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復職の診断書とブルーハーツ

来月から、復職することを決めた。

―—退職か、復職か。
自分にとって、とても大きな決断だったと思う。

『復職する!』って言った翌日に、
『やっぱり、退職する』って言ったり、
感情がぐるぐる変化して、
決断までには、かなり時間がかかった。

そもそもの原因

復職か退職かを決めるにあたり、
何が自分にとって辛かったのか、
原因となる出来事はなんだったのか、
改めて、考えてみた。

私の場合は、
この2つが、ストレスの原因だったように思う。

①業務内容
②人間関係

現在の会社へは、コロナ禍に入社をした。
もうすぐで、丸2年になる。
世界的なパンデミックがスタートし、
少しでも安定した働き方がしたいと思っていた私は、
転職エージェントに進められるがまま、
今の会社へ入社を決めた。

そのため、業界・職種ともに、
いま思えば、少しアンマッチだったように思う。

加えて、人間関係。

夫の転勤で様々な会社で働いてきたおかげで、
人間関係を築くことには抵抗がない・・はずだった。

・・が、この会社はヘンテコな人が多くて、
かなり苦労した。
定例の業務報告ミーティングに参加するのさえ、
苦痛で苦痛で、心がすり減った。

毎日、先輩社員から無視されるのは辛かったし、
上司も見て見ぬふりで、これも辛かったな。

私のどこがダメなんだろう、って
自己肯定感は爆下がり。

―—それでも
毎日笑顔作って、みんなの顔色伺って、
必死に取り繕っていたら、

気づくと、自分の”軸”がなくなっていて
迷子になった。
目の前が真っ暗で、全方位が行き止まりに思えた。

先生の助言


「復職の診断書を書いて、頂けませんか?」
診察室で、先生に勇気を出して伝えた。

「もちろんいいけど、何かあったの?」
先生はパソコンに向かっていた上半身を、グルっと私の方へ回転させた。

「生活のことがあるので、復職したいと思います。
でも、やっぱりだめだったら、次は辞めるつもりです。
もう、他人軸で生きていきたくないんです。」

先生は、私の目をまっすぐ見ながら、
「そっか。覚悟が決まったんだね。」
と言い、またパソコンの方に向き直して、
診断書を作成し始めた。

「はい、これでいいかな、」

パソコンに表示された診断書には、

―—不安抑うつ状態は改善しており、
4月1日より職場復帰可能と判断します

と、記されており、

「はい、ありがとうございます。」
私は椅子に座ったまま、軽く一礼をした。

先生は、手際よく書類の準備をしながら、

「人間の”軸”はね、」

と、話し始めた。

「はい。」

「人間の”軸”はね、
生きていく間に、色んな経験をへて出来上がっていくんだ。
本を読んだり、映画を見たり、そういう疑似的な体験でもいい。
生きていくことは、”軸”を見つけていくことなんだよ。

でもね、見てごらん。
いい年しても、”軸”を見つけられていない人もいっぱいいる。

あなたは、さっき「他人軸で生きていきたくない」と言ったでしょう?
それが、分かってよかったじゃない。

”軸”を見つけていないことすら、気づいていない人だって多いんだもの。

辛い時間だったかもしれないけど、
いま、この時に分かってよかったと思うよ。」

先生の言葉は、
処方薬よりも、ずっと心に効く。


これからの流れ

診断書を担当者へ提出したあとは、
産業医との面談を経て、正式に職場復帰となるそうだ。

不安がないかといえば、嘘になるけれど、
自分の”軸”が少しずつ安定してきているからか、
以前より、心がぐらつかない。

私の”軸”を安定させるモノのひとつに、この歌がある。

人は誰でも くじけそうになるもの
ああ 僕だって今だって
叫ばなければ やり切れない思いを
ああ 大切に捨てないで
人にやさしく してもらえないんだね
僕が言ってやる でっかい声で言ってやる
ガンバレって言ってやる
聞こえるかい ガンバレ

THE BLUE HEARTS 人にやさしく

心がブレそうになったとき、いつも聴く。

好きな曲、好きな本、好きな映画。

私を形づくる大切なものは、
他人に決めさせちゃいけないなって、心から思う。


期待はずれの 言葉を言う時に
心の中では ガンバレって言っている
聞こえてほしい あなたにも ガンバレ!

THE BLUE HEARTS 人にやさしく



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