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Fukushima 50レビュー|東日本大震災の振り返り

このnoteは、映画Fukushima 50 を見た感想と、震災の際、僕が思ったことを振り返ろうと思います。

Fukushima50は、ノンフィクション書籍『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発』を原作に、2020年3月6日に映画公開されました。

出演者情報

原発を束ねる、所長の東電吉田さんを、世界のKEN WATANABE、福島第一原発 1・2号機当直長の伊崎さんを、佐藤浩市が演じていました。

吉岡秀隆や、緒形直人も出演しており、映画64と似た雰囲気を感じましたが、特に同じ方が監督しているとか、そういうことではないようでした。

64もとても感動しましたが、Fukushima50は、命をかけたノンフィクションということもあったり、超主役級、KEN WATANABEと、佐藤浩市のふたりということもあり、個人的には64超えでした。

おふたり以外に、原発で働くベテランの方を演じられた、火野正平さんの演技が、本当に、東電のベテランの方にしか見えず、素晴らしい演技でした。火野さんは、濱田岳に似ている、と言われているみたいですね。

とんねるずノリさんの奥さん、安田成美さんも久しぶりに演じられてるところを見ましたが、癒し系の総務のおばちゃん役で、KEN WATANABEと仲良く働いてました。

震災のとき、枝野官房長官がたくさんTVで話していた記憶があるのですが、総理大臣をすっかり忘れてしまっていていました。菅総理大臣役を、佐野史郎が演じていました。(もう65歳だそうです。まだまだ若いですね、迫力あります)総理大臣は、だいぶ悪役みたいな描かれ方をされていて心配になりましたが、菅さん承認済み、みたいな記事があったのでほっとしました。


映画の感想(少々ネタバレあります)

まず、地震のことを思い出しますので、当時、大変怖い思いをしたり感受性が強い人は、もしかすると見ないほうがよいかもしれません。ある程度、時間がたって、再度忘れないようにしたい、再度自分にできることは何なのか考えたい、原発とは何なのか理解したい、というマインドになっている方には、とてもおすすめです。

ノンフィクションではあるわけですが、パニック系ということで、海猿のような雰囲気で見ていきました。

オープニングから、すぐに、地震発生で、「訓練通り、対応するぞー!」と、緊迫感が張り詰めます。

当時東電の方は、大規模地震が来ることは、もちろん想定して、たくさん訓練されていたんだろうな、ということが読み取れました。予備電源が最初は動きますが、津波が来て、原発は真っ暗になります。この電源がなくなることを、SBO(ステーションブラックアウト)というそうです。

この電源がなくなる、ということを想定した訓練は、ほとんどなかった、という描写があったような気がします。

僕は、当時も、そして、いまも、あまり原発の仕組みを理解していないわけですが、この電源がなくなった、という時点で、福島第一原発から、半径250km以内の人に対して、避難指示を出すような事態になる可能性があったようでした。

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総理より、最悪のシナリオを教えて欲しい、という依頼があり想定していたようで、詳細Wikiにございます。

実際には、電源供給できなくなった段階で、半径2キロ圏内の方に避難指示がでて、その後、10キロ圏内の方が避難完了した時点で、「ベント」とよばれる、圧力を外に逃がす作業を、放射能をまき散らすことになりますが、最小限に被害を留める手段を、世界初、手動で、実行された、ということでした。(こちら描写は、現場のベテランの方の責任感が伝わってきて、非常に感動的でした)

この、「ベント」は成功したわけですが、その後、水素爆発が発生したり、海水を注入する作業をしたりしても、「冷やしきれずに、放射能が致死量まきちらされて、そもそも熱いのでだれも近づけなくなり、作業者は死を迎えるかもしれない」という状況になってしまうリスクを抱えながら、何日も徹夜の作業が続いていったようでした。

※放射能を大量に浴びてしまうとどうなるか、の記事です。

総理と、東電本社と、原発作業者の緊迫したやりとりが、最後まで続いていきました。

「真実と違うじゃないか」みたいな批判レビューもあるみたいですが、メルトダウンを防ぐために懸命に作業していただいた皆様、泣く泣く地元を離れなければいけなくなってしまった、近隣に住んでいる方々の思いが伝わってきて、原発の問題を当時より、ちゃんと理解することができました。

あと、演者さんが、みなさんガラケーを使っていて、「そっか、当時まだガラケーだったんだな」と時の流れを感じました。


僕自身の3.11の思い出

僕は、神保町の金融系の会社で働いていて、ビルの11階くらいで作業中に、地震が起きました。普段から、何が起こっても「自分は死なない」と思っている能天気な性格なので、感受性も低いのですが、地震が起こった瞬間、「あ、床ぬけて落っこちて死ぬかも」と思うほどの揺れでした。

もっと揺れたビルはあると思うので、震度7くらいでもビルは大丈夫ということみたいですね。そのあとの余震も、だいぶ揺れて一刻も早くビルを出たかったのですが、あまり災害対策がとらえれていなかったので、会社全体に、なにか指示が出ることなく、17時くらいに、各自帰れる方は帰ってください、となった気がします。

僕は、家まで17キロくらいの距離だったのですが、3時間半くらいかけて歩いて帰りました。結構寒くて、途中で温かいものが欲しくなりましたが、お店が閉まっていたり、コンビニにも商品がなくなったりしていました。

震災は、金曜日だったわけですが、僕はこのとき、ダブルワークをしていて、翌日土曜日は、朝6:30から、フィットネスクラブでのアルバイトがありました。チャリンコで通っていたので、通常どおり出社しました。震災の中ではありましたが、オープンから、何名かお客さんも来店して、少ないながらも通常営業できていました。

翌週、月曜日、通常出社したのですが、電車の混雑がとてもすごく、しばらくチャリンコ出勤していました。

計画停電とかもあったりしたんですが、特に影響は受けなかったものの、節電したり、対応していました。当時3/17に、何か考えを発信したいと思って、mixiの日記に書いたものです。


地震があった日、

仙台が実家だと聞いていた友達に、

実家大丈夫だった??とメールしましたが、

ずっと返信がなかったので、

家族と連絡がとれずに不安な日々を

おくっているのかと思いましたが、

おととい連絡があって、

ちょうど実家に帰っていたそうで、

被災して避難生活になってしまったそうですが、

息子の侑悟君と共に無事と連絡があり、安心しました。

ガス以外は、水道も電気も使えない状況だそうです。

また、いまはテレビやネットでは、

福島の原発や停電の情報が多く、

実際に被害を受けた方の声を聞くことが

難しいですが、

車に乗ったまま津波に流されてしまった家族を

自分で探し出したけれど、

亡くなってしまっていたというニュースを見ました。

お父さんも、おばさんも、息子さんも、

すごく切なそうで、悔しそうでした。

こんな思いをしている方が何人もいるんだと思います。

少しでもたくさんの方の命が助かって、

早く避難所に物資が届いて、

復興に向かっていけるように、

何かできることがないか日々情報を集めていけたらと思います。

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以下は会社で働いていて思ったことです。

僕は、地震の日、会社の水道橋にいたのですが、

地震がおさまると、ユーストで始まったTVの中継や

ワンセグで津波の映像を見て、

「映画のデイアフタートゥモローみたいだ」

と、何回も呑気に発言する偉い人や、

「最近買った、50インチのテレビ倒れてたらどうしよう」

など、これだけの津波の映像を見ても

結局そこが心配になっちゃうのかよ、

被災された人の気持ちなんてわからない人もいるんだな、という

感情から始まったのですが、

月曜日に計画停電の兼ね合いもあり、

電車の運休で遠回りをして、30分ほど遅刻してしまい、

一緒に働いている新卒の同僚に、

「もうちょっと早く計画停電の連絡してくれたらよかったのになぁ」

と言ったところ、普段は前の上司のダメだしをよく口にしているその同僚が、

「東京電力の人が寝ずに対応してくれてるのに、悪くいったらかわいそうです」

と怒られてしましました。

きっと、ツイッターでリツイートされている、

いまは誰かを悪くいうのはやめよう、を実行してくれたんだと思います。

また、普段は機嫌が悪く、からみずらいフルカブの経理の方は、

「東京電力にブーブー文句いってるやつは、お前が現地いって直してこい!って感じだよね!」

と、文句を言っている人に文句を言って声をあらげていました。

これを聞いて、僕も普段は仕事をするときに文句ばっかり言って

代替案を出さないような方は、いやだなぁと思うのですが、

あまりに地震の影響に関するネガティブ発言を

禁止する雰囲気が行き過ぎているのではないかと思い始めました。

東京で、津波の影響を受けていなくても、

たくさんの人が、余震のたびにおびえていると思うし、

計画停電の影響で、家に帰るのが遅れたりして、

いつもより大変な生活になっている人ばかりだと思います。

なので今は、多少グチをこぼしてストレスを解消しても

いいのではないかと思います。

「コンビニに全然おにぎりないじゃーん!ふざけるなよー」

っと言ってる人がいたら、

「ほんとだよね!買い占めたくなる人の気持ちもわかるよね。
でも枝野さんもそのうち大丈夫って言ってるし、大丈夫だよきっと」

とか、

「福島原発の放射能やばくねー!電力会社ふざけんなよー」

っと言ってる人がいたら、

「放射能とか怖いよね。マイクロシーベルトとかよくわかんないし。
でも、ツイッターで、元NHKの池田さんって人が、
全然危なくないってことを証明するツイートを
たくさんしてくれてるから、あれみると安心するよ」

とか、

文句言ったら、即コミュニケーション終了にならずに、

いろいろ今地震に関して思ってることを、

会社の人だったり、友達だったりと、

グチも含めて話していくことがストレスの緩和にもなって、

いま自分のまわりで出来ることなんじゃないかと思います。

ヤフーから募金をしてみても、

zozoタウンのチャリティTシャツを買ってみても、

きっと、大切な人を失った方の悲しみを癒すことに、

ほとんど貢献できないんだと思いますが、

ちゃんと毎日被災された方に目を向けて、

困っている人がいることを忘れないで生活していきたいです。

↓このドラえもんの動画を見ると、大切な人と一緒にいることが

すごく幸せなことなんだと確認できて好きです。

※(ミスチルのHEROと帰ってきたドラえもんのMADだったのですが、いまはどこを探してもなくなっちゃいました)※

いま、新型コロナウィルスで、似たような状況ではありますが、僕の価値観は、それほど、変わってはいないな、と振り返りました。


まとめ

映画Fukushima50は、個人的には素晴らしい★5の映画でした。
原作も図書館で予約したので読んでみようと思います。
震災以降も、たくさんの自然の猛威が襲ってきています。相変わらず、僕はボランティアでしばらく仕事を休んだりできるような、フリーの生活はできていませんが、経済状況を整えて、募金したり、なにか起こったときに協力できるような人になっていきたいです。復興の状況も、しっかり情報収集して、無知であることは避けたいと思います。
自然の猛威で、自分自身が命を落とさないように、身近な人を、適切な情報で守れるように、生きていきたいと思います。



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