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withコロナの中、資生堂が見せた攻めの姿勢

皆さんこんにちは。エンジョイジャパンの橋本です。資生堂が発表したデータによると、2019年資生堂グループ全体の年間営業利益は約74億元(日本円約1,121億円)でした。資生堂は中国でも長年消費者に愛されているブランドで、中国市場でも右肩上がりに利益を伸ばし続けています。そんな中、資生堂・中国は今年、中国の女優「刘亦菲(リウ・イーフェイ)」をブランドイメージキャラクターに起用したことが話題になりました。

刘亦菲(リウ・イーフェイ)は、中国金鷹テレビ芸術祭で「金鷹女神賞」に選ばれるほどの大人気女優で、特に今年上映予定のディズニー実写映画「ムーラン」に出演することが発表されたことがきっかけで、世界的にも注目されるようになった女優です。

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3月17日、資生堂は刘亦菲を「品牌全球代言人(ブランドイメージキャラクター)」に起用することを「weibo」で発表しました。記事の転載数が14万、コメント数が1万を超えるほどの「アツイ」話題になりました。しかも、コメント内容の約90%以上が刘亦菲を支持する内容で、彼女がブランドイメージキャラクターになったことで、資生堂の商品をたくさん買うという消費者が数多くいました。

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ここで、私になりに考える資生堂が刘亦菲を起用した理由をご紹介します。

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(一)刘亦菲の影響力

多くのブランドは、旬なアイドルや芸能人をブランドイメージキャラクターに起用します。この行為は、実は新規顧客を逃すことにもなります。若手のアイドルや芸能人は、話題を集めますが、人々の印象に残るような作品が少なく、彼らのファンしか商品を買わない傾向です。新規顧客が増えないというリスクが出てきます。また、旬だからこそ彼らを起用するブランドが複数あり、ファンは一つのブランドに対してイメージを連想しにくくなります。

一方で、刘亦菲は数多くの名作に出演し、ファンの年齢層は10代~50代までと幅広く存在します。また、ディズニー実写映画「ムーラン」に出演することで世界的にも注目されるようになり、「中国の伝統的な美人」というというイメージがブランドイメージと共にグローバルに拡散していきました。そんな彼女をブランドイメージキャラクターに起用することで、全世界の幅広い消費者にリーチできるのです。

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(二)今後の展開に注目

中国の新型コロナウイルスは現段階では小康状態で、化粧品市場は回復傾向です。そんな中、資生堂が刘亦菲の起用したことを発表したのは、中国市場にこれまで以上に力を入れていくという決意表明だと中国のネット上で話題になっています。

中国の報道によると、3月17日に資生堂は、「中国の化粧品産業の中心地」と呼ばれる上海市奉贤区にある「东方美谷(ドンファンメイグー)」に、初の海外化粧品ブランドとしてブランドを登録し、中国で3つ目の研究所を設立することが発表されました。

※东方美谷:マーケティング、広告プロモーション、生産技術、化粧品、日用品、医療関係等幅広く手掛ける会社(組織)です。

資生堂グループの中国代表である「藤原」氏は、「新型コロナウイルスの影響で、中国の化粧品市場は現在低迷していますが、この時期を乗り越えれば、中国市場はまだまだ伸びる」と語ったそうです。

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以上、資生堂が刘亦菲を起用した理由をご紹介しました。資生堂が中国市場でさらに売上拡大を狙っています。今後の動向に益々注目ですね。

気になることがありましたら、ぜひ橋本までご連絡ください。

メール:hashimoto@enjoy-japan.jp

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