ひとりごと

 ずっと自分の世界に生きていると、外に出たとき全員が異邦人か宇宙人にでも思えてくるというか、私以外の生命体が存在することを信じられずに毎回新鮮に戸惑ってしまう。私が見ている世界が夢じゃないこと現実と呼ばれる類のものであることを示す手段がわからないから、「自分以外に同じように生きている人間がいる」ことが、"事実に近い"という認識しかできない。人を信じられないと言うと、騙されてきた過去があるだとか裏切られるリスクが怖いからだとか、そういうふうに思われて勝手に同情されたりするけれど、存在自体に疑問を持っているのに何をどう信じるというのだろう、と思う。そもそも自分という存在も怪しい。国語も算数も理科もその論理も発明者も全部デタラメな気がしてくる。神様とか呼ばれる、認知出来ない大きな存在が気まぐれに私を作ってひとり遊びしているのか、マッドサイエンティストに弄ばれているのか、誰かの見ている夢の中の登場人物でしかないのか、とかそういうことをたまに考える。馬鹿馬鹿しい。仮にそうであったとしてそれを裏付けるものなんて何も無いのだから、確かめるすべがないのに。こういうことは考えても無駄なんだよ、とお父さんに怒られる気がする。ここですぐにお父さんが出てきたりするので、誰かとのつながりについてもわかっているんだろうと思う。そもそも朝食べたトマトは誰が育てたんだって話だ。傲慢に人を無視するのをそろそろ辞めなきゃ、とあとから気づくけど、だって、やっぱりひとりの世界に籠ると孤独になるんだよな、あーあ。君はちゃんと君を生きているって断言出来る?

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