【ショートショートnote杯参加】違法の冷蔵庫

「ミミタン警察です。あなたは冷蔵庫を違法な目的で使用しました。よって逮捕します！」

この忙しい時に。

大人げないとは思いながらも、ふざけるぬいぐるみに少しムっとしてしまった。

「今ちょっと探し物で忙しいから静かにして」

「あ！ダメです！冷蔵庫の方へ来なさい！そして違法の内容を確認するのです！」

「後で行くから。大人しくしていてよ」

「ダメ―！冷蔵庫を開けるぅ！」

小さなぬいぐるみはワタが飛び出さんばかりにわめき散らした。

「はいはい、わかりましたよ、全くもう！」

腹立たしく感じながらも根負けをして冷蔵庫のドアを開けた。

「あれ？鍵！」

買い物に出かけようとしたところ鍵がなく、ずっと探してたのだ。でもなぜ冷蔵庫に？

「へへーん。鍵は冷蔵庫に入れるものじゃないのに昨日お肉と一緒にしまっていたでしょ？違法だから教えてあげたかったのよ」

冷蔵庫で一晩寝かされた鍵は冷え切っており、フワモフのミミタンで暖を取らせてもらった。

ミミタン、サンキュー。

※やった！最後も410字で終えることができました。ショートショートnote杯を開いてくださり、ありがとうございました。楽しかったです！