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書くことは祈りに似ている【2021/10/16】

書いていて一番うれしいのは、誰かに伝わったとき。先日、長年続けている地道な活動を紹介した記事が、ある媒体に載って、読んだ人たちから反応があったと教えてもらった。完成するまでの道のりはつらいときもあるけれど、読者の方に届けたいと思って、パソコンに向かっている。以前にも書いたかもしれないけれど、書くことは祈りに似ている。

小学校5年生のとき、担任の先生から作文を激賞された。それを頼りに、物書きになりたいと漠然に思っていた。物書きといえば、作家しか知らなかったので、高校生までは作家志望だった。小説も書いてみた。実験小説やファンタジー小説などいろいろと。でも、壮大な構想の割には、ほぼすべて未完。私小説は書き上げたものの、自分の内側を掘り下げる作業がつらかった。どうも向いていないなあ…と思い至ったとき、誉められたのは、自動車工場の社会見学について書いた作文だったことを思い出した。

私の関心は外部に向いている。日々、何が起きているのか、人々が何を思い、どう感じて、動いているのか。今まで知らなかったことを知ると、世界が少し広がって、風が吹いてくるような気がする。ささやかながら、誰かの関心の扉を開くことができたらと願いつつ、「伝える」仕事をしている。


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