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写真展のお知らせと“自業自得”

“自業自得”

ガンになってから何度か投げつけられた言葉だ。
相手には明確な悪意があって言ってくる。
僕の場合、投げつけてくる人は2パターンだ。

1つは宗教の勧誘を断ったときに言われるパターン。
「うちの宗教に入ったら末期ガンの人も治って元気になるよ。」
ガンに苦しみ溺れて藁をも掴みたい人はこの言葉に魅了されます。

僕は即答でキッパリと断るのだけど、相手もここまではっきり断られるとは思っていなかったのか悔し紛れに「うちの宗教に入っていないからガンになったんだよ、自業自得。地獄に落ちるよ。」と定型文のように言われる。アーメン。

僕はこういうときにヒゲを活かしてイスラム教徒であるとウソをつくのだけど、そんな宗教やめろと言われるので、こりゃ宗教が理由で戦争が終わらないわけだなと思ったりする。


2つめは菜食主義者から言われるパターン。
僕は狩猟をしていたので動物を殺したことや、肉を食べていたことが“自業自得”でガンになったという理屈だ。

健康なときから菜食主義の人から「地獄に落ちろ、お前が撃たれて死ね。」など狩猟者なら何度も見聞きした事がある定型文を耳でタコが撃たれるほど言われてきた。

狩猟者がガンになったのは彼らにとっては喜ばしい事なのだろう。つい先日もヴィーガン(肉も魚も卵も牛乳も動物性のものは全てNG)の男性から「自業自得 因果応報 身から出た錆 獣食った報い」と言われた。

結局そのヴィーガン男子はこんがりとネット炎上してしまった。

ネットの議論というのは不毛なんて言ったりするけど、僕はそうは思わない。
“ネット社会”という言葉があるように、ネットは第三者が目にする公共の場だ。
第三者が勝敗を判断する公開ディベートであり、検察と弁護士が争い判決を出す裁判のような側面がある。

「自業自得はガンのことについて言ったわけじゃない。」と苦しい弁明していたがそれも第三者が判断することだ。
「ガン患者に言ったことではなく、幡野さんに言った言葉なんだ。」と擁護する別の菜食主義の人もいたけど、理解力が足りないガン患者の僕には理解ができなかった。

狩猟者も菜食主義者も社会の中では少数派だ、少数派の属性の人ほど言葉に気をつけて、属性の代表として発言したほうがいい。

ガン患者を自業自得と罵り、謝ることもせずに弁明を繰り返す様子を第三者がどう捉えるか。結果としては菜食主義の社会的評価が落ちる結果になった。

僕に対して印象操作だと怒りをぶつける菜食主義者もいたけど、僕ではなくローストされたヴィーガン男子に怒ったほうがいい。

家畜の解放を目標とした菜食主義は動物と人間を同等としている。
聞こえはとてもいいのだが、肉食は殺人、家畜の繁殖をレイプの加害者と捉えるので肉食者のことを許すことができない。

イスラム教の方と一緒に食事することができても、肉食を許すことができない菜食主義者と一緒に食事をするのは難しいと僕は感じてしまった。


菜食主義者が食べる野菜を生産する畑では罠を仕掛けて動物を殺している。
「人間が山を切り開いて動物のすみかを奪ったからだ。」という言葉を耳で鹿が繁殖するぐらい聞いてるけど、山に入ったことがない人の妄想だ。
山に餌が無いのではなく、畑に人間が品種改良した美味しい野菜が密集しているから畑にくるのだ。

野菜が生きているなんてことを言いたいのではなく、野菜自体が野生動物の命の上に成り立っているのだ。
菜食主義者の敵は猟師ではなく、畑の野菜を食べる野生動物だ。
皮肉なことに猟師は菜食主義者の味方になっている、それを知っておいて欲しい。

以前ブログに書いたことだけど、僕は狩猟者が嫌いだ。
命を奪った動物の生殖器であそぶ狩猟者もいる、他の狩猟者の違反を行為を見つけては喜び炎上させようとする狩猟者もいる。
狩猟者にカスがいるように、菜食主義者にもカスがいる。
もちろん素晴らしい人格者もいる、それは狩猟者も菜食主義者も同じことだ。
日本中の全ての業界や現場で言えることだ、人間とはそういうものなんだ。

だからこそ、自分と宗教や食事の主義が違っていても、相手が動物であろうと敬意を払うことを忘れてはいけない。

写真家として狩猟の現場を5年間撮影した。
一つの写真作品を制作する時間としてはちょうど良い時間だった。
写真を見返すと1年目の写真には迷いや戸惑いが写っている。
5年目の写真はどこか研ぎ澄まされた感じがある。
血まみれの手でカメラを握り、何千回もシャッターを押した。

写真の性質から発表が難しいと思ったけど、ご縁があり写真展を4月1日から4月29日まで行うことになった。

30点を厳選して展示します、写真以外にも狩猟に持っていった道具や服なども展示します。(道具の展示は都合により3日以降になります。)

ここの記事中にアップした写真は残念ながらボツ写真なので、展示はしていません。僕は好きな人や尊敬する人を撮影したくて、嫌いな人は撮りたくない。だから僕が撮影した狩猟者の方々は尊敬できる人格者の人たちです、念のため。


Ego - Art & Entertainment Gallery
幡野広志 写真展「いただきます、ごちそうさま。」

東京都中央区日本橋本町4-7-5
JR神田駅から徒歩5分ほどの場所です。

火曜 水曜 10:00〜17:00
木曜 金曜 13:00〜20:00
土曜 日曜 12:00〜17:00
月曜 休館

写真の性質上、入館料をワンドリンク付きで1000円と設定しています。
わざわざ批判する人はお金を払ってまで批判してこないという、西野亮廣さんのレターポットの発想にヒントをいただきました。仮に批判してきてもお金を払ってくれるのでお客様になります。

展示している写真も道具も撮影OKです。
僕は残念ながら入院しているため、ほとんど在廊できません。
インスタ映えしないものばかりだけど、SNSにアップして感想書いてくれると入院中の励みになります。

欲しいかどうか、家に飾りたいかどうかは別として写真の販売もしています。

A4額装で一点1万円(税別 送料別)という通常よりもかなり安くしています。

4月の後半は在廊できると思います。よろしくお願いいたします。

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写真家、元狩猟家、血液がん患者。 お仕事のご相談はこちらに hatanohiroshi0301@gmail.com

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コメント (4)
行きます。必ず行きます。
入院生活、無事にうまくいきますように。
砂金です質問箱をお造りになったので 落ち着いた日々を過ごしていらっしゃるかしら?と気になって検索しました。写真展始まっていたのですね。
近いうちに伺います。生きていてくださいね。
色んな質問を拝見して幡野さんの人柄を感じています。
近く東京へ行けるチャンスをくださった事感謝します。
タイトルに対しての内容にびっくりしました
そうか、自分が感じるものでなく、他人にあびせられることだったのか…と
冷静なのか、非情なのか、悪意ある言葉は嫌なものですね…宗教とか、考えがあってしていることなのに、自分の行いに対しても、泥を塗ってるとは思わないのかな。信念を持ってやってるなら、それはそれ、これはこれって出来ないと、自分も結局中途半端じゃんって感じるのはアタシだけだろうか
でも、イスラム教のフリ笑ってしまった
幡野さんの写真みたらきれいで泣きたくなりました。
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