【ドラゴン】 彼女は絵描きさんだった。 仕事で身体も心も ボロボロになっていた私に 一枚のハガキが届いた。 『休め!』 彼女はそんな人だった。 数年前の誕生日に贈ってくれた 可愛らしいドラゴンの絵をみながら 想いが巡った。 来年は辰年。 空から見守ってくれるだろうか。
【喪中葉書】 (あっ、そうだった) 彼女が亡くなった現実が届いた。 それは 急なお知らせだった。 突然倒れ2日後にお通夜。 御供花などの手配を慌ただしく終えた。 コロナ禍で会えないまま 気がつけば3年以上過ぎていた。 イヤな冗談だと思うほど実感はなかった。 悲しいよ…。
【旅立ち】 あなたの生きたかった今日は 朝から時間が少し揺らいでみえた。 また会える…そう、思っていた。 午後2時。あなたの旅立ちを知った。 2年前の誕生日に送ってくれた くまえるの絵が優しすぎる。 あなたの絵が、あなたの青色が、生きた証。 ありがとう。ゆっくり休んでね。