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留学費用の為替・インフレ リスクヘッジとしてのインデックス投資

金融リテラシーはない。個別の会社や分野について、本来の専門を離れてまで踏み込んで勉強する気もない。そんな私でも、留学のように莫大なお金がかかるイベントのためには多少の工夫はしていた。周りの様子を見ていて、何となく自分が少数派な気がしたので、知見というよりは、コメント欄から教えてもらうつもりでやったことを書いてみることにした。

特に英語圏のような留学費用が掛かる国に社会人留学をする場合は、数年かけて費用を貯金することになろうと思う。そしてその収入は円建てで入るので、何となく円で持っている。そして円安や物価の変動によって海外に出たときに苦しむのである。

特に、2022-2024年は主に日本と主要各国の金利差による円の全面安と、各国のインフレに伴う学費・生活費の高騰に伴って、国によっては円ベースで数年前の2倍ほどに学費が膨らんだ国も多い。私が留学する予定の英国も2019年から2024年で円に対するポンドの価値は1.5倍になり、ポンド建ての学費も年々のインフレ率を反映して激増している(留学生のみで、国内学生は学費に制限がある)。たとえば、ケンブリッジ大学のコンピュータサイエンスであれば5年間で10,000ポンド増額されている。2019年であれば400万円ちょっとであった一年間の学費が、2024年には800万円ちかくまで上がっているのである。多くの留学生にとっては留学の計画が狂い、中には計画の繰り延べを余儀なくされる場合もあるだろう。

インフレや為替の影響を小さくしたければ、一番気楽なやり方は、貯金を円で銀行に預けるのではなく、オールカントリーあたりにインデックス投資することである。インデックス投資は、上場企業に満遍なく投資する手法であり、あまり大きな見返りがあるわけではないが、インフレがあればインフレを、為替の変化があればそれを反映して価値が増減する。留学先の国でのみ極端にインフレが起こる、というようなことがない限りはまずは一番の安全パイである。また、給与積み立てにしておけば、日々のレートの変動に一喜一憂することもなく気楽だし、余計なエネルギーを資産運営に割かれることもないのである。

当然、極端な円高が進んだり大きな株価の下落が起これば逆に資産が目減りすることにはなるので、必ずしも得になるわけではない。特に積立期間が数年程度なら、円の現金で持っていたほうが良かった、という結果になることもあろうが、そのような年は学費のインフレも起こりづらいであろう。

五年かけて留学費用を積み立てたのであれば、英国で買い物するときに今のレートで1ポンドの野菜を200円と思って買う必要はなく、大体150円で買っていると思えば、ちょっとは気も楽になるというものである。

とはいえ、さすがに最近の極端な円安が怖くて、5月ごろに資産の25%ほどまで円に買い直していたので、もうこのままドルが下がってくれないかなー。多少気は楽になったとはいえ、どうしても毎日ドル円レートは見てしまう日々である。

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