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ネット右翼になった父

「久しぶりに実家に帰ったら父がネトウヨになってた」という単純なお話ではなく、これはめちゃめちゃ良い話なの少し感想を記載しておく。

久しぶりに実家に帰ったら父がネット右翼になってた

タイトルのままなのだが著者が実家に帰ったら実の父が保守的な発言を繰り返す様になっていたという話で始まる。著者はこの発言に酷く混乱し、父親との間に壁を作ってしまいそのまま父は帰らぬ人になってしまうのである。
その数ヶ月程度たったあとに、著者はその話を寄稿して掲載をすると同じような経験をしている人たちからの反響が大きかった。

しかし、著者の心のなかには酷いわだかまりが残ってしまっていた

なぜ父はネット右翼になったのか

著者自身としてそのわだかまりを解くための調査結果がこの本に記載されている。

その調査方法として、「なぜ父はネット右翼になったのか?」という疑問から、「そもそもネット右翼とはどのような人たちなのか?」を実際に調査し定義している。その結果をもとに、実際の父親の発言の分析や母や姉、友人などの証言をもとに、父親がネット右翼になった理由…または本当にネット右翼だったのかを探っていいく。

個人的な感想

この本は、亡くなった父親とのわだかまりを解くために著者が調査を行った結果をまとめたものにする予定で始まってはいるが、結果として亡くなった父親の人生を振り返ることになり、著者自身の人生を振り返ることになる。

色々な調査を経て父親に触れたときに、そこにはそういった悪意や強い思想はなく、ただ息子と話をしたかった父親が見えてくる。

泣ける本だった。

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