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ワーキングマザーのロールモデルという幻想

ロールモデルって見つける必要があるのかなって話。

結婚・出産してもそのまま働き続ける女性が年々増えていて、世の中のフリーランス志向や働き方改革もあって、時間的な制約があっても従事できる仕事が増えてきているのも追い風となりつつあります。

けれど、メディアでインタビューされたりイベントで登壇するような女性は、ストーリーがあって華々しいキャリアがほとんどで。それぞれ素敵な女性ばかりで憧れるけれど、その人たちみたいになりたいかと言われたらどれだけの人がYESと答えるでしょうか?

彼女たちなりに紆余曲折はあるだろうけど、多くは有名企業であったり、昇進していたり、家族が協力的だったりで、そのうちのひとつでも自分が手に入れられるかと考えるとなかなか難しいのが現実です。

ロールモデルはアイドル(偶像)

若手向けのキャリア系イベントをみると、多くはロールモデルを見つけよう、いたほうがいいよという内容で、ロールモデルとしてとても魅力的で優秀な女性が多く登壇しています。将来のことをなかなか想像しにくい今、理想・目標としたくなる人が目の前に、身近な存在としているのはリアリティという意味で適任だと思います。

しかし現実は全然違ってて。自分の周りで見渡してみてもそんな人皆無です。ライフスタイルにあわせて仕事をペースを落としたいと思っても正社員で働いている限りは時短がいいところ。だったら退職…なんてしようものならブランクは次の転職でマイナスになってしまいます。全員がフルスロットルで働ける訳ではないから、ロールモデルは身近でも何でもないアイドルなのではないかと疑ってしまいます。

ママ友は知り合い以上友人未満、会社の同僚と思えば付き合いも楽

子どもができると独身の友人とは疎遠になりがちになるのは、出産して価値観が変わったり、生活時間帯や可処分時間が異なってくるという要素も大きいかもしれません。自分一番友人二番、もしくは友人一番自分二番(あ、彼氏夫忘れた)だったのが首位陥落するわけなので、友人としては気分良くないでしょうし、誘っても「行く行く!」とはならずに子どもを見てくれる人がいたら…なんて言っていつまでも日程決まらなかったらそりゃ疎遠になるのも仕方がありません。価値観が変わるってことは優先順位が変わることでもあって、価値観が合わなければ疎遠になるのは悲しいけれど自然で必然なのかもしれません。

逆に子どもがいるとママ友とは付かず離れずの関係を築くことになってきます。「ママ友は友達か?」なんて論争が小町あたりで繰り広げられているようですが、会社の同僚と同じ「知り合い以上友人未満」と思えば付き合いも楽なのではないかと思います。「あの頃大変だったね~」なんて戦友みたいな話をすることもあります。まさに同僚。勘違いされたくないのは「距離をおいて付き合え」ではなく「自分にとって心地よい、適度な距離感を掴んで付き合う」ことが重要ではないかと。ママ友ももちろん仲良くなって友人になるのは全然ありです。とはいえ何十人のママ友と濃い付き合いはできないので心構えとしての「同僚」ってことでいることを片隅においておくと、ママ友付き合いも少しは気楽になるのではないでしょうか。

遠くのロールモデルより近くの友人

独身時代から同僚だった人、それまでは同僚としての表面上の付き合いしかなかったけれど、何年か経ち同じ男の子の親ということで2人でご飯に行くとかお下がりをあげたりとかなんてことも出てきます。価値観が変わるってすごいね。価値観が合うってすごいね。共通項が多いだけでは?と言われそうですが、同郷や同窓ってだけで仲良くなるのと同じことで、さらには同じ道をたどってきた同志のような感覚を覚えたりします。

同じことで悩んでも、人それぞれの解決方法を聞いてみたり、実際に乗り越えた話を聞くと、自分に置き換えて実際にできることだと俄然モチベーションが上がります。ロールモデルも実在するけど実現可能性という意味ではなんか遠い。仕事を辞めずになんとかするのが前提というか、ライフスタイルにあわせて働き方を変えることが当然の世の中になってほしい、それを当たり前に受容できる世の中であってほしい。だからアイドルなロールモデルはやっぱりアイドルで。近くにいていつでも話せる友人たちが自分にとっての本当のロールモデルなんだと思っています。

(過去の文章をUPし直しました)


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