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自己資金が少ないと補助金が使えないって、知ってましたか?

今までは融資についての記事をいくつか書いてきましたが、今回は、お金のテーマの中でも一味違う、「補助金」について書いてみます。私達にいただくご相談の中で、「使える補助金はないですか?」っていうご質問を、めちゃめちゃ多くいただきます。しかし、「…ありません><」と回答せざるをえないことがとても多いのです。その理由を、補助金の仕組みから解説しましょう。

補助金自体は、事業者にとって、とてもいいモノです。

補助金は、事業者(独立した人・会社)​が設備や人に投資するお金を​国が援助してくれる制度。事業の進捗を報告する義務はありますが、援助なので利子も返済もありません。国(経済産業省)や地方自治体が、それぞれの土地の産業を盛り上げるために様々な補助金を設けています。この仕組み自体は、事業者の経営を助けるとても優れた制度だと思います。
中小企業・個人事業主の事業継続を助ける「小規模事業者持続者補助金」。コロナ禍による社会変化に対応するために、業態・事業転換を行う費用を援助する「事業再構築補助金」など、有効な制度が数多くあるのも事実です。

最初から現金をくれるわけではない。まず自分のお金で買わないといけない。


ではなぜ私達は、「あなたは使えません><」と断腸の思いで伝えているのでしょうか?それは、補助金が「購入するためのお金をくれる制度」と勘違いしている方が多いからです。補助金は、モノを購入した後で支給されるのです。

補助金の流れ

上の図にあるように、補助金の基本は「補助金を申請して採択をもらう」→「まずは自分のお金で買う」→「事業が続いていることを報告する」→「支給決定・振込」という流れになります。つまり、補助金をもらう場合であっても、まず自腹で払うことが絶対必要なのです。お金がないので補助金で開業資金を賄いたい、というのは仕組み上不可能なのです。

それを知らずに、「補助金=もらえるお金」を拡大解釈して『最初にもらえるお金』という勘違いが生まれてしまっています。是非気をつけましょう。補助金を活用した場合でも、資金を同じように確保していく動きに変わりはありません。

補助金があるから事業スタートができる、ではない。スタートできる事業に、補助金が使えるのである。

国も自治体も、自己資金が足りない事業者を援助したい訳ではありません。少し極端な言い方になりますが、資金を集めて自分でも事業を始められる方への応援費用こそが補助金なのです。自力で頑張れる事業者の方が、地域で産業を盛り上げてくれそうですし、将来的に税金も払ってくれやすいですから。

だからこそ、補助金がないと事業を始められない状態は、まだまだ時期尚早です。むしろ、「自分でも始められるけど、補助金があればラッキーだな」くらいの余裕を持つことが、補助金ゲットの最低ラインであると心得ましょう。


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