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短歌関係の文章

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#戯文

死んで死んで死んで死に直せる

行きて負ふかなしみぞここ鳥髪に雪降るさらば明日も降りなむ 山中智恵子

螢田てふ駅に降りたち一分の間(かん)にみたざる虹とあひたり 小中英之

 短歌とは畢竟ひとが死とどう向きあふかといふ問ひをえんえんと考へつづけることなのだ、と信じかけたりかけなかつたりする。鳥髪も螢田も地名である。それもかなりめづらしい地名。土地の人びとや博識のひと、記紀に通じたひとなどのほかには、これらの作のゆゑに、うたを読

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