おうちごはんを楽しくするコツ【2021/09/23】
大手を振って出歩けない昨今、毎日の楽しみと言えば食事である。家人の興味もそこに尽きるようで、「今日のごはん、何?」と聞かれることが多かった。そこで、我が家では、まるでレストランか居酒屋のように、ダイニングの壁にメニュー表を貼っている。
献立決定→買い物メモ策定→メニュー表記入。これが数日ごとのルーティンだ。1回慣れると、ラクである。
「店名」も、ファミリーネームをもじって、その時の気分で変えている。中華が多ければ「●●軒」、洋食が多いと「ビストロ●●」などと、勝手に名付けては遊んでいる。家事だと思うと負担になるので、ごっこ遊びをしている気分。これは幼いころからの知恵かもしれない。
昔からずっと部屋の片付けが苦手。小学生の頃も、シンデレラのつもりになって、ひとり芝居をしながら自室を掃除していた。
「いつまでやってるんだい、シンデレラ」
「申し訳ありません。お義母様。今すぐ片付けますわ」
端から見ればおかしいのだが、役になりきれば、なんだか面白くなってくる。
社会生活を送るうえで、ひとはだれしも何らかの役回りを演じているのではないだろうか? 剥き出しのままの「本当の自分」とは幻想で、人と人との関係性の中からしか「自分」はでてこないのではないか。それが、10代の頃に散々「自分探し」をした私の実感だ。
さあ、この日もおうちレストランのメニューを書き上げた。「できたよ~」と呼び掛けると、いそいそと見に来る家人がいる。
*すてきな画像は、みんなのフォトギャラリーから_gobogoboさんの作品をお借りしました。ありがとうございました。