時間も命も有限ではない:2歳の娘と突発性再生不良性貧血ドタバタ記⑤

【2歳の娘と突発性再生不良性貧血ドタバタ記】は、
・その当時の状況や私の感情が、3年経った今なんとなく風化してしまうようで嫌だったので、どこかに残しておきたい。
・小児の再生不良性貧血に罹患しておられる方(疑いのある方)の気持ちに少しでも寄り添えるといいな。
という想いで綴ります

過去記事では、
・造血不全の原因がわからず、骨髄検査(マルク)とHLA検査を行いました。
・結果、再生不良性貧血のステージ2~3という病名がはっきりしました。
・シクロスポリンを使った治療がスタート!
というところまで。

①~④はこちらからどうぞ ↓

【再生不良性貧血とは?】
骨髄で血液細胞が十分に造られず、赤血球・白血球・血小板が減少する汎血球減少となる病気。日本の小児の年間発症数は 70~100人と希少な疾患です。
病気の原因によって先天性(ファンコニー貧血や先天性角化不全症など)と、後天性(特発性再生不良性貧血など)に分けられます。
特発性の原因は解明されていませんが、自己のリンパ球が造血を抑制しているのではないかとされています。


【シクロスポリン】

12月22日
シクロスポリン(免疫抑制剤)を使った治療がスタートしました。

この薬の特徴を挙げると
・液体状⇒ 少し黄色味がかっていて、独特のにおいがあります。
注射器のスポイト部分を使って吸い上げて計ります。
朝0.4㎖、夕0.4㎖で処方されました。
・食前服用⇒ 食事の影響が少なくなるよう、食前に服用。
・独特の味⇒ この薬…、とにかく不味い!です。
(本当はいけないんだけど)私も試しにペロッとなめてみたところ、オリーブオイルを原液で飲んでいるような舌ざわりと、舌がビリビリするような感じ、苦味がありました。
二度と味見しないと誓いました。

一日に2回。しかも0.4㎖ってティースプーン1杯分くらい(?)ありますが、
2歳の娘は、看護師さんが持ってくると「あーん」と口を開けて、嫌がらずに飲んでいました。……正直、”どんな味覚しているんだ”と思いました。


【やっぱりこの病院キライ】

どんなによい治療をしていても、患者や家族と病院の相性には良し悪しがあります。

娘が入院している病院は、治療方針などの医療内容は間違えがない病院でしたが、私自身が看護師や医師の雰囲気や態度に、不安や疑心をもってしまうことが多々ありました。
平たく言うと、「いけ好かない」という気持ちです。

入院初日からずっと持っている違和感。
患者の精神的なケアに目がいかない病院なんだなという印象がありました (詳しくは①で)↓

・めんどくさそうな態度をとられた日
担当ではない医師が病室に来て、血液検査結果についての説明をしました。
『WBCが〇〇値で、PLTが○○値、……』といった具合に早口で言って『お大事に。』と去っていこうとします。
これだけでは素人の私にはわからないことだらけです。「シクロスポリンの効き目があるのかどうかはどの数値を見ればよいの?」など詳しく聞きたいと質問すると、ため息を一つ吐き、一緒にいた看護師と目を合わせニヤっと笑い、『これからの検査で出てきます。詳しくは担当医に聞いてください』と言ってから、また看護師とニヤニヤしながら去っていきます。
『こういう患者めんどくさいよね』と言っているのは、素人の私にもわかりましたので、それ以上は気分が悪くなるので聞きませんでした。

・事前に何のための検査かを知らされないで耳鼻科に行った日
私が病室を訪れてすぐ、看護師から『お母さん今日は耳鼻科に行ってくださいね。』と言われました。
(なんで耳鼻科??)と思いましたが、たしかに娘は鼻詰まりな様子がありました。
耳鼻科に案内されて、すぐに診察室へ。そこには明らかにイライラした様子の耳鼻科医がいました。『はい、こっちきて!そこのベッドに寝かせてください。』
なんの説明もなくいきなりベッド上の娘の手足と身体を縛りつける看護師。泣き叫ぶ娘。耳の穴にスコープを入れる医師。
私はこの光景で(スコープ入れるためだけに、がっちがちに縛るのか普通?もうここの病院いやだー!!((+_+))状態でいると、
医師『はい、お母さん画像見て、聞いてる?!中耳炎になっているから!薬出しときますからね。』
私「そんな酷くなっていたんですか?」
医師『そうです。私は、小児科の〇〇医師に言われたから外来時間でもないのに診てるんですよ!』
私「(なんか言いたい放題言われてるぞ)……私はなぜ耳鼻科にいかなくてはいけないのかも何も知らされずにここにいるのですが…?ここの病院は患者になんの説明もなしに治療と検査をするんですか…?(# ゚Д゚)」

この時は激怒プンプンしました。

こんな調子だったので、
”面会に来ていない間に、娘はどんな扱いを受けているのだろう?”
”娘には会いたいけど、病院のスタッフと顔合わせるのいやだなー”
”病院変えたい!”
どんどん不安とストレスがたまっていきました。


【クリスマス】

ゆうなにゅういん20171216

病院で迎えた12月24日。

家族一緒に楽しめなかったことが、とても切なかったです。

娘の前では、そんな悲しい表情を見せるわけにはいきません。

まだ2歳なので、大好きな物がこれ!と決まっているわけではありませんが、音の出るオモチャ、メルちゃん、お兄ちゃんからのお手紙。袋いっぱいに用意して。少しでも、入院のストレスから解放されるといいな…と、いつもよりテンションを上げて娘に接したのを覚えています。

ゆうなにゅういん20171225_

そしてこの日も、面会終了時間の20:00が来たので、
ベッド柵をガチャン…と上げて、
「ちゃんとネンネするんだよ。また、明日ね。おやすみ…。」と言って別れます。

いつも車を停めている駐車場は、病院より小高い丘の上にあります。
病院の入り口を出てから駐車場までの道途中で、3階にある娘の病室が見えます。

窓は閉まっているので中の様子は見えませんが、電気は消えている。
娘の泣き声も聞こえない。
きっと眠れたのかな?

少しだけ泣いて、車に戻りました。

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