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【#シロクマ文芸部】天使かよ③

食べる夜は順番を間違えてはいけないよ、とお母さんに言われたのに、バクの坊やは順番を間違えてしまいました……。

「ああ~ん。ああ~ん」
バクの坊やはお腹を抱えて泣いています。
「困ったわ。どうしよう……」
さすがのスイーツ探偵もバクの坊やの泣き止ませ方を知りません。

「もう!寝る前に桔梗屋信玄餅なんて食べるから」
助手Cはカンカンです。

「だって、入れ物がモナカの信玄餅なのよ。すぐ食べなきゃ失礼じゃない!」

スイーツ探偵はテヘペロリンと反省の色はなし。
助手Cが更に怒ろうとした時、バクの坊やが更に大声で泣き出しました。

「夢の信玄餅はプラスチック製容器だったよぉ。ポンポンペインだよぅ。ああ~ん。ママ~」

「仕方ないですね。これは難事件担当の骨皮筋衛門さんに連絡を取りましょう」
と助手Cは、我らがヒーロー骨皮筋衛門にLINEを送信。

すぐに、骨皮筋衛門が姿を現しました。

「大丈夫だよ。私の夢を食べればすぐ治る」
そう言うと、骨皮筋衛門はその場でグーグーグー。
あまりの素早さに感心するスイーツ探偵と助手C。

バクの坊やはスルスルと骨皮筋衛門の頭に近づき、モグモグ。

「ああ~ん。治らないよぅ」
「なに?我が夢で治らない?」
「筋衛門さんの夢はゴージャス過ぎて胃もたれポンポンペインだよぅ。ああ~ん」

ここまで読んで、チラリと美月を見る。
大きな目がキラキラと輝いたままだ。
そうだよな、こんな話じゃ眠れないよな、とため息をつく。

「パパ、美月ちゃんがバクの坊やにクシュリを届けてあげゆ」
「クスリ?」
「うん。美月ちゃんがポンポンペインだった時のクシュリ」
「優しぃなぁ。美月ちゃん」
「へへへ。「おクシュリ飲む飲む」と一緒にあげゆ」
「そうか。じゃあ、夢で届けなきゃ」
「うん!」

美月はすぐに目を閉じ、寝息を立て始めた。

素直過ぎる!天使かよ!

ジーンとしながらベッドを抜け出しリビングに戻る。

「ねぇねぇ、今日の読み聞かせの本、いつ買ったの?この本初めて見たんだけど」
「面白かった?」
「面白いんけど……読み聞かせには躍動感があり過ぎるというか……」
「へへ。それ、私が書いたの。なかなかでしょ?」
「あ……うん……」

奥様、今度は安らかに眠りへと導かれる童話をお願いします。

エアコンが新しくなって嬉しいので、スイーツ探偵も骨皮筋衛門も美月ちゃんも登場させてみました。

本当はバクの坊やの可愛い童話を書く予定でしたが。

シロクマ文芸部はキーボードをたたき始めると物語が思わぬ方向に行ってしまうのです😊

小牧幸助部長、とても楽しかったです。
来週もよろしくお願いします😊🙌

スイーツ探偵が食べた信玄餅はこちら👇

近いうちにダフやんと食レポしますね😊🙌

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