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【#シロクマ文芸部】天使かよ④

「読む時間、本日も楽しめた?」
妻がいたずらっぽく微笑みながら僕に聞く。
「もちろんさ」

妻の妊娠が分かってからは、寝る前の読み聞かせ以外にも美月との時間が増えていた。妻の体調が悪い時は僕が美月を、となるのは自然の流れであったが。

安定期となった今、風呂や食事は妻、寝る前の読み聞かせは僕と役割が戻りつつある。

「でも美月にとっては、読む時間は見る時間や聞く時間なのかなって思うんだ」
「へぇー」
と妻が感心したように僕を見る。

「読んでいる間ずっと僕のことを大きな目で見つめてるだろう?絵本じゃないんだよ」
「なるほど」
「で、僕をジーンとさせるような一言を言って寝ちゃうんだけど」
「ははは。天使かよって泣くものね」
「マジ天使だよ!でね、その感動的な言葉は僕の声を聞いて作り出されるんだなぁって」
「そうだねぇ。大切にしたいね」
「うん、読む時間は大切にしたい」

と話していると妻があっと声を上げた。

「ど、どうした?お腹痛い?」
と僕が慌てると
「違う違う」
と妻が笑いながら否定する。

「この前、お風呂に入っていた時なんだけどさ」

とここまで話して妻がふっと笑う。
湯船に入る時に美月が慌てて私のおへそに両手をのせたの、とニマニマする妻。
「なんで?」と聞きたくて仕方ない僕。

「おへそからお湯が入ったら赤ちゃん可哀想だって。見る時間って聞いて、美月も色々と見て感じてるんだなって……え?あーもうっ」
妻が苦笑いしながら僕にティッシュケースを渡す。

ズビー。

美月、マジ天使。

美月ちゃんシリーズも4回目となりました。

初めて美月ちゃんの読み聞かせをシロクマ文芸部で書いた時に見つけて以来、こちらの見出し画像を大変気に入っており、シロクマ文芸部投稿時には使わせていただいています。

pasteltimeさんと思っていましたが、さきほど選ぶと、

検索は「ふうちゃん」

と出ていました。

ふうちゃんさん、これからもこのシリーズで見出し画像を使わせてください。いつもありがとうございます。

小牧幸助部長、今週もありがとうございました。

・シロクマ文芸部の美月ちゃんシリーズはこちら👇

・毎週ショートショートnoteの美月ちゃんはこちら👇

ピリコグランプリのは……つぶやきの連続なので割愛します💦

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