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暮らしたい未来のまちは、大切な人を大切にできる日常がある場所だ

東京のまちが好きです。街灯が沢山あるから。夕方になると、お店の看板と一緒に、いつの間にか灯っている街灯。コロナで外出自粛・飲食店の時短営業が当たり前になってからは空いているお店も少なくなって、街灯の存在感が増したなあと感じています。

(1)2021年における在宅勤務の日常@東京

昨年3月の緊急事態宣言時から、仕事のほとんどを自宅で完結させる日常が始まりました。現在に至るまで外出はできるだけ控えているので、意識しないと簡単に運動不足になってしまいます。そこで、今年の1月くらいから、仕事終わりに「ジョギング」か「ダンス練習」か「筋トレ」をするようにしています。

在宅勤務を終えると、頭はクタクタに疲れていて、脚は長時間座っているためむくんでパンパン。晩ごはんを食べてから、いずれかの運動開始です。ジョギングの場合は、大体22時〜25時の間、1時間で10キロほど走ります。

好きなコースは三つほど。1番のお気に入りは明治神宮コースです。恵比寿3丁目の交差点から広尾を横切り、西麻布の交差点を左に曲がります。

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22時を超えると、久しぶりのお酒に潰れて寝転がってる若者や、角のローソン前で缶ビール片手に笑ってる同世代らしきサラリーマンとすれ違います。六本木方面に向かって結構な傾斜の坂道を登るのですが、高速道路の下だからか街灯はまばらで、結構薄暗いんです。上り坂をダッシュで切り抜け、地下通路を通って骨董通りへ。この時点で汗だくです。

青山通りを横切り、表参道の広々としたまっすぐ続く緩やかな下り坂に差し掛かると、走行速度は最高潮に達します。高級ブランドが立ち並ぶ表参道は、毎週のようにディスプレイが変わるため、お店が閉まっていても身が引き締まる感じがします。お洒落職人がしのぎを削ってる感じに、なんだかいつもシビれます。

原宿に差し掛かると、また徐々に上り坂に。原宿駅前の三角広場のところには、奇抜な髪型の10代?20代前半くらいの方が5〜6人で談笑しています。夜遅いのに、大丈夫かな。大丈夫か。明治神宮の入り口に着くと、(夜19時には閉門しているので柵の外から)合掌。いつもありがとうございます。

そこからくるりと来た道を戻り、神宮前交差点を渋谷方面へ曲がって、渋谷〜恵比寿へと明治通りをまっすぐ走って、帰宅します。これで大体10キロのコースです。

在宅勤務は、集中力との戦いです。寝ようと思えば寝れるし、サボろうと思えばサボれる。だからこそ、「サボっている」って疑いを誰からも1mmも抱かれないよう、納得できる仕事をアウトプットするまで、ひたすら向き合いました。

おかげさまで、期初に立てた目標を120%出来で達成できたと思います!!やったあ。集中力と意思力を高度に維持して、常に高いパフォーマンスを発揮できたのは、ひとえに、習慣のおかげでした。

バランスの取れた食事を自炊すること、身体を動かして頭をスッキリさせること、ぐっすりと眠りしっかりと休めること、掃除・洗濯で佇まいを整えること。規則正しい生活習慣で、タフな働きを支える。毎日充実、仕事もプライベートもうまくいってる、良かった、有難い・・・幸せを噛み締める日々でした。

でもなんだろう。一つでもバランスを欠くと、何かが壊れてしまうんじゃないかと思うくらい、この半年は駆け抜けてきました。

特に運動は、私にとってなくてはならない日常になりました。残業で22時を回っても、そこから1時間走りに出る。帰ってきてお風呂に入ると、もう深夜2時。翌日は少し遅めに始業したりして、働く時間を調整でき、通勤がないからこそ、生活や身体への負担を最小限に留められたのかな、と思っています。

そんな日常も、11月で区切りを迎えます。

街灯のない街での生活がスタートするからです。

天草市

(2)実家勤務の新しい日常@熊本県天草市

統合失調症の妹の生活の立て直しをお手伝いするため、11月から実家の天草市に戻ることにしました。期間は、とりあえず3ヶ月間。仕事はこれまで通り、テレワークで実施できるから問題ありません。また、所属する企業では、自宅でのテレワークだけでなく、届出をすれば「実家でのテレワーク」もできる制度ができたので、昨年の記事の時より多拠点生活ができる環境が整ってきつつあります。

9月上旬、妹から「今の場所は居るだけでしんどい。心がボロボロになる。」と連絡がありました。居るだけでボロボロになる場所に、居続けることがどれだけ辛いことか。病院の先生や、施設の方、現地で支えるお父さんは、「妹のわがままだ」「自立度が低い・病気だから、しんどいだけ」と妹に言って、耐えろと指導したそうです。

私は、「今回は違う」と感じました。「治療を続けながら、ちゃんと働きたい。そのために自立度を上げる訓練に、しっかり取り組みたい。けれど、今の場所は自分に合っていない。」妹からの切実かつ説得力ある訴えを、尊重したいと思いました。

ちゃんと妹と向き合おう、お手伝いしよう。妹が、困っているからです。お姉ちゃんだもん。何を解決すれば状況が改善するのかが、わからない状態で「相談」するってエネルギーと勇気がいることです。気づかなくてごめん。言ってくれて、本当にありがたかったなと思っています。

妹の意思を確認した後、すぐに父に相談しました。話してみると、父も困っていて、ただ現状お世話になっている病院・施設の方にご迷惑をおかけしたり、筋の通らない・裏切るような行動をしたくないだけだ、とのこと。

それは、そうです。お世話になっている方に対して、しっかりと筋を通した行動をすべきですし、同時に、妹の意思も尊重されるべきです。結果、現状の病院や施設の方からしっかりとヒアリングをさせていただき、現状を把握した上で、新しい病院・施設を探すか、別の選択肢を検討すべきかを話し合うことになりました。

いずれにしても、妹の治療と社会生活を支えてくださる方々と、直接、ざっくばらんに様々なことについて対話することが重要です。拠点を妹の方に移し、対話の機会を確保する必要があると思い、決断に至りました。3ヶ月では足りない場合、延長も覚悟しています。

(3)暮らしたい未来のまち

私の人生は、私だけのものじゃありません。自分だけの成長や幸せを追求するためだけに生きれるほど、強くないからです。大切な人と共に、できるだけ幸せな時間を送りたいと思っています。

そして、私自身も、「私が大切にしたい人」です。大切な日常である運動は、ぜひ続けたい。街を気ままに走ることに、どれだけ癒されたことか。東京では時間を気にせず夜に走れていたけれど、天草で同じ日常は送れません。

街灯がある場所が限られているし、夜道は人通りもなく野生の動物が出る可能性も否めず、危ないので、早朝ランに切り替えないといけませんね。それか、月明かりに照らされたお父さんの禿頭を見ながら走るか。(写真のように、、わかりますか?笑)

月明かりに照らされた父の禿頭

郷に入っては郷に従え。新しい生活習慣を再構築しなければ。東京の家は家賃もったいないし引き払うべきか?住民税はどうする?長期化したらコロナワクチン接種みたいな自治体ごとの対応はどうなる?

多拠点生活が自由にできるような社会システムにはなっていないので、ひとつひとつ手探りするしかありませんね。これも、色々な人のお力添えをいただかないと乗り越えられなさそうです。

でも、きっと大丈夫。天草にも、街灯があるランニングコースが沢山できると良いなぁと妄想しつつ。

ICTツールの進歩、在宅勤務制度の普及、上司や同僚の理解、病院や施設の方からのご支援、家族や親族の協力、そして大きな変化も乗り越えられる生活習慣の力。一つひとつが積み上がって、新しい日常をつくる大きな決断を後押ししてくれています。呼吸するように、自然に、軽やかに。目の前の変化を乗り越えていけるといいなあと思っています。

私の暮らしたい未来のまちは、どこにだって広がっています。大切な人を大切にできる、日常がある場所です。

たまたま、東京と天草だっただけ。たまたま、私の家族に起こっただけで、「辛いことを解決するために日常を変える」って、誰にでも起こりうることだと思います。

誰もが自分らしい働き方や未来を選択できるようにあること。自分らしい人生を後押しできるよう、企業や、まちが、その有り様を変えていくこと。それによって助かる人や、つながる未来は、きっとあるはずです。

今日も、自分がいる場所で、自分にできることを、一歩一歩積み上げていきましょう。健康で幸せにはたらく人を増やしたい、現役サラリーマン【はたらくオクノ】でした!読んでくださって、誠にありがとうございました!

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