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vol.1 ツユクサナツコの一生/益田ミリ


「自分が好きやと思うことは、
一生死ぬまで自分だけのもんや」
なんでみんなやめてしもたんやろう?

ツユクサナツコの一生


たまに、自分がよくわからなくなる時がある。

私って、何が好きだったんだっけ。
どんな音楽を聴くとわくわくして、どんな映画で泣いて、
どんな本に心動かされてきたんだっけ。

今日買ったあの服は、本当に着たいデザインだった?
本当にいいなと思ったのは、別のデザインのものじゃなかった?


知らないうちに、自分と他者との境界が曖昧になることがある。
自分が主語ではなく、
あの子が、周りの人が、家族が、世間が、
自分以外のものが主語になって、選択してしまっているのだ。
それに気がつくうちは、まだいいのだけれど、
たまに気づかないことがあるから、とても厄介だなって思っている。



会社からの帰り道、
本屋で益田ミリの本を見つけた。

書店員をしていた頃、彼女の作品が好きでよく読んでいた。
描かれる何気ない日常のひとこまが、
私たちの日常は”かけがえのないものなのだ”と、
”だから生きていくんだよ”と、背中を教えてくれる気がして。
「益田ミリの良さよ、伝われ~」と、
念を込めて、彼女の本に何度も何度もポップを書いた。
(念って書くと、何だか怖いな。)


期待もせんと、絶望もせんと、
それでも人は生きていける。

ツユクサナツコの一生

本音を言えば、
劇的な、ドラマのようなエキサイティングな日常には、正直ちょっと憧れる。
でも、ドラマチックじゃない日常も、それはそれで居心地がいい気もする。



好きなことを大切にしながら、一生生きていけばいい。

そうだそうだ、思い出してきた。
私って、益田ミリのこういう感じが好きだったんだよな。

読み終えると、なんだかすごく、
誰かにおすすめしたくなった。

そうだそうだ、
私って、いいなって思う本に、
念を込めながら、ポップ書くのが好きだったんだよな。
(やっぱり、念って書くと怖いな。)

好きだったことを、
また、やってみようと思った。

そんなわけで、おすすめの書籍の話を、
これから少しずつ書いていけたらと思いますので、
よかったら、どうぞお付き合いのほどを。

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