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社長直属組織の発足、嬉し泣き【ヒラ社員の働き方改革その5】

おはようございます!お菓子は1日1個までルールが中々守れない、はたらくオクノです。(今日から守れるよう、気を引き締めたいと思います。うん、よし。)

この記事は、組織なし・予算なし・知識なしの新卒5年目社員(2016年当時)が、周りの皆さんに助けられて働き方を変革した軌跡を綴る連載の第5弾です。(これまでの記事はマガジンにまとめています!

本日は、半年で4回実施したワイガヤを経て、課題と解決策を整理したところ、ボトムアップの草の根活動では限界があることがわかったため、「トップダウンの組織を立ち上げてください!」と社長・専務に直訴したところのお話を書かせていただこうと思います。

(1)言った者負け文化と三つの考察

2016年10月から、ボトムアップで草の根活動を実施してきた健康経営推進ワーキンググループ(WG)。ワイガヤ企画を通じ、従業員の忌憚のない意見をいかに収集し、課題の洗い出しと解決策を量産できるかに注力して活動していました。

当時の会社には、「言った者負け文化」みたいなものがありました。

今回でいうと、健康経営推進WGは、働き方や健康の課題を解決しようと従業員の意見を集めたわけなのですが、営業・技術・管理部門の現場最前線メンバーを集めたグループです。人事部でも総務部でもないため、例えば解決策として「制度を作る」等を考案したとしても、実現できる権限がないのです。

でも、「言ったんだからあなた達で何とかしなさいよ」「何もできないのに良く始めたな」「ワイガヤはやりっぱなしですか?」など、まだ検討中の2月の段階で陰口?みたいな声もが良く届いてきました。

既存の組織に立案した企画をお渡しし、「実現をお願い・依頼」して終わったら、おそらくそのまま企画は放置されて、また何も変わらない日常に戻るんだろうな、と感じていました。「WGが勝手につくった企画であって、我々の意見じゃありませんから」となるだろうなと。

じゃあどうするか。WGメンバーみんなで話し合い、なぜボトムアップの活動だけでは会社にとっても従業員にとっても有意義な活動にならないのか、整理してみました。

【考察1】具体的施策に終始し、大局感が無い
WGの企画は、ワイガヤで出てきた従業員の意見をもとに構成する課題解決策です。そのため、どうしても具体的な不平不満や理想を実現する施策に終始してしまうという限界がありました。

経営層が意思決定する粒度の企画にまとまらず、「統括部や部課の範囲で何とか対応できるんじゃないか?」と穿った見方をされてしまう危険を孕んでいました。

しかし、現場で解決せず、放置されてきたから何十年も同じ働き方のままでした。変革するには、全社に対して、執務環境・労働条件や制度・ICTインフラなどあらゆる方向からの環境整備の働きかけとともに、それを使うリテラシーを高める啓蒙運動を展開する必要があります。それを実現するには、大きな経営判断が伴います。

【考察2】統括組織不在のため、全社一体的取り組みにならない
実は、当時の社内において、WGは一つではありませんでした。事務処理改善WG、オフィスリニューアルなど、働き方を改善しようと試みる会議体は複数ありました

一方、それらを統括する組織がなく、また連携が人伝ひとづてのため、スムーズな情報共有ができませんでした。解決策の検討の際、重複や方向性の違いが出てきては無駄が生じてしまいます。

【考察3】投資対効果を計測する基準・ものさしがない
そもそも、投資を伴う経営判断を企画する場合、その投資によりどのような効果を期待できるのか、金銭換算、あるいは他の指標でも変化を把握できるものさしがなければ、基準なき判断しかできません。

従業員満足度やワークエンゲージメントなど、現在では良く耳にするワードですが、当時の当社ではそのような指標を計測してはいませんでした。

上場企業であれば、投資内容は投資家への説明責任があります。IRとして情報開示できるものにするためにも、従業員の働き方や健康・意識についてオーソライズされた指標の設定と計測、効果検証の仕組みづくりが必要でした。

(2)新組織の発足を提案

これら三つの考察を踏まえ、ボトムアップ活動を継続しつつも、やはりトップダウンの活動を開始しなければ限界があること、すなわち、「健康経営を統括するトップダウンの組織」の発足を提案書にまとめました。

健康経営とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。まず、働き方改革で「長時間労働・健康を害した働き方が当たり前の状況」を改善しなければ、「健康管理の戦略的実行」の必要性なんて、誰も理解しません。

そこで、①働き方改革と健康保持・増進施策を両輪で実行でき、②全社一体的推進を目指しながら、③投資対効果を計測できるものさしをつくる、「健康経営統括室」の発足について、経営層へ提案をさせていただいたのです。

ちょうど2017年4月より、新社長に就任するタイミングでした。専務(当時)とともに、新社長に対し、活動報告と提案をしました

(3)新社長の決断と涙

提案書を見て、新社長は一言。「WGって、結果出してないよね」

・・・はい、おっしゃる通りです。。。数字も出していなければ、働き方の改善を実現できた訳でもなく、ただ、課題の洗い出しと解決策の整理に注力しました。まさにそこが、ボトムアップの限界です。

結果を出すためには、組織と予算と権限が必要です。提案した当日は、「わかった」とだけ伝えられました。どうなるんだろう。。。

約1週間後、本社従業員が大会議室に集められました。通期の業績発表と総括、及び、来期の経営方針を発表するためです。新社長の就任挨拶を兼ねて行われました。その大事な、大事な社長就任挨拶の最後に、、、

新社長
「当社は来期より、働き方改革と健康増進施策を両輪に、健康経営を強力に推進します。社員の皆さんが、働きやすく、働きがいのある職場づくりを目指し、会社として取り組んでまいります。」

聞いた瞬間、嬉しくて涙が溢れてしまいました。嘘でしょ。本当に、これから会社で取り組めるんだ。私、これからもできるんだ。

そのタイミングで、私は新規事業企画から、経営企画部門への異動が命じられました。当時の上司より、事前に希望を聞いていただいていました。健康経営を本当に推進するなら、人事でも総務でもない。経営企画だと、最初から思っていました。

健康・働き方に関するあらゆる活動を一体的に推進し、社内の人にとっても、社外から見てもわかりやすい活動にしていくこと。それには、人事機能・総務機能・情報システム機能など、それぞれの役割を有機的に結合させ、体系化し、統合して推進する必要があります。

【その5 まとめ】

今回は、課題解決策を言いっぱなしにしない、実現できる組織づくりに向けたお話しを書かせていただきました。なぜその組織が必要なのか、事実を積み上げた考察のもと提案した結果、大変有難いことに提案を受け入れていただき、新組織の発足に至りました。

以上を踏まえると、働き方改革・健康経営の実現に向けては、三つのポイントを抑えた組織づくりが重要だとまとめることができます。
①具体的施策に終始せず、大局から判断できる組織にすること
②既存の組織と連携できる、全社一体的組織にすること
③投資対効果をはかるべく、ものさしを作り効果検証をすること

本日も、読んでいただき誠にありがとうございました!より良い働き方を目指して、いっぽっぽ前進してまいりましょう^^

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