時間も命も有限ではない:2歳の娘と突発性再生不良性貧血ドタバタ記⑦

【2歳の娘と突発性再生不良性貧血ドタバタ記】は、
・その当時の状況や私の感情が、3年経った今なんとなく風化してしまうようで嫌だったので、どこかに残しておきたい。
・小児の再生不良性貧血に罹患しておられる方(疑いのある方)の気持ちに少しでも寄り添えるといいな。
という想いで綴ります

過去記事では、
・造血不全の原因がわからず、骨髄検査(マルク)とHLA検査を行いました。
・結果、再生不良性貧血のステージ2~3という病名がはっきりしました。
・シクロスポリンを使った治療がスタート。
・外泊許可がもらえるところまで回復してきたよ。
というところまで。

①~⑥はこちらからどうぞ ↓



外泊から戻ったその日の血液検査の結果

2018年1月2日

前回記事でも書きました通り、小児科病棟の玄関で悲痛の叫びを上げ続けた娘。
なんとかかんとか病室に戻り、血液検査を行いました。

ゆうな1月2日血液検査

画像の右から2番目の検査結果が、1月2日の結果です。

シクロスポリンの血中濃度=235
WBC(白血球数)=7150
Hgb(ヘモグロビン)=9.2
PLT(血小板数)=3.9

ここには載っていませんが、
顆粒球数(かりゅうきゅうすう)(白血球の中の3種)=1216
網状総数(もうじょうそうすう)(成熟した赤血球の一段階前の未熟な状態のもの)=8.1

でした。

※単位は忘れてしまっていますので、数字だけみてくださいませ。

2017年12月入院当初から比べると

2017年12月4日⇒2018年1月2日
WBC    5450⇒7150 ↑
Hgb     7.9⇒9.2 ↑
PLT      1.4⇒3.9 ↑
顆粒球数  518⇒1216 ↑
網状総数  2.6⇒8.1 ↑

おお!! 1か月でここまでアップしているではありませんか。
輸血に頼っていません。正真正銘、自己造血です。拍手!!

特にWBCや顆粒球数がグンっと上がってきています。
主治医からは「3月までシクロスポリンを0.8%/日で継続。反応がすごく良ければ退院して外来通院で大丈夫ですよ」とのこと。

”退院できるの?本当に?!”
もう、このまま骨髄バンクから移植提供者を探すしかないのかも…、と思っていたので、喜ばしい状況に涙…涙…。


再生つばさの会

この頃、まだ私たち夫婦には
「再生不良性貧血」とはなんぞや?知識不足という問題が立ちふさがっていました。

病院で医師から聞かされるのは小難しい数値や、関連ワードとしてあがる聞いたことのない病名ばかり…。
ていねいに教えてくれるほど親切ではありません。
たとえば、「造血幹細胞」や「免疫抑制」や「PNH」とはなんですか?と聞くと、そんなこともわからないの?という顔をされます(それでも聞かれれば答えなくちゃいけないので医者って大変ね)。

結局、医師から聞いたキーワードを元に、病院から帰宅後、夜中に調べなおすという作業を必死に行う毎日でした。

医療用語だけではありません。シクロスポリンを服用していて確かに血液検査の結果は良い方向に変わってきています。
ですが、シクロスポリン投与のスタートも説明から翌日に、というスピード感でしたので、"他に選択肢がないものなのか?主治医の意見をそのまま聞いて進めていっても良いものなのか?"
という知識不足からの不信感もありました。

どうしたら解決するのでしょうか?
答えは、医療の素人にもわかりやすく教えてくれる別な関係機関に身を置くです。

自分たちが普通に生きててお目にかかれないような病気に関しては、その病気の当事者や家族の会というものが存在します。
ネットで調べた結果、「再生つばさの会」というコミュニティがあることを知りました。

私はすぐに入会メールを送りました。
翌日には担当者の方から「お嬢さんの病状を詳しく教えてください。今までの経緯や現在の血液検査の結果なども。」と返信をくれました。

当事者や家族の会に参加するメリットは3つ

①主治医以外の医師からの情報をくれる
これは、かなり安心材料になります。

たとえば、金沢大学附属病院の医師に娘のデータをみてもらうことができました。以下医師からの返信では、
「おそらくPNH型血球要請の骨髄不全だと思います。MCV(平均赤血球の容積)は下がってきていなかったでしょうか?もし低下してきていれば、シクロスポリンは確実に効いていると思いますよ。」と、主治医からは聞けなかった情報をゲットすることができました。

②会のメンバーから、良質な小児血液内科の医師の情報をくれる

我が家は関東圏に住んでいるため、近郊の病院の中でも有名な小児血液内科の権威を教えてもらうことができました。
しかも、会に参加して1週間という速さでです。

入院する前は、自分の家から一番近い、血液内科のある大学病院を訪ねることが多いと思いますが、自分たちが信頼できる病院を選べるわけではありません。
1件目の病院が自分たちに合っているのであれば問題ないのですが、もしそうではなく違和感がある…と思うことがあれば、2件目(セカンド)を自分たちだけで探すのは大変です。

きっと、心強い!と思う瞬間があります。

③全国の医療後援会に参加できる

横浜の医療後援会に参加させていただいたことがあります。
そこでは、専門医が知識を家族や当事者向けにわかりやすく説明されていました。

ネットで検索すればご自分で調べることができますが、難解な学術論文や、逆に触りだけの”再生不良性貧血とは”みたいなものしか出てこないですよね。

ほしい情報は、一人一人の置かれている状況や病状で違うと思います。
そのときに、ピンポイントでわかりやすく教えてくれる人がいるととても助かります。

子供のために。後悔しないために。
当事者や家族の会への入会をおススメします。






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