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「ことば」の磨き方

「ことばを磨くと、人生は豊かになる」

50歳で会社を卒業し、個人事業主としてスタートする際に、私自身の「想い」を言葉にした。アナウンサーとしてキャリアをスタートし、決して思うようにならない「ことば」との数々の試行錯誤を経た上で、それでもその可能性を信じようと、人生の折り返し地点を迎えたタイミングで、これからは、「ことば」を中心に、自分が出会う方々の、人生を豊かにするお手伝いが出来たらいいなと思ったのだ。

「ことばのプロ」と自分を称することにどうしても慣れないのは、「ことば」が生き物だから。扱いがとても難しくて、どこまで言っても、伝わり切ったと思えることがない。もっと相応しい「ことば」があるのではないか、もっと状況にあった「話しぶり」が出来たんじゃないか。どこまで磨いてもキリがない。正解もない。

昭和の名物アナウンサー・中西龍さんの著書「ことばつれづれ」を、中西さんの薫陶を受けたという元NHKアナウンサーの村上信夫さんに紹介していただき、手に取った。昭和51年出版の本で、やけて黄ばんで文字も細くて小さく、見た目には時代を感じるが、内容は時代を問わず本質的で「ことば」について「話しぶり」について、グングンと心に迫ってくる。

相手に向かって、自分の話が、目に見えるように話す。自分の話に、相手が、色を感じてくれるように話したい。匂いを感じてくれるように話したい・・・・・。私はいつも、そう希っています。
これは仲々難しいことですが、やり甲斐のあることです。 
            
上手な話し方 ━━━ というのものは、私は無いと思います。望むべきものは、魅力のある話しぶりであり、好感が持たれる話の仕方であり、そして、小さな事柄でも、ある感動に裏打ちされて伝えようとする意欲であり、いささかでも、その感動を相手に伝えたいという熱意だろうと思います。

難しい事ではありますが、ひとりよがりに陥らない、抑制のきいた、しみじみとした物言いだと思うのです。

「ことばつれづれ」中西龍

他にも、引用して紹介したい「ことば」が詰まっているのだが、私自身が研修講師として場に立つ時に、「話す」ことを求められた際には、こんな話しぶりを身に着けたいと強く思った「くだり」がこちら。

その人と逢って、その声を聞いているだけで愉しい、話はそっちのけになってしまう程、満足するという方がよくあります。これは一体何でしょうか。
それは、その方に、その方の声なり、話し方に、独特のリズム、というか、音楽があるんじゃないかと、私、思うんです。(中略)

かなり内容は難しい事をいっているらしいのに、いかにも淡々と易しくて、味のある話し方をする方があります。
こういう方は、そのお話しぶりに、音楽がある。リズムがある。メロディがある。・・・だから、そのお話が、スイスイと自分に抵抗なく、気持ちよく入ってくるんじゃないかと思うんです。

「ことばつれづれ」中西龍

身体は「楽器」、とは、声の出し方を説明する際に、よくお話しするが、その「楽器」を使って、どんなリズムで、どんなメロディで、どんな音楽が奏でられるか・・・「ことばで表現すること=話す」ことを磨くと言うことは、本当に果てしない道のりだなぁと、あらためて感じる。

でも、だからこそ!私は「ことば」を「声」を磨いていきたいし、自分が実践して身に着けたそばから、それを「ことば」で伝えていきたい。

「ことばつれづれ」は、昭和51年・・・私が小学校1年生の時に書かれた本です。


図書館で借りました・・・かなり年季が入ってる初版本

中西さんの「教え」を受けた、我が朗読の師匠・山根基世さんや、著書を紹介してくださった村上信夫さんなどの先達から、さらに私が学んで、そしてそれを後に続く方々に伝えていくこと。そこに立てていることに、まず感謝しながら、何が出来るのか、どうしたらその道を繋いでいけるのかを、考えていこう。

まずは、明日のツキイチ早朝朗読レッスンで!この「ことば」を紹介することから、始めよう。

一番気軽に、ことばを磨けるのはこちらかな ↓ まずは見学から


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