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節税しながら退職金を確保!「小規模企業共済とは」

退職金を確保しつつ、節税も実現できる「小規模企業共済」をご存じでしょうか?

サラリーマンには退職金の制度がありますが、中小企業経営者や個人事業主は自分の退職金を積み立てる余裕がないことが多いです。そんな方たちの解決策として、小規模企業共済が役立ちます。

今回は、小規模企業共済の概要から加入方法、注意点までを分かりやすく解説していきます。


小規模企業共済とは

小規模企業共済は、中小企業や個人事業主を対象とした共済制度です。事業者は掛金を納めていき、収めた掛金は所得から控除されるため、経営セーフティ共済と並んで節税効果が高い制度です。退職時には収めた掛金を退職金の形で受け取ることができます。

この制度を利用すれば老後など退職後の生活を安定化することができます。参考までに、中小企業庁の説明を紹介します。

小規模企業の個人事業主または会社等の役員の方が事業をやめられたり退職された場合に、生活の安定や事業の再建を図るための資金をあらかじめ準備しておく小規模企業共済法(昭和40年法律第102号)に基づいた共済制度です。いわば経営者の退職金制度といえるものです。

中小企業庁:小規模企業共済制度について

小規模企業共済のメリット

節税しながら老後資金を積み立てられる

小規模企業共済の最大のメリットは、掛金の全額が所得控除に該当するため、節税しながら退職後の資金を積み立てられることができる点です。

政府がこのような優遇措置を講じている背景には、中小企業や個人事業主に対する経営安定化や、老後資金を確保することで社会の不安定化を防ぎたい狙いがあります。日本の企業数の9割強が中小企業、従業員数では7割を占めており、中小企業の安定化は非常に重要なのです。

出典:中小企業庁:最近の中小企業の景況について

資金繰りが厳しい時に借り入れができる

資金繰りが厳しい時にも、小規模企業共済の制度を利用することで借り入れが可能です。お金を受け取るまでの期間は通常、申請から約1週間以内で手続きが完了し、受け取れる金額は掛金の範囲内で最大1,000万円までとなっています。金利は年率1.5%と低金利で、資金繰りの対策として有効です。
緊急時の対応が迅速にできるため、予想外の事態による資金ショートリスクの防波堤になるのです。

決算対策ができる

小規模企業共済は掛金を柔軟に設定できるので、必要に応じて金額や支払いタイミングを調整できます。したがって12月の決算対策に活用できる制度でもあります。事業主や役員を加入させることで、決算前に必要分の掛金を納付して経費にすることも可能です。

ただし、最適な掛金設定や運用には専門的な知識も必要です。そのため、税理士のサポートを受けながら、個別の事業状況に応じた適切な決算対策を検討することをお勧めします。

小規模企業共済の加入要件

個人事業主と中小企業の会社役員が対象となります。雇用している従業員数が一定数未満であることがなどが条件となります(下図参照)。個人事業主の場合、共同経営者を2人まで加入させることが可能です。

個人事業主の加入要件(従業員数)
個人事業主の加入要件(従業員数)
会社役員の加入要件(従業員数)
会社役員の加入要件(従業員数)

要注意!加入前に知っておくべきこと

12カ月未満は掛け捨てになる

小規模企業共済では、掛金の支払いが12カ月未満の場合、掛け捨てとなります。つまり、契約解除や廃業時に返還される資金が一切なくなります。

元本割れするリスクがある

元本割れとは、納付した掛金全額を回収できない状況を指します。掛金を納付した期間が20年未満で、廃業ではない自己都合による任意による解約をした場合、受け取る共済金は元本割れしてしまいます。法人の解散や個人事業の廃業、役員の退職などであれば、元本割れしません。
こうしたルールを設けることで、過度な節税対策として悪用されないようにしているのです。

受け取る共済金は課税される

退職金と同じ扱いなので共済金は所得として扱われ、所得税の対象となります。しかし、控除や節税対策を上手く活用することで、税金の負担を軽減することも可能です。パートナー税理士がいたら、相談してみましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。小規模企業共済は経営者本人だけでなく、一緒に経営している家族や役員たちの生活を安定させることにも繋がり、効果的な節税対策でもあります。加入を検討してみてはいかがでしょうか。

橋本美菜税理士事務所は、
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