最小労力で最大所得を入手することを目指すため、「何がやりたいか」「仕事での自己実現」等は考慮していません。

就職先の検討材料条件

・必要最低限以上の収入がある

これは全人類が求める労働条件ですが、意外とバンドマンは考慮していません。
雑誌の編集、デザイナー、メディア系のクリエイティブでイケてる(ように見える)職業は基本的に激務かつ薄給です。
中にはそうしたクリエイティブ職についてバンドでもゴリゴリやってる人もおりますが、強靭な心身をもつ狂人であることが多いので、あまり参考になりません。一旦諦めてください。
また、個々人の生活スタイルにより「必要最低限」の度合いが変わるため、1ヶ月の生活に必要な金額を一度試算し、必要金額から目指す職業を逆算してみるのも良いでしょう。

・完全週休2日制である(土日祝日が休みである)

週に2日は休みがないと正直肉体的に疲労が取れません。バンドマンのあなたはろくに体を鍛えず、安酒を飲み、無駄に重たいタバコを吹かし、昼夜逆転生活です。その様な状態では週に2日の休みでも少ない位なのです。絶対に週休完全2日制の仕事がお勧めです。
また、土日祝日は大きなイベントが多く、お客様も平日よりは来やすい日程ですので、バンドの活動も土日祝日メインがよろしいでしょう。
とは言っても、土日は大手バンドがライブするため箱が抑えられないことやノルマが高いこともありますので留意が必要。
もしくは、活動のためにバンド内で休みの日程を合わせることも大事なのであえて全員平日休みにしてみるとかも無し寄りの有りです。

・転勤がないor少ない

転勤したら固定バンドがし辛いので、転勤はない会社を選びましょう。もしくは、転勤を拒否する制度があると良いです。デメリットとして会社の駒として扱いづらい人間の烙印を受け、昇進し辛くなる可能性もあります。

・勤務時間のルーティンが一定である

ミクロに見ると「この日は日勤、この日は夜勤」がない。マクロに見ると繁忙期と閑散期がはっきりしている仕事がお勧めです。
バンド活動の予定が立てやすいです。

・有給取得の壁が低い

これは部署や、管理者にも依ってしまうのですが現代において有給取得に理由を聞いてくる企業は基本的に変な会社が多いです。お勧めしません。
可能であれば就職前に有給取得率や社員へのインタビューを行いましょう。

・その他、譲れない条件など
個人で考えましょう。例えば私は電通系の会社はサイレントお祈りしてきたりと人事担当にイラッとしたので受けるのやめました。

どうやって就職するのか

・上記の検討材料を軸に企業を選びましょう。

情報取得はインターネット、大学の就職支援窓口、今時なら学生向け就職支援サービスなどを利用しましょう。また、気になる企業はインターン情報の入手→参加や株主向けIR情報を見ると良いです。
就活生向けサイトは正直ろくなことを書いていないので、株主向けの数字書きまくってる資料見た方が良いです。企業によっては離職者とか全社残業時間とかも書いています。

・ESを書こう(今ってESあるの?)

上記、仕入れた情報より企業の課題点を想定し、自分がコミット出来る要素を考えて、ESとかに書きましょう。間違っていても良いです。人事担当からしたら就活生が自社のIR情報を分析して自分なりに企業にコミットするための提案を考えているという事実が既に激アツです。かつ、労務とかに興味あります感を全身から出せます。具体的な添削とかそういうのはプロの人に見てもらって下さい。

・面接を受けよう

バンドマンはこれが苦手です。なぜならこの時ばかりは前髪を切り、背筋を伸ばしてビッグシルエットTとダボついた古着のシルバータブからスーツに着替えてはっきりと腹から声出さないといけないからです。
コツとして、スーツはサイズが合ったものを購入して下さい。また、web面接の場合はカンペを画面外に用意しても良いかもしれないです。というか対面においても自分で資料持って行って見ながらやっても良いと思います。「なんで面接官だけ見てよくて受験者は見たらあかんねん。てめーらも資料使ってプレゼンするやろ」のマインドです。(これやって落ちても責任は取りません)
後の合否はあなた次第です。

あとがき



以上、ざーっとした文章でした。
私自身、自分が正しいのかなんて分かりませんが多分就職は普通にした方が良いです。そしていつかバンドでの稼ぎが企業からの給与を超える位になればうれしいですね。
質問とか相談があったらTwitter(X)@Hatononakamiまで連絡してくれれば答えるかもしれないです。

参照記事


 

宣伝

直近ライブスケジュール

8/4(Sun)はSezyo 17:40- です

チケット予約方法


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?