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シェア世界2位のSHOP

こんにちは、コーイチです。
今回は、中国のアップルとも言われ、2020年に日本市場に参入した「シャオミ(Xiaomi)」の店舗「小米之家(Mi Store)」を見ていき、これからの日本のテクノロジー、家電メーカーの店舗の参考になるのかを考えていきたいと思います。

1. シャオミ(Xiaomi)とは

                  (出典:TechTators youtubeより)

 小米科技(Beijing Xiaomi Technology Co., Ltd)は2010年、雷軍(Lei Jun)氏によって共同創業者8人とともに中国北京で設立されました。
「小米(シャオミ)」は、中国語で「雑穀の一種」という意味で、社名の由来は、Mobile Internetの頭文字である「M」と「I」が、中国語の「米(MI)」の発音と同じことに由来します。
 主にAndroidスマートフォンの製造・販売を行っているほか、ノートPC、スマートテレビ、空気清浄機、オーディオ機器などの製造・販売を手掛けています。
 2011年8月に、初代の小米スマートフォンMI ONEを発売したとともに、高い支持を得られ、特に中国の20代、30代の若者に人気を博し、これにより「中国のアップル」の異名で呼ばれるようになったとのことです。
 2011年は売上高が約6億元(約100億円)となり、さらに2013年の販売台数が1,870万台に達し売上高が316億元(約5,300億円)と急速な成長を遂げ、中国でトップ3のスマートフォンメーカーになりました。

 ネット専売の戦略を使いこなして主に都市部の若者客層を多く獲得し、中国の大都市部を中心に直営店の「小米之家(Mi Store)」を展開しています。
 2014 年から、台湾、シンガポール、インド、インドネシアに事業を展開し、同年中国シェア1位を獲得しました。
 2017年、18年には、スペイン、フランスにも直営店を出店、ヨーロッパに進出しました。また、2016年には家電ブランド米家(MIJIA)の展開を開始しました。

 わずか10年近くで、中国を代表するデジタルハードウェアメーカーとなり、今年はアップルを超え、スマホの世界シェア第2位になりました。
 スマートフォンのみならず、白物家電からインターネット、金融まで多角的に経営しており、巨大な中国市場を拠点としながらも、インド、東南アジア、ラテンアメリカ、アフリカ、西ヨーロッパ市場で成長している企業となります。

2. 小米之家(Mi Store)

                  (出典:Royen Lock youtubeより)

スマートフォン・インターネットテレビ・スマートエコチェーン(EcoChain smartmi)に力を入れる「小米科技(Xiaomi、シャオミ)」は「ニューリテール」の代表企業と称されています。
 シャオミのCEOである雷軍(レイジュン)氏は、「シャオミはスマートフォンメーカーであり、モバイルインターネット企業でもあり、さらに『ニューリテール』企業でもある」と述べています。
 たとえば、シャオミのスマート家電の場合、顧客は商品を購入した後、スマートフォンで「米家(Mi Home)」アプリをインストールして立ち上げると、スマホと家電製品をリンクさせ、複数の家電やデバイスをアプリで一元管理でき、各製品と連動させながら作動させることができます。

「小米之家(Mi Store)」は元々アフターサービスセンターから発展した実店舗で、「ニューリテール」事業の展開と共に顧客に製品を体験してもらい、その場で購買できる公式直営店になりました。
 長年のECビジネスで培った経験、蓄積したデータから人気商品を選定し、ビッグデータを活用して顧客分析を行い、ターゲット層(顧客の趣味嗜好・商品閲覧履歴など)ごとに商品を開発、宣伝、展示しています。
 また、最適な顧客体験の提供と同時に、物流などの業務効率の向上も図っています。
 顧客は「小米之家(Mi Store)」で新品に触れ、購入できるだけでなく、シャオミ傘下の「小米有品」と「小米商城」の公式サイトとアプリを通じて商品を購入することも可能となっています。

「小米之家(Mi Store)」は、ブランド文化と製品に適したビジネスモデルを探し続けています。
 一般的な企業の商取引は、顧客にアプローチし、商品購入後に取引が完了となりますが、シャオミは、「顧客」から「シャオミファン」になるのは、商品を購入した後と考えており、商品購入後にさまざまなプラットフォームで消費者と交流を行っています。
 その結果、MIUI(AndroidをベースにしたカスタムROM)の月間アクティブユーザーは2018年末時点で2.42億人に達しています。
 「スマホ+IoT」戦略がスタートした後の決算発表(2019年第1四半期)によると、シャオミグループの売上総額は438億元(約7440億円)に達しました。その中で、IoT消費財の営業利益は120億元(約2000億円)で、前年同期比56.5%増となりました。
 シャオミは、インターネットを通じて製造業のアップグレードを促進、顧客体験をベースに成長を遂げています。

3.Mi Store 深セン旗艦店 (小米之家深圳旗艦店)

                 (出典:Nikolay Tanev youtubeより)

 中国現地にあるシャオミのショップは、街中の大型ショッピングセンターにもそこそこの規模の店舗を構えていて、すでに地域に根ざしています。
 2018年、深セン南山区万向天地の高級ブランドショップが集積する大規模ショッピングモール「深圳万象城」の一画に同ブランドショップ最大の売り場面積、品揃え、展示を誇るシャオミ世界初の「小米之家深圳旗舰店旗艦店」が開業しました。
 シャオミ旗艦店の外観は、ガラス張りで、オレンジの「Mi」ロゴが目印となっており、店舗の外観および内観は、シンプルかつ洗練度が高い店舗となっています。
 アップルへのリスペクトが高いXiaomi社は、この店舗の設計をアップルストアも手がける著名デザイン会社「エイトインク」に依頼しました。

 店内はロフト風の2フロア構成。1Fは主力のスマホを前面に、パソコン、テレビ、小型白物家電などが並ぶ構成となっています。
 シャオミのスマホは、最先端スペックでありながら抜群の高コスパであることが特徴で、たとえば「CC9 Pro 5G」は最新の5G通信に対応しつつ、価格は3,699人民元~(約6万円~)、カメラ機能としては、「CC9 Pro」が5眼1億画素で世界を驚かせましたが、さらに価格も2,799人民元~(約4.5万円~)という価格帯となっています。
 2Fには製品を総合的に展示するスペースがあり、デザイン性が目を惹く生活家電群が展示されています。
 スタイリッシュでホワイト色の空気清浄機、扇風機、ロボット掃除機、調理家電、炊飯器、AV家電、パーソナルAV、ノートパソコン、スマートウォッチ、VRヘッドセット、スマートホーム関連機器、カー関連製品、ネットワークカメラやルーター類などの他にも、ベッドやタオルなどの家具・雑貨、電動スクーターやセグウェイ風の乗り物、ドローンまで売っています。

「すぐれたデザイン」と「手に届く価格」のバランスが絶妙で、展示製品は日本の家電売り場よりスタイリッシュで、製品のデザインや色使い、プライスタグもシンプルなものになっています。
 アップル、BOSE、無印良品の店舗にどことなく似ており、幅広い製品を揃えしつつ統一感が保たれています。

 シャオミがほかのスマホメーカーと異なるのは、グループ会社と連携し、「Mi」ブランドの家電製品も本格的展開する総合家電メーカーであることと言えます。
 スマートホーム、スマートスピーカー、ウェアラブルデバイス、PC/スマホ周辺アクセサリにとどまらず、エアコン、洗濯機、掃除機、調理家電、理美容家電などなど、とにかくラインアップが充実しています。
 もちろん、スマホが軸なので炊飯器や掃除機などの製品も原則IoTに対応しており、「スマートホームの完結」を目指しています
 シャオミのテレビは価格も品質も非常に満足できるもので、現地の方々の信頼性は絶大のようです。

 シャオミの旗艦店は、その後、武漢、南京、西安、成都、瀋陽などに開業しており、2021年6月末時点で、中国本土にある直営店「小米之家(Mi Store)」は7600店を超えたということです。(旗艦店以外も含む)
*パリにも欧州最大の旗艦店あり

4.シャオミの事業

 シャオミの事業は、IoT事業(ライフスタイル製品含む)とインターネットサービス事業(広告収入、ゲーム)が好調で、今四半期に世界65の市場でシェア5位以内に入っており、そのうち10の市場では初めてシェア1位を獲得したといいます。
 研究開発の分野にも力を入れており、投資でも大きな収益を上げています。出資した企業は330社以上にのぼり、自動運転技術を開発する「DeepMotion(深動科技)」を買収しました。
 電機自動車(EV)の開発を本格化すめるため、子会社「Xiaomi EV」を設立し、人工知能や新素材など、同社の持つ技術を投入しながらEV開発を加速していくと発表がありました。

 また他にも、ロボット開発も進めており、「CyberDog」というロボットも開発しています。
 「CyberDog」は限定1,000台で発売されるという発表がありました。  価格は9,999元(約17万円)という破格の値段設定のようです。シャオミはスマートフォン業界に続き、ロボット業界にも価格破壊を起こそうとしているのかもしれません。

                (出典:Sparrows News youtubeより)

 シャオミは、日本での直営店はありませんが、ようやくスマートフォンなどの一部は購入できるようになりました。
 一方、アメリカで中国企業への風当たりが強くなりZTEやHuaweiが圧力をうけているので、アメリカの同盟国である日本は政治的リスクが高いことや、防水性能やFeliCaそして技適が必要とされる特殊な環境にあることが参入の障壁になっているため、本格的な日本参入はまだまだ難しそうです。
 また、中国のハイテク叩きや「共同富裕」の政策により、今後の見通しが見えにくくなっており、今後どうなるかが注目されています。

5.最後に

 日本の場合、シャミオに比較的似ているのは、少ないながら独自の店舗も持ち、自動車産業にも参入?しそうなメーカーはSonyくらいでしょうか。
 シャオミのように、中国の新鋭メーカーは従来の一分野の商品だけでなく、そこから派生して総合的なライフスタイルを目指し、商品を開発し、販売する企業が多いように思われます。
 日本のメーカーも幅広く事業を行っていますが、BtoBが主のため、我々消費者には中々わかりづらく、また消費者の声も届きにくいのかと思います。
 それらが理由なのか、プロダクトや店舗のデザイン、クオリティーさにおいても、一歩遅れているように感じます。
 これからのテクノロジー、家電メーカーは、従来の流通ではなくSPAのようにBtoCへの変革が望まれているのかもしれません。

今回も最後まで見ていただき、ありがとうございました。        よろしければスキ、フォロー、サポートのほどよろしくお願いいたします。

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