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2021/06/28 「あなた、外国人なの?」に恐怖する

某所で諍いの場面を目撃していたら、高齢女性が「あなた、外国人なの?」と言い放った。自分の理解を超える相手に対する捨て台詞なのだろう。匿名のSNSやネット掲示板ではよく見る、人種差別的意味合いを含むこの言葉を、目の前で初めて耳にして、私の身体は思わず硬直してしまった。

分かり合えない相手を「外国人」と呼んで蔑む根底には、「日本人」同士なら分かり合えるはず、同じ価値観だという意識がある。それがとても恐ろしい。この同調圧力の枠外に逃れられるなら、いっそのこと、「外国人」扱いされても構わない。

最近、活躍している女性の料理研究家や作家たちに、「カタカタ+漢字」の名前が多いと思うのは、気のせいだろうか。彼女たちの多くは、外国人男性と結婚歴があり、海外生活も長い。

昔、地方で暮らしていた頃、高校卒業後に故郷を出て行った者は、「よそ者」という認識だと聞いたことがある。国際結婚を経験した彼女たちも、日本出身であるけれど、「よそ者」枠に入っているから、自由な物言いが許容されやすいのでは、と感じてしまう。

映画であれ、俳優であれ、海外に認められて、「世界の○○」と称えられるようになると、やはり「日本人枠」から逸脱した扱いになる傾向がある。「出る杭は打たれるが、出すぎた杭は打たれない」ように。

とにかく、感染症が拡大するご時世も影響しているのだろうが、息苦しさが増しているのは、マスクだけのせいではないように思う。同調圧力を高くすればするほど、自業自縛に陥ってるだけではないのか。



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