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【活動報告】あいちトリエンナーレ2019

【活動報告】カテゴリでは、アートプロジェクトラボで主催したイベントのレポートや、本の制作活動に関連する活動をご報告していきます。
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瀬戸内・大阪・愛知の取材・リサーチ。大阪・釜ヶ崎にある「ココルーム」から、「あいちトリエンナーレ2019」の開幕に合わせて愛知県を訪れました。その後、展示作品の中止・一部変更などで連日報道が続くなかで再訪。芸術監督・津田大介も出演したManiA ミーティング&ミートアップ@愛知にも参加しました。

※見どころ、楽しみ方、おすすめスポットについてはリターン(5,000円〜)のおすすめ情報メールのプロジェクトPICK UPもご参考ください。

※ManiA ミーティング&ミートアップ@愛知「文化と政治をむすんでひらく」(8/17開催)についてはこちらのレポートをご覧ください。


あいちトリエンナーレ2019
会期:2019年8月1日(木)〜10月14日(月・祝)
主な会場:愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、名古屋市内のまちなか(四間道・円頓寺)、豊田市(豊田市美術館及び豊田市駅周辺)

芸術監督の津田が掲げたテーマは「情の時代」。ディレクションが効いたのか、全体的に社会派の作品が多く、しかしその表現は多様で現代美術の可能性を感じさせられる内容でした。各会場特徴の出た、良作を含む展示になっていてとても見応えがあります。

 
人の行動や関係性に迫るー愛知芸術文化センター

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ウーゴ・ロンディノーネ《孤独のボキャブラリー》

愛知芸術文化センター10階には、人の行動や関係性に迫るような作品が多く並んでいました。チラシのメインビジュアルにも作品イメージが使われているウーゴ・ロンディノーネは多くの観客が写真撮影をしておりSNS等でも展示の様子を見ることができますが、実際の作品を前にした時にそのイメージを超えてくる強度があります。

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キャンディス・ブレイツ《ラヴ・ストーリー》

8階には映像を使った作品や、同時に展示室に入ることのできる人数が限定される体験型の作品などがならびます。8月31日に行われたプレスツアーや記者会見では、「表現の不自由展・その後」(現在は展示中止)に関する津田監督の話も聞くことができました。

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展望回廊や吹き抜け、B2FのアートスペースXなど、施設内の様々な場所で作品やラーニングプログラム(子供向けのワークショップスペースなど)を体験することができます。

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ジェームズ・ブライドル《ドローンの影》

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アート・プレイグラウンド あそぶ PLAY


生命や尊厳を軽やかに、鋭く問うー名古屋市美術館

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碓井ゆい《ガラスの中で》

名古屋市美術館の展示で最初に目に入ってくる作品は、乳児や家族に関連するモチーフが刺繍で描かれた、大きなシャーレをイメージさせる碓井ゆいのインスタレーション。
性差や人の尊厳をあぶり出すモニカ・メイヤー作品(展示内容変更中)など、人の生命や尊厳を軽やかに、鋭く問う作品が並びます。

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モニカ・メイヤー《The Clothesline》

「アート・プレイグラウンド つくる CREATE」では、布や糸など、そこにある素材を用いて子供も大人も何かを「つくる」プロセスから学びを得ることができる仕組みが提供されています。

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アート・プレイグラウンド つくる CREATE

まちのにぎわいを合わせて楽しむー四間道・円頓寺

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これまでのあいちトリエンナーレでも、長者町など名古屋市内のまちなかで作品展示が行われていましたが、四間道・円頓寺は今回はじめての会場となっています。

オープニングの週末は、円頓寺七夕まつりも開催され、商店街のアーケードには「はりぼて」など七夕の吊るし飾りが出現し、にぎわいを演出していました。この吊るし飾りを仕掛ける紐をピンクに交換したり、商店街のいくつかのお店で買い物をするとピンク色の袋で商品をもらうことのできるアイシェ・エルクメンの作品も体験することができます。

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アイシェ・エルクメン《Living Coral / 16-1546 / 店》

伊藤家住宅では、地域性や家屋の空間そのものを生かした津田道子や岩崎貴宏の作品を見ることができます。

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岩崎貴宏《町蔵》

また、なごのステーションでは、訪れた方によるまちのおすすめ情報や、まちの新しい名物のアイデアなどを見つけることができます。

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アート・プレイグラウンド もてなす INTERACT

歴史と今をスマートな表現で参照するー豊田市

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ホー・ツーニェン《旅館アポリア》

豊田市もはじめての舞台。各会場では、スマートな表現で歴史を参照したり、最新のテクノロジーや社会情勢について考えさせられる作品を多く見ることができます。

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スタジオ・ドリフト《Shylight》

明治時代後期から続いた、元料理旅館の趣ある家屋の部屋を1時間弱めぐりながら、豊田や日本の戦前〜戦後を体感させてくれるホー・ツーニェン。まちの既存の空間と相まった演出のある小田原のどかや和田唯奈(しんかぞく)。そして谷口吉生の建築で知られる豊田市美術館のスタジオ・ドリフト、隣接する旧豊田東高等学校の高嶺格などが見所です。

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とよトリ祭 橋の下盆踊り in TOYOTA BUDOKAN

旧豊田東高等学校では、豊田大橋の下で「橋の下世界音楽祭」などを行なっている方々が参加して、会期初日にオープニングイベントが行われていました。

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とよた大衆芸術センター[TPAC](旧波満屋旅館)

また、とよた大衆芸術センター[TPAC]では、まちの情報提供や小展示も行われています。「とよた市民アートプロジェクト」による参加型企画「Recasting Club(リキャスティング・クラブ)」の拠点でもあります。

○参考ルート

(1日目)
10:00 愛知芸術文化センター
12:00 コンパル栄西店で昼食
13:00 愛知芸術文化センター
15:00 移動
・会場間シャトル利用(当日事前予約)
・久屋大通駅(地下道直結)から地下鉄で国際センター駅経由
 https://aichitriennale.jp/access/index.html
16:00 四間道・円頓寺エリア
・円頓寺商店街周辺
・休憩
・四間道周辺
19:00 夕食

(2日目)
9:30 名古屋市美術館
10:30 移動
12:00 豊田市駅
・昼食
・豊田市駅周辺
14:00 喜楽亭
15:00 移動
・会場間シャトル利用(新豊田駅→豊田市美術館)
15:30 豊田市美術館
17:00 旧豊田東高等学校

EDIT LOCAL LABORATORY 橋本誠

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○関連エントリ「【リターン紹介】アートプロジェクトを楽しむ!:おすすめ情報メール」 https://note.mu/hashimon/n/na618cce2345c

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