この募集は終了しました。
お題

#海での時間

with ヤマハ発動機

人気の記事一覧

“我が家のカレーがいちばん”という声も聞こえてきそうですが。 【レシピ- 船厨】

 カレーライスはもはや日本のソウルフード。いまさら記事を書いたり、レシピを紹介したところで、「カレーライスは我が家のがいちばん」「私が作ったカレーライスがいちばん美味しい」といった声が聞こえてきそうです。  日本のカレーライスを食べてインド人がびっくり、なんて話も聞きますが、小麦粉を入れてルーにした日本のカレーはアジアを飛び越えてイギリスから伝わった物なのだそうです。  そもそもカレーは、アジアを中心に様々なところで食べられます。インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、シ

子どもの頃に憧れていた大人の味、栄螺。 【レシピ- 船厨】

 食いしん坊の筆者が幼かったころ、大人になったら必ずやってやろうと思っていたことがいくつかありました。そのうちの一つはホールケーキの独り占め。そしてもう一つ、よく思い出すのが、ビールを飲みながら海辺でサザエ(栄螺)を好きなだけ食べる、ということでした。  子供のころの筆者にとってサザエは「大人だけが食べることをゆるされたもの」だったのです。海水浴場のにある海の家などで旨そうにサザエを食べている他人を羨ましいと思っていましたが、父は偏屈なのか、自分がそれほど好きで無かったのか

張り詰めた心と体を癒やす海。 【社員紹介- 私が海を愛する理由】

 広島県の向島。本州・尾道の市街地とは橋で結ばれ、本州側からしまなみ海道を行くとき、最初に渡ることになる、風光明媚な島です。橋だけでなく、現在も通勤や通学の足として使われている渡船があって、それは美しい島の風景の一部になっています。  そして、中世に瀬戸内の海を支配した海賊衆“村上水軍”の拠点があり、現在は造船の島としても知られます。豊かな自然ばかりか、日本の海や船の歴史・文化をも垣間見ることのできる、とても魅力的な瀬戸内海の島です。  槇瑛人さんが海を語るとき、この島での

海を哲学すると優しい気持ちになれるのです。 【キャビンの棚】

 もしかしたら、この本は舞台が海でなくてもよかったのかもしれません。そして、主人公がくじらといるかでなくてもよかったのかもしれません。ひととおり読んでそんなことを思います。けれど、また最初に戻ってページを開くと、やはり、海の本なのだな、と思い改めるのです。  海は、人の涙でできあがった、というふうに書いてあります。  巻頭にあるこれを読んで感じたのは、ビル・エバンスが弾いた「SEASCAPE」に歌詞を付けたらこんな歌になるのではないかな、ということでした。時に人を受け付け

東京で潜るのはハードだった

これは別世界への旅行。 ダイビングする時はいつもそう感じています。 たくさんお魚さんがいて、 時にはフレンドリーに寄ってきてくれたり、時には威嚇してきたり。 たとえエサ目当てであっても、怒っていても、可愛らしいのです。 そんな触れ合いのおかげで潜った後はいつも幸せでいっぱいです! でも海の中ですから、一歩間違えると、命の危険もあります。 そうであっても、また、あの中に行ってみたいと思うのです。 ダイビングは人間が本来入ることができない場所での冒険なのかもしれません。

名も無き逸品「シャックル」 【海の道具】

 見たことはあるけど名前は知らない。そんなアイテムは巷に数ありますが、シャックルもそんなものの一つでしょう。  U字型をした鋳物やステンレスで作られたのが本体で、U字の開いている部分の左右にネジ山を切り、本体同様の素材で造られたネジを締め込んで塞ぐ。用途としては、チェーンや、スプライス加工したロープなどを繋ぎ止めるのに使います。  日常生活で目にするとしたら、駐車場などでチェーンの固定に使われているところでしょうか。ボートではアンカーとアンカーチェーンを繋ぎ止めるのに用い

決して自慢しているわけではないのです。 【海の道具】

 フィッシングフラッグなるものを掲げて航行しているボートを見かけたことがありますか? と言われてイエスと答える方は、そうめったにはいらっしゃらないでしょう。そもそもそんなものの存在さえ、知らない方がほとんどだと思います。  このフラッグ=旗、法律で定められたものではありませんが、カジキ釣り大会などでは準備することが義務付けられている場合が多いようです。  まずもってどんなものかというと、カジキやシイラなどの魚が旗1枚に1種類描かれている。もしくは「Fight」などと書かれて

9月の壁紙- 沖縄県(日本) 【海の壁紙】

沖縄本島の中部西岸に位置する恩納村の沖で潜水漁を行う海人の取材をしていたとき、大きな積乱雲が沖に湧き上がりました。いかにも夏らしい海の景色です。雲から強い雨が落ちているのが目にできます。暑い海の上でスコールに出合うと、最初は気持ちがいいなどと思ってしまいますが、小さな舟の上でこれが長く続くと、視界がまったくなくなる心細さに加えて、体温も奪われ、たとえ数10分ほどの時間が数時間にも感じられるほどきついのです。突風にも気をつけなければなりません。「晴れでも雨支度、夏でも冬支度」。

“ヤドカリ”でつくすトマートクリームパスタ の贅。 【レシピ- 船厨】

 カニは美味い。毛ガニ、花咲ガニ、タラバガニ、タカアシガニ、ズワイガニ、松葉ガニ、越前ガニ、ワタリガニ、ガザミにヤシガニ…。思いつくままあげてみると、日本にはたくさんのカニがいます。ただ、ここにあげたカニの種類、かなり大雑把というか、いい加減なのであります。  松葉ガニと越前ガニは、ともに産地によって分類されるブランド名で、同じズワイガニ。ワタリガニとガザミも呼び名の違いだけで同種のカニです。ヤシガニはこの中では唯一の陸棲生物で、カニではなくヤドカリです。さらに北海の花咲ガ

祭りに沸いた、小さな港町。 【Column- 潮気、のようなもの】

 「三大なんちゃら」が好きである。  海や船にはまったく関係ない話だが、「日本三大うどん」を挙げられる読者の方はいるだろうか。稲庭うどん、水沢うどん、讃岐うどん。というのは最終的には私が決めた。「なんできしめんが無いんだよ」という声が聞こえてきそうである。  そうなのだ。うどんの場合はあまりにも諸説ありすぎて、収拾が付かない。氷見うどん、五島うどんが入っていたっておかしくないだろう。埼玉県民としては武蔵野うどんをねじ込みたくもなる。となると、博多うどんが大好きな博多っ子も黙っ

タコよ、アボカドよ、君たちは最高! かもしれない。 【レシピ- 船厨】

 タコの素晴らしさについては、ことあるごとに触れてきました。思えば、本マガジン「船厨」の記事で初めて取り上げたのが「タコ飯」で、タコ好きの方々からたくさんの「スキ」を頂戴したのでした。編集部一同、たいそう嬉しくて、みんなでタコ躍りしたことが、昨日のことのように思い出されます。これは嘘です。  繰り返しますが、タコは美味い。タコは素晴らしい。昔は「外国人はタコを食べない。なぜなら、タコは悪魔の化身だから」という、まことしやかな言説を信じていたものですが、実際には一部の国を除く

宙を飛ぶ魚が美味しい季節です。 【レシピ- 船厨】

 宙を飛ぶ魚がいます。そう、トビウオです。独特の形をした尾ビレで勢いをつけ、胸ビレを広げて飛行機のように水面を低く滑空します。なんと100メートル近く飛ぶものもいます。  この魚が空を飛ぶシーンは、ふだん、ヨットやボートに乗って外洋で遊んでいる人にとってはそれほど珍しい光景ではありません。ボートの横からいきなり姿を現したと思うと、けっこうな距離を飛んでいくものだから、ついつい歓声を上げつつ見とれてしまいます。静かにナイトクルーズを楽しんでいるとデッキにいきなりトビウオが飛び

海中をセーリングするハマグリ 【海の博物誌】

 昔の海辺はとてもにぎやかでした。砂浜にはハマグリやアサリ、マテガイがいたし、岩場にはサザエ、アワビ、ウニなどの高級魚介が張りついていたものです。  貝は、タイラガイなどのように、岩についていて、岩が動かないかぎり、そのままずっとそこに居続ける、というイメージがあります。  でも、岩とくっついている繊維をときどき切って、数メートルほど移動するアコヤガイなどもいるし、ふつうの二枚貝は貝を開閉したり足(舌)を使って移動します。  そのなかで一番活動的な貝として知られるのがホタ

日本中で大人気の海藻、石垣島のモズク養殖。 【ニッポンの魚獲り】

 沖縄県八重山列島の石垣島。その中心地ともいえる石垣漁港(新川漁港)から出港し、〈第三百波丸〉は西方16kmほど、小浜島の沖合に設置されたモズクの養殖場へと船を走らせます。  この日はモズクの収穫が行われました。石垣島では、モズクの収穫も大詰めを迎え、4月には全作業が終了します。  今や日本のどこに行ってもモズクは手に入ります。スーパーなどでもパックに入ったモズク酢は定番の人気商品です。また、近頃は酢の物ではない生のモズクも通販で手に入るようになりました。消費者である我々

それでも人の力は欠かせません。 【海の道具】

 自動でボートの操舵をしてくれるオートパイロットというと、何やら電子機器の粋を集めた精密機械を想像してしまいますが、ボートの場合、それほどのことでもありません。もちろん、最先端では、GPS機能と連動し、モニターの地図画面上で行きたい場所を指示でき、転舵するポイントを何カ所も登録でき、しかも転舵ポイントは自動で大回りしながらスムーズに走り抜けるなんてこともできるのですが、簡易なものはコンパスと組み合わせて、向かいたい方向に自動で舵を操作するだけといったものもあるのです。  ボ

七つの海を支配する「ラム酒」の話。 【キャビンの棚】

 知り合いのヨットのキャビンの入り口に、こんな文言を書いたプレートが貼り付けてありました。  DO NOT DRINK from 7:59AM untill 8:00AM.  意味はわかりますか。一見すると、「アリに群がる象」の錯覚と同じく、「このヨットのオーナーはお酒が嫌いな下戸なのかな」と思ってしまいますが、二度見すると、禁酒の時間はわずか1分間。つまり、「いつでもお酒を飲んでいいよ」という意味なのです。  マリーナの船の上、それとも海辺のカフェのオープンテラスで。

憧れの島、小笠原が小笠原たる所以。 【キャビンの棚】

 古希を過ぎたオールドセーラー2人からヨットを始めた若い頃の話を聞く機会がありました。たまたま2人ともデビューは相模湾で、ディンギー(小型ヨット)からスタート。そして、はるかに眺める大島まで行くのが憧れとなり、そのためにセーリングクルーザーに転向していったそうです。  となれば、その次か、あるいは、その次の次ぐらいには小笠原諸島が目標になるんじゃないでしょうか。日本列島から約540海里(約1,000キロ)離れた小笠原は、ヨット乗りにとって、そんな立ち位置にあります。  そ

ある日、梅雨明け間近の海で見てきたもの。 【Column- 潮気、のようなもの】

 相変わらず海に出ています。拙子のフネは神奈川県の真鶴というところに置いてあります。レンタルボートに比べるとそれなりにコストは嵩みますが、それでも好きなときに海に出られるというのはいいものです。  この日は、強い雨が降った翌日で、ナブラでも探しに行こうかなと、ほぼ西隣の町・熱海に住むカメラマンの師匠に声を掛けて、一緒にフネを出しました。師匠は桁外れの海好きで、自分でも沼津に小さなフネを持っているのですが、時間さえ合えば真鶴まで来てくれます。相当の海好きです。とにかく、ン年以上

クジラがやってきました。 【Tadamiの絵日記(風)】

 6月に入ってから、相模湾にクジラの群れがやってきたと知らせがありました。マッコウクジラの群れのようです。海の上を漂っていると、四方から潮を噴き上げる音が聞こえてきて、目を向けるとクジラの背中が見えます。自然を感じます。海にいられることの歓びを感じます。  クジラに近づいてみたくもなりますが、海の上ではボートとクジラの衝突事故も見受けられます。高速走行は厳禁。もしもクジラを見かけたら、速度を落としてクジラが通る道を作ってあげましょう。傷つけたくはありません。クジラにも我が身に

海散歩 『茅ヶ崎』

少し 歩きましょう・・・ 「あっ!仁井網さん・・・」 さあ 帰りましょうか・・・ その前に 歩道橋から 2024年6月22日 土曜日 スマホでの撮影 海では知らない人同士 あいさつをしたり  お話をするときもあります もちろん ひとり 海をながめるのも いいですね せわしなさをわすれて のんびり 『ちがさきさんぽ』  #この街がすき

眠る魚と眠らない魚 【海の博物誌】

 世界の魚は約4万種類。日本近海にはそのうち2000種がいて、食用として市場に出るのは150種、商品として重視されているのは数十種にすぎません。魚好きの日本人といえども、実のところ、それほど多くの魚を知っているとはいえません。  さて、魚の分類は大変ややこしくて、一般に淡水魚1万種、海水魚3万種といわれます。では、サケ(鮭)、マス(鱒)、ウナギ(鰻)、ワカサギ(鰙)はどちら? となると諸説紛々。そのほかの分類法でもなかなかスッキリとはいきません。  そんな魚の分類方の一つ

タコの習性を活かした伝統的なタコ壺漁。 【ニッポンの魚獲り】

 本州と四国の間、瀬戸内海にむけて九州から丸く突き出た国東半島。江本英樹さんは盆踊りで知られる姫島を望む、この半島の北部、国見町で生まれ育ちました。水産高校卒業後に、実家の漁業を継ぎ、〈竜英丸〉を駆り、海に出る日々を過ごします。  竜英丸では時期によってヒジキ、ワタリガニ、潜水によるナマコの漁など多岐にわたる漁が行われますが、その軸となるのがタコ壺漁。  タコ壺漁は弥生時代から始まったとされる原始的な漁です。餌を求めてタコが壺に入るということもありますが、逃げ場の少ない場

夜の東京港は面白い。 【Column- 潮気、のようなもの】

 9月の初めに、夜の東京港を船でクルージングするイベントがありました。ボートやヨットの業界で仕事をしているライターやカメラマン、編集者などからなる団体の主催で、かれこれ20年ほど前から、長く続けているイベントです。  パーティ用のクルージングボートを借り切って、知り合いや仲間を誘い合って飲食しながら夜景を楽しみます。走るコースは毎年趣向を変えているものの、これだけ毎年参加していると飽きそうなものですが、そうでもない。長く続けてこられたのも、けっこう楽しかったりするからです。や

やりがいって大切。 どんなときも漁を続けられるのはそれがあるから 【ニッポンの魚獲り】

 兵庫県の播磨町でマダイの刺し網漁を営んでいる大角真也さんは、播磨町でも数少ない漁業後継者の一人。毎晩、潮止まりの時間を見計らい漁場へと船を走らせます。  「マダイの刺し網はこの地区では定番の漁です。その昔はノリ網が多かったと聞いていますが、それが少なくなってからはマダイの刺し網が一番多くなったそうです。一攫千金という漁じゃなくて、毎日海に出てコツコツ魚を獲る漁ですから、しんどい時もありますよ。それでも漁場は近く一年ほとんど変わらずに漁ができるので、他の地域の人に比べると肉

夢を抱きながら続く、釣りのある生活。 【社員紹介- 私が海を愛する理由】

 「海を愛する理由ですか? う〜ん、そうですねえ、カッコいい大きな魚が泳いでいるから、ですかね」  ちょっと考えてから、そして笑いながら、そう教えてくれた星野茂さんは、正真正銘の釣り好きです。実のところ、海でも湖でも、ただの水たまりでさえも、魚が居ればそこを愛する。実際にお話を聞いていると「釣りを中心に人生が回っているのか」という気にさせられます。  カッコいい大きな魚が泳いでいる、愛する海で釣った魚の写真を見せてくれました。  「西表島(沖縄県八重山列島)で釣ったGT

ロックとボートの粋な関係 【キャビンの棚】

 イギリスのリバプールで活動していたビートルズが「ラヴ・ミー・ドゥ」でデビューしたのは1962年。その年、同じくイギリスのロンドンでは、ローリングストーンズが結成されています。  英国ロック史上、まさに輝かしい時代であった1960年代ですが、当時、イギリスには民放のラジオ局がなく、国営放送は低俗な音楽としてロックを流すことはなかったそうです。ラジオにレコードを流すとレコードが売れなくなるといったミュージシャンの要望もあったらしいのですが、いずれにしろ意外な話です。  でも、

恐怖心から生まれる荒唐無稽な話の楽しさよ。 【キャビンの棚】

 夏が怪談の季節なのは、怖い話を聞くと背筋がゾクっとして、いわば寒気と似た感覚を味わえるからということになっています。実際、ストレスによって交感神経が活発になると、発汗が促され、皮膚表面の血管も収縮して、体温が下がります。  経験的にそんなことを知っていたんでしょうね。庶民文化の華が咲いた文化文政の江戸市中では、先祖の霊魂が戻ってくるとされるお盆の季節に合わせ、「涼み芝居」と称して怪談歌舞伎を特別興行されました。今の「夏フェス」の先駆けなのかもしれません。往時の三大怪談は『

風をはらんだ帆の快味「トム・コリンズ」 【レシピ- 船厨】

 きりっとしたジンベースのカクテルは夏の海に合いますね。帰港後、クラブハウスのカウンターで仲間と釣り逃がした魚について法螺を吹きながらやる酒にもぴったりです。といっても、我が国のマリーナにはバーが皆無といってよく、実はヨットクラブ、マリンクラブの機能を大いに低下させている気もする、というのは冗談でありますが、実際のところ、車でやってきて日帰りで帰るオーナーさん達には不要ですね。  さて、海辺で飲むドリンクについては、ヘミングウェイに学ぶのが間違いありません。彼が愛したカクテ

絵本とピアノの自然讃歌 【キャビンの棚】

 これまで本欄で何度か取り上げた、絵本作家のロバート・マックロスキー。その代表作のひとつに「すばらしいとき」という絵本があります。  アメリカのメイン州の小島ですごす家族の一夏の経験を描写した作品ですが、海や自然、そして家族を愛する者にとってはたまらない内容です。  マニアックといえば、確かにそうなんですが、海系物書きのグループの中に、同じくロバート・マックロスキーを愛するお方がおりまして、絵本の話で盛り上がったことがあります。そして、この絵本にぴったりの音楽があると勧めて

夏の厄介者“台風”シーズン到来。 【海の博物誌】

 次々と熱帯地方で発生しては日本列島を縦断していく台風。熱帯地方で発生する低気圧を熱帯低気圧と呼びますが、赤道以北、東経180°以西の西太平洋で、中心最大風速17m/sになったものを台風としています。  毎年わが国に何らかの被害をもたらしますが、クルージングを愛するボーターやセーラーにとっても厄介で、気になる存在です。  さて、天気予報などで「大型で非常に強い台風」などと表現される台風ですが、強さと大きさにはそれぞれ階級に基準があり、天気予報などではそれらを元に分類し、表現

7月の壁紙- 沖縄県(日本) 【海の壁紙】

 美しい海が取り巻く沖縄県。ここは本島の東側、与勝半島の沖合に浮かぶ無人島のビーチです。シュノーケリングセットやバーベキューセットをジェットボートに積み込んでやってきて、南国の海を満喫します。  日本は北の端から南の端まで約3,000km。亜寒帯から熱帯までの様々な気候があり、海もそれぞれ特色のある表情を見せてくれます。素晴らしいですね。  なお、日本の最南端は沖縄ではなく、実は東京都の沖ノ鳥島(小笠原村)、というのは豆知識。沖縄は亜熱帯、沖ノ鳥島は熱帯に属します。緯度は北緯

座右に置きたい「心の海ガイド」 【キャビンの棚】

 とある遊園地に海賊船を模した遊覧船があって、その船長さんは、なんとモデルさんかと思われる見目麗しい若い女性でした。4本線の肩章が付いた真っ白い船長服に身を包み、操舵室では背筋を伸ばしてラットを握り「よーそろー」とは言いませんでしたが、周囲の安全確認をする際には、かかとを浮かしてつま先立ちする所作がなんとも健気に見えました。  といっても、その遊覧船は大柄ながら総トン数19トン以下にあつらえた、ディーゼルエンジンで動く実際の船です。船長はもちろん小型船舶操縦免許が必要です。

来る朝ごとの論争とシラスチーズトースト 【レシピ- 船厨】

 「よくもまあ朝からそんなに食べられるね」  これまで朝飯のたびに拙子がよく投げかけられてきた台詞です。よく言われるということは、よその人は朝飯をそんなに食べないってことなのでしょうか。  でもちょっと待ってください。例えば、朝の7時に朝食をとったとします。そして5時間後の正午に昼食をとります。さらに7時間後の19時に夕食をとります。そして朝食は再び7時。そうなんです。12時間後です。  朝食とは、三度の飯の中でも前回の食事から最も時間が経ってからの食事なのです。といったっ

ときどき私たちを導いてくれる小さな光の話。 【Coumun- 潮気、のようなもの。】

 読者の方の中には4月に生活環境が大きく変わった方々もいることだろう。月が変わって5月病に悩まされている人もいるかもしれない。新しい環境の中で、生活をスタートさせるのはなかなか大変なことだと思う。  この激動の世の中を航海するためには何が必要か。「風任せ」という考え方も素敵な気がするが、少しばかり無謀な気もする。人生にGPSのような便利なものは存在しない。しかし、我らの行くべき道を指し示す様々なシグナルは常に発せられている。テレビやラジオから流れる誰かのコメントかもしれない

8月の壁紙- カボサンルーカス(メキシコ) 【海の壁紙】

北米大陸の西岸をひたすら南下し、さらにバハカリフォルニアの最南端にあるのがメキシコのカボサンルーカスです。一部のマニアックなスポーツアングラーは、ここを釣り人の聖地だと言い張ります。泊地には大型ボートがずらりと並び、それに混じってこの地特有の「パンガ」と呼ばれる小型ボートも見られます。といっても今や人気のリゾート地。奇岩の浮かぶ海には多くの観光ボートが行き交っています。 ダウンロードはこちらから。

強い絆で結ばれ生まれたボートの素材 【海の道具】

 小型ボートのハル(艇体)の素材として、最もポピュラーなのはFRPでしょう。日本語で言えば、繊維強化プラスチック。ボートの場合で言えば、ガラス繊維と樹脂を複合的に組み合わせた素材で、繊維の破断に対する強さと樹脂の強度、加えて成型のしやすさがボートのハルの素材として最適なのでしょう。  というわけで、今回は道具ではなく“材料”のお話です。  波のある時にボートを出すとよく判るのですが、水の上で跳ねると着水時、いかに水が固いかを実感することになります。その時の音と衝撃は、ボート

惜しみなく手間を掛けて育つ、鹿児島のカンパチ。 【ニッポンの魚獲り】

 鹿児島県は養殖が盛んで、なかでもブリとカンパチはともに日本一の水揚げ量を誇っています。  その鹿児島のブリといえば、県の北西部に位置する長島町が有名です。長島町は九州本土と橋で繋がる長島本島を中心に、伊唐島、諸浦島、獅子島など23もの島々から成ります。天草と九州本土に囲まれた、それらの陸地が作りだす速い潮と、年間を通して変化の少ない海水温は、この海域を、ブリをはじめとする活魚の優れた養殖場に育ててきました。  一方のカンパチは、県南東部の大隅地区が有名です。こちらは外海に

愛しのねこまんま。【レシピ- 船厨】

 時代小説に出てくる食事のシーンに興味を持たれる方は少なくないと思います。たとえば池波正太郎の人気シリーズ小説「鬼平犯科帳」や「仕掛人・藤枝梅安」「剣客商売」などは、季節に合った江戸の料理の数々~料亭の料理から庶民の食卓まで~が登場し、食いしん坊の読者を大いに楽しませてくれます。  たまたま書店で手に取った山本一力の「銀しゃり」もそうでした。タイトルから想像できるとおり、江戸は深川の寿司職人を主人公とした小説なのですが、登場する料理や飯の食べ方一つ一つがとても興味深いのです。

資格取得を休んでいた私が「ゾーンに入る」経験を取り戻した瞬間

私は資格を取ることが好きです。それは勉強中や試験中に「ゾーンに入る」と呼ばれる体験ができるからです。 ただ、ここ1年ほど、資格よりも学ばないといけないことがありました。机に向かって勉強をするという形ではなく、人とのかかわりの中で揉まれなければならない学びでした。 その学びが落ち着いたと思えるようになったのは最近のことです。 落ち着いて自分のやりたいことを見つめられるようになったら、勉強とは別の場面でゾーンに入る体験をするようになりました。 これまで1人乗りのヨットに乗っ

「至高の銀杯」のお値段 【海の博物誌】

 どんなレースでもスピードを競い、順位を争うこと自体が楽しいものですが、勝者に与えられる賞もまた華やかなムードを盛り上げる要素の一つです。  数あるヨットレースの中でも世界最高峰のヨットレースとして知られるアメリカズ・カップ・ヨットレースは、1851年に始まりました。その歴史の中で、レースのレギュレーションや使用するレース艇は、時代とともに見違える変化を遂げていますが、そのなかで変わらないものもあります。それが勝者に与えられる賞典です。  それは、高さ70センチ、重さ4キ

馳走の極意、市場巡り。 【Column- 潮気、のようなもの。】

 ボートやヨットでのクルージングの楽しみのひとつに、立ち寄った港での「出会い」、ときに「出逢い」があると思います。それは、強面だけれど気のいい漁師さんであったり、また趣味を同じくする海の仲間であったり。もちろん人だけではありません。景色もそうですね。感動的な美しい朝日や夕陽であったり。そして、なにより、忘れてはならないのが、「美味いもの」との出逢いです。  筆者の経験上、美味いものは人を心から幸せな気持ちにしてくれる作用があるようです。酒が無くても、美味いものが食卓に並べば

鮮度が命。水揚げに秒を争うキビナゴ漁 【ニッポンの魚獲り】

 室町時代にはポルトガルから鉄砲が伝来し国産火縄銃の製造が盛んになり、現代は種子島宇宙センターのロケット打ち上げ場となるなど、常に先端の科学技術と縁の深い種子島。そして、ここでは秋から冬にかけて、薩摩料理には欠かせないキビナゴの刺網漁が盛んになります。  種子島のキビナゴ漁は9月~2月末日までがシーズン。4月中頃から始まる産卵のため、春から夏にかけては休漁となります。  網の目は19節とし、種子島の市場に出す場合は20箱、鹿児島市の市場に出す場合は30箱までと水揚げ量にも自

夏の終わり 2024ラフウォータースイム・イン・大磯 3000mの部

もうすぐ夏の終わりが近づいていますが、8月24日はラフウォータースイム・イン・大磯に参加。この大会はオープンウォータースイムと呼ばれるもので海を泳ぎます。1500mの部と3000mの部がありますが、今回は3000mの部に参加してきました。場所は大磯海水浴場。私自身は初めて行く場所になります。 当日は朝の4時に起床し6時台の電車に乗り大磯へ。都内から大磯までは1時間30分ほど。大会の受付が8時45分までなので、都内から行くと早めの電車に乗る必要があります。電車に乗って空を眺め

昭和のファッションリーダーが作った“ヘミングウェイ” 【キャビンの棚】

 ボートや釣りを愛する人にヘミングウェイのファンが多いのは、ヘミングウェイ自身が海を愛し、釣りを愛していたというエピソードによるところが多いのでしょう。彼の自然観、自然の中に身を置く人間の尊厳などが簡潔な表現の中にちりばめられた「老人と海」、ライフスタイルにおいてはキーウェストからキューバ時代の生活に憧れるファンは多いようです。  作詞家の故・安井かずみもヘミングウェイ作品を愛したひとりであったと伝えられています。  安井かずみは昭和歌謡曲の全盛に活躍した作詞家で、数々のヒッ

航海に欠かせない水路図誌 【海の博物誌】

 船舶が航海や停泊するためになくてはならない物の一つに、「水路図誌」があります。いわば、陸上における交通案内マップと同じ物で、この「水路図誌」は「海図」と「水路書誌」に大きく分けられ、これらは国土交通省の外局の海上保安水路部で刊行されています。  海図を一言で言うなら、海の案内図。航海者には必要不可欠の道標であり、使用目的により種々に分類され、一般に航海用に使用される図:狭義の海図(Nautical Charts)と航海参考用に使用される図(Miscellaneous Ch

釣るのも良いけど、食べて嬉しい槍烏賊。 【レシピ- 船厨】

 烏賊=イカは、サカナではなく軟体動物なので、ヒレの付いたカッコいい魚を釣るのが好きな筆者は意図的にイカ釣りを避けているのですが、ここまでイカ釣り人口が増えてくると、流石に無視できない存在になってきます。  もちろんイカ釣りは古くから行われていました。漁業で使われてきた独特の疑似餌「餌木」が使われることが多いです。その「餌木」をもじって、釣りギョーカイでは「エギング」という言葉が一般化して、多くの人がスポーツフィッシング(遊漁)として「エギング」を楽しんでいます。余計なこと

船に無くてはならない如意棒。 【海の道具】

 誰しも孫悟空が駆使する如意棒と筋斗雲に憧れた経験があるんじゃないでしょうか。言わずもがなの解説をすれば、如意棒は、悟空が耳から針のようなものを出し、頭の上で一振りすればビューンと伸びて、武器にもなれば、即席の丸太橋にもなっちゃうという、伸縮自在の棒のことです。  ボートフックというマリンアイテムがあります。これはボートアクセサリーの中でもかなり使用頻度が高く、かつ便利なもの。そして、どことなく如意棒に似ています。  主な使い道としては、出港時、デッキや岸壁、時には他のボート

目に焼き付いた、青い海の白帆の光景。 【We are Sailing!】

 ヨットレースの取材では、海上に打たれたブイの近くでボートに乗ってゆらゆらと揺れながら、遠くからやってくるフリート(レース艇の集団)を待ち構えます。そのフリートの中から、ヤマハセーリングチームのセールを探し、何番手で走っているのかを数えます。風下のマークで待っているとき、スピネーカー(風を後ろから受けるときに使用するセール)の白地に青い「YAMAHA」の文字はとてもよく目立ちます。風上で待っているときはちょっとわかりにくいのですが、それでも日の丸とYAMAHAの文字が入ったメ

訓練されたクルーが近くにいてくれることの幸運について 【Column-潮気、のようなもの】

 「体育会」とは要するに大学の各運動部が集まった組織体のことなだが、そこに身をおいた者の有様を「体育会系」などという。体育会所属の運動部における独特の上下関係の厳しさや、精神論などを実生活に持ち込むものだから、体育会系は、最近ではネガティブに捉えられることが多い。かくいう拙子が学生時代に所属していた外洋帆走系(セーリングクルーザー)のヨット部も体育会だった。で、実際に鬱陶しいと思われているたような気がする。  最近は、学生たちも和気藹々とセーリングを楽しんでいるようであるが、

なぜかたくさん釣れる高級魚。 【レシピ- 船厨】

 3月のある日、相模湾でマダイを狙っていたら、ホウボウばかりが釣れました。相模湾の海底はホウボウで埋め尽くされているのではないかと思うほど、釣れました。  マダイを釣ろうとしているのに、マダイは釣れずにホウボウばかりが釣れる。タイラバと呼ばれるルアーで釣ろうとしていると、よくあるのです。そんなとき、周囲の仲間はたいてい「ホウボウは高級魚だから」と慰めてくれます。でもこのときは、一人きりで沖に出ていたので、そんな慰めも聞こえてくることなく、「いえい!またまた高級魚さんのお出ま