見出し画像

“食”をテーマとした面白い場所

こんにちは、コーイチです。
パソナ本社移転など、今様々な開発が進んでおり、新たな観光施設が多くできている淡路島。
今回は、全国各地で飲食店を運営する「バルニバービ」が作った、「食」がテーマの施設「Frogs Farm(フロッグスファーム)」を見ていき、このような開発は全国でも今後進んでいくのか考えたいと思います。

1. Frogs Farmとは

画像1

(出典:frogsfarm.jpより)

 国生み神話が宿る「はじまりの島」淡路島は、自然豊かな環境で、古くから人と自然が調和してきた地域です。
 淡路島内は、公共交通手段はバスのみ(昭和41年までは鉄道もあったようですが)で、基本車が必要となります。

 神戸淡路鳴門自動車道「北淡I.C.」より車で約15分の場所にある淡路島の西海岸で、開発総面積が約2万9000平米にも及ぶ施設が2022年に完成しました。(段階的に開業)
 2019年オープンの第1弾のイタリアンカフェレストラン「GARB COSTA ORANGE」を皮切りに、ホテル、一棟貸し別荘、BBQやピクニックが楽しめるアウトドアパーク、レストラン、グランピング施設、オーシャンビューのバーなど次々と店舗が増えており、今後も引き続き増えていく予定です。

 開発した「バルニバービ」は、今回のプロジェクトで淡路島を選んだ理由について、東京や大阪の店舗で淡路島の食材の取引がスタートし、淡路島に訪れた時に西海岸の美しい夕陽、土地のもつポテンシャルに惹かれたのが始まりで、単に地元の食材を使うということではなく、淡路島のもつ豊かな自然環境やそこで暮らし、育んできた人たちの想いをかたちにし、『地産地消』を味わう場がつくれるようにと開発を進めたとのことです。 
 また土地の一部も一般に売りに出ていたものではなく、「このような街がにぎわう取り組みに活用いただけるなら」と地元民から譲り受けたそうで、そのため開発するコンテンツも観光誘致を目的としたものではなく、「地元に愛されずっと続いていくものをベースに企画し、食を通じて、『住みたくなる街づくり』をしたいという思いでおこなっている」といいます。
 また、2021年4月に「バルニバービ」は、淡路市の「旧尾崎小学校施設用地等利活用事業」の最優秀候補者の選定を受け、徒歩約20分の山側にある「旧尾崎小学校」と「旧尾崎公民館」のエリアも「Frogs Farm」に含むことになりました。
 これらのエリアでは、オフィス、社員寮に加え、地元の人々が利用できるコミュニティ施設、コワーキングスペース、カフェ併設の図書室などの複合施設があり、「大きな食のテーマパークのように楽しめる、そんな場所を目指したい」と述べています。

2.バルニバービによる開発

(出典:BALNIBARBI GROUP youtubeより)

 「バルニバービ」は、1995年の1号店開業以来26年にわたり、数多くの飲食店を生み出してきました。店づくりに関して最も影響を受けたのは、パリのカフェ文化ということです。
 地域に暮らす世代を超えた人々が集まる憩いと、コミュニケーションの場でもあるカフェには、たくさんの「人生における大切なこと」が内包されており、そんな文化を育めるような店を日本にもつくりたいという思いで、当時、人通りのほとんどなかった大阪、南船場にて1号店ビストロ「アマーク・ド・パラディ」の開業に至りました。
 以降、東京や大阪、名古屋、福岡へと、人通りのない道、エリアに店舗を作っています。
 2011年に東日本大震災が起こり、東京一極集中にはリスクがあることが問題提起されましたが、東京オリンピック開催決定とともに、問題への議論が深まることもなく、ただ助成金頼みの地方創生計画は本質をおざなりにしているのではないかという想いを持ち、自ら動くことに決めたということです。

 既存のマーケットとしては価値がないと放って置かれて場所でも、「バルニバービ」による「バットロケイション戦略」から見ると潜在的魅力に溢れるエリアは、日本全国の地域地方に存在することを改めて確認し、個性的で潜在的魅力に溢れるバッドロケーションに目を向けていこうと決めたということです。
 「バルニバービ」と淡路島との関わりは、2010年に淡路麺業の出雲文人社長が飛び込みで営業に来たのが始まりで、淡路島各所の生産者の人たちと深い繋がりを築くことができました。
 そんな中、2015年より地方創再生プロジェクトを始めるべく、日本全国のロケーションハンティングを始めていた「バルニバービ」は、商業店舗の一軒もない草地と、住む人のいない古屋が続く、淡路島北西海岸の郡家エリアに辿り着き、あまりに人がいない寂しさと同時に、穏やかな瀬戸内海に沈む夕陽の美しさに心を奪われ、「ここまで放ったらかしにされた土地だからこそ、私たちなら“食”をベースとした“面白いもの”を創り出せる!!」と想ったのがこの「FrogsFARM」構想の始まりということです。

(出典:frogsfarm.jpより)

3. 主要な施設の概要

 「Frogs Farm」の立地場所は、神戸から約30分、大阪から約1時間15分のアクセスで、非日常性の高い全国的に見ても特別なリゾートエリアとしての大きな可能性を秘めている場所となります。
ここでは、「Frogs Farm」の一部の施設を紹介いたします。

〇GARB COSTA ORANGE

(出典:BALNIBARBI GROUP youtubeより)

 夕日を望む海辺に立つ、約300席の一軒家のイタリアンレストラン。
 淡路島のサンセットラインに、形容できないほどの絶景、海辺での夕日を満喫できます。
 ミシュランガイドにも掲載されたイタリアン「イル・チプレッソ」の高島氏がシェフを務め、淡路島の食材をふんだんに取り入れたメニューが堪能できます。

〇KAMOME SLOW HOTEL

(出典:BALNIBARBI GROUP youtubeより)

 “何もしないことを楽しむ旅”がコンセプトのホテル。
 広い海と空の景色、波の音、海風など、淡路島の自然を五感で感じながら、非日常を味わえる大人のホテルです。
 全16室室の部屋は、全室オーシャンビューで、部屋には「05:00」〜「20:00」というユニークな名前がついており、室内はそれぞれの時間帯の海の色をイメージして作られていて、お部屋ごとに雰囲気が異なります。 
 夜になると、共有スペースに火が灯され、幻想的でロマンチックな雰囲気が広がります。
 また、別棟、未来型ハウスの一棟貸「サスティナブル コテージ」では、自然エネルギーや省エネ・省Co2に貢献する環境に優しいこれからの住宅のあるべき姿「サスティナブル ライフ」を体感出来ます。

〇PICNIC GARDEN

画像4

(出典:green-display.co.jpより)

 美味しいと楽しいが合体したオーシャンビューのアウトドアパーク ピクニックガーデンは、2500平方メートルの芝生広場があり、四季の草花が植えられて緑豊かな施設です。
 ビオトープやツリーハウス、噴水広場やファイヤーピットが設置されています。
 料理のメニューは、バーベキュープラン、ピクニックプラン、バーガープランがあり、全て手ぶらで利用できます。
 なお、メニューの監修は、「GARB COSTA ORANGE」の高島シェフが務めています。

〇Lazy Inn. (レイジーイン)

画像2

(出典:株式会社Wonder Wanderers プレスリリースより)

 淡路サンセットライン沿い、オレンジ色に輝きながら沈みゆく太陽と青い海を望めるFrogs FARMエリア内にあり、独立型のヴィラ6棟とカフェから成る施設です。
 「Lazy」は“ゆったり”という意味で、前には海、後ろには里山という恵まれた淡路島の自然の中で、訪れる人にのんびりしたLazyな時間を楽しんでほしい、という思いの元、「Lazy Inn.」は生まれました。
 他の方に気兼ねなくBBQをしたり、アウトドアでの団らんの時間を楽しめるよう、全棟に専用のアウトドアダイニングスペースを設置しています。
 淡路島の食の恵みを存分に楽しめるカフェ&クレープリー「RIBBIT RIBBIT」が併設されています。

〇LONG

画像3

(出典:株式会社バルニバービ プレスリリースより)

 オーシャンビューが楽しめる、全長「25m」のカウンターがある多国籍リゾートダイニング&バー。
 青い海が見える昼、サンセットが見られる夕方、星空が広がる夜と、一日を通して異なる景色が楽しめます。
 客席に着くまでのエントランスには、「淡路瓦」を壁面に使った20mの「瓦ロード」が演出されており、歴史を感じる「瓦」と曲がりくねった道が、日常から非日常へと誘います。
 淡路島の地の食材を活かしたブランチ、オリジナルのフレッシュフルーツのカクテル、スイーツなどが堪能でき、刻々と変わりゆく、「Long」の表情を楽しめます。

〇SAKIA(サキヤ)

(出典:BALNIBARBI GROUP youtubeより)

 2014年に閉校となった淡路市立尾崎小学校跡地を活用した「SAKIA」は、「食・アート・学びと地域」が融合する地域拠点コミュニティ施設です。
 旧尾崎小学校の面影を残しながら、インテリアはアート作品を多く取り入 れた「アートと触れ合える空間」へと一新し、食を楽しめる空間やコンテンツはもちろんのこと、地域の方々と連携したイベントやワークショップの開催など、幅広い分野で学びができる場となっています。
 1階には、「オサキ食堂カフェテラス」があり、淡路島の食材を使った洋食メニュー、和洋定食、スイーツメニューなどをリーズナブルな価格で楽しむことができます。
 さらに、小麦粉とお湯を混ぜてつくる“湯だねパン”専門のベーカリーショップ「しまのねこ」も併設しています。
 また、現在こども図書館「KODOMONO」とIT・プログラミングを楽しく学べる「ROBOT SCHOOL」の開業が準備中です。
 3階には、ワーケーションやリモートワーク利用にも最適なコワーキングスペース「サトヤマデスク」があり、企業の合宿や、ビジネス目的での長期滞在などが可能となる施設があります。
 また、2階は現在、活用を検討中とのことです。

4.最後に

(出典:Jason Tay CS youtubeより)

 淡路島には、「ミニチュアパーク」、「遺跡の世界」、「童話の森」など全20機種が揃うアトラクションがある「淡路ワールドパークONOKORO」や屋外型自然共存レストランの「淡路シェフガーデン」、アニメやゲーム、映画や漫画など二次元の世界のテーマにしたアニメパーク「ニジゲンノモリ」、キティちゃんのメディアアート&レストラン「ハローキティスマイル」などの施設が次々と開業しています。

 一方淡路市では、人口減少に歯止めをかけるべく、令和2年度から令和6年度までの5年間を計画期間として、淡路市のまち・ひと・しごと創生に関する施策「第2期淡路市地域創生総合戦略・人口ビジョン」の策定をすることとしています。
 しかし、コロナ禍による地方移住の流れもあり、現在、淡路島の住宅は「不動産プチバブル」になっており、場所によってはもともとの坪単価から5万円も高くなるなど、不動産取引価格は上昇しているようです。
 淡路島の不動産関係によると、「コロナ禍による地方移住の流れが影響して、1年前から島全体で住まいの確保がとても難しくなり、島民でさえも新しい家を探すのも困難な状況」となっていると言います。
 特に移住希望者に人気があり、大阪や神戸に出やすい淡路市東部エリアの賃貸物件はパソナグループがほとんど借りてしまったこともあり、移住希望者の中には、物件を見つけるために3年以上待ち続けている人も珍しくないようです。
 淡路島全体で見るとまだ空き家が多いですが、「知らない人には貸したくない」という持ち主の気持ちもあり、移住希望者がいても簡単に借りれない状況のようです。

(出典:Jason Tay CS youtubeより)

 このような地域創生は、単体ではなく、行政、民間、住民が力を合わせて行うことで、素晴らしい成果を生み出すことがわかります。
 人を集める施設が出来、住民の雇用が増え、生活が便利になり、人が増加していく、、、
日本の多くの地方都市でも、可能性は十分にあるのではないでしょうか?
 このような地域創生がもっと進んでいくと、日本全国が「観光地」になること考えられますね。
 これからも、淡路島の発展を楽しみにしていきたいと思います。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。          
よろしければフォロー、サポートのほどよろしくお願いいたします。


よろしければ、サポートお願いします。サポートされたものは、今後の活動費として活用させていただきます。