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言葉、言葉、言葉(2024年5月の観劇記録)

1か月前

【劇評302】パワフルで大胆な群衆劇として松本祐子演出の『地獄のオルフェイス』が黄泉の国から甦った。

¥300

文学座の『地獄のオルフェウス』を愉しみにしている。以前、広田敦郎訳をもとに、雑誌「悲劇喜劇」に原稿を書いた。テネシー・ウィリアムズは、私にとっては、シェイクスピアよりも、チェーホフよりも大切な劇作家だ。「重要な」ではない。「大切な」と言いたくなるのは、親愛の気持ちがあるから。

恐ろしいほどパワフルで大胆な『地獄のオルフェウス』を観た。レイディ(名越志保)とヴァル(小谷俊輔)の求め合う強い気持ちが、アメリカ南部のスピリチュアルな志向と結びついているとよくわかる。演出家松本祐子、文学座アトリエにとって、画期的かつ瞠目すべき舞台。見逃せない。詳しくは劇評で。

もっとも偉大な戯曲ではないかもしれません。けれど、もっとも気持ちを揺さぶられたつかこうへいの戯曲「熱海殺人事件」が、文学座アトリエで上演されます。昨年の予定を楽しみにしていたのですが、やむなく中止。今度こそ実現してほしいと熱望しています。

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劇場 10 theater  文学座