◆個人の自由を擁護する先例的範例(判例を含む)をベースとして類推的にターゲットに投射していく投射・認識過程が、他者との関係で高い説得力をもつためには、その先例的範例が事前に彫琢的に整備され、他者と共有されている必要がある。諸観念を共有していることが、文化を持つということであろう。
◆個人の自由を擁護する先例的範例(判例を含む)は、当該事案と無関係に、事前にオープンに吟味省察し、整備し蓄積しておくことが必要である(歴史的な事業。文学も最重要領域)。当然、先例的範例には無数の対抗バージョンが生じることになり、これをも含めて吟味省察・整備蓄積することを要する。
◆法律構成においても事実構成においても、個人の自由を擁護する先例的範例(判例を含む)をベースとして類推的にターゲットに投射していくことがキーとなる。この投射・認識過程は職人的となり実証主義と衝突する側面があるため、ときに実証を装い、あるいは同投射・認識過程がないかのように振舞う。