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夢を叶える魔法のアイテム【ビジネス書】メモの魔力

#読書感想文 #ビジネス・啓発 #内容要約

【読んだ本】

メモの魔力

前田 裕二

【はじめに】

何者にでもなれる魔法のアイテムがあるなら、皆さんは何をしたいですか?

「社長になりたい」「大金持ちになりたい」「世界を平和にしたい」

人によって色んな夢や願いが思い浮かぶことと思います。

そんな夢を叶える魔法のアイテムが、すぐ近くにあることに皆さんはお気づきでしょうか?そうです。メモ帳です。

本書ではまだ「そんなバカな」と思っている方のために、この魔法のアイテムの効果から使い方におけるところまで、詳しく解説がされています。つまり本書は、皆さんがお持ちの魔法のアイテムの説明書です。読まない手はないですよね。

皆さんは日々の生活の中でメモは取りますか?

私は人よりはメモを取る方だと思っていました(日々の中で、思いついたことや、欲しいと思ったもの、良いと思った言葉などを携帯のメモにまとめています)。それでもまだ全くと言っていいほど使いこなせてはいませんでした。

私と同じく、魔法のアイテムを持っていながら使いこなせていない、”宝の持ち腐れ”になってしまっている方に、ぜひ手に取っていただきたい一冊です。

新しい発想の種や、夢を叶える機会、全てのヒントは”日常”の中にあるのです。


【内容要約】

本書の重要なポイントを2つ取り上げます。

①知的生産のためにメモを使う

②「ファクト→抽象化→転用」で日常すべてをアイデアに変える

1つずつ見ていきましょう。


①知的生産のためにメモを使う

メモには2種類あります。

1つは「記録のためのメモ」です。情報や事実をそのまま切り取って伝えたり、保存しておくためのものです。

2つ目は「知的生産のためのメモ」です。

メモの本質は、この知的生産に使うことにあります。

知的生産とは何か?それは私たち人間にしかできない事です。コピーではなく、創造、代替可能ではなく代替不可能ということです。

AIの進化や、あらゆるタスクの効率化によって、人間の役割が変わっていき、創造力やオリジナリティが求められるようになっていくことは明白です。

そこで必要になるのがこの、知的生産性の向上なのです。

1つ目の「記録のためのメモ」は人間ではなくてもロボットでもできます。

例えば、この日に会議があった、何人参加した、何について話し合った、というファクトをそのまま記録するというものです。

実はこれも知的生産のために一役買っています。この「ファクトを記録する」という仕事をメモがしてくれることにより、私たちの脳の容量を使う必要がないのです。つまり、後に記述する知的生産に脳の容量をフルで使うために必要というわけです。

2つ目の「知的生産のためのメモ」は人間にしかできません。

日常に潜む、普通なら素通りするようなアイデアを言語化し、それらから独自の発想やセンス、視点で新しいアイデアを創出する過程こそが知的生産であり、”本当のメモ”と呼べるのです。

その詳しい方法の説明は次項に任せることにします。


②「ファクト→抽象化→転用」で日常すべてをアイデアに変える

知的生産におけるメモの最大のポイントはこのフレームワークです。

インプットした「ファクト」をもとに、気づきを応用可能な粒度に「抽象化」し、自らのアクションに「転用」する。この3段階です。

著者が実際にとったメモの具体例を挙げながら、解説していきます。

とある打ち合わせでこんな事例があったと言います。

「東京と大阪のチラシを配布する際に、一緒にアメちゃんを配ったら大阪では東京の3倍の量のチラシがはけた」

大阪のおばちゃんはいつも人にあげられるようにアメちゃんを持っているという特徴を活かしたアイデアです。

通常のメモであれば、ここまでで聞いた「ファクト」を書くだけで終わりでしょう。もちろん、これは記録のためのメモであり、忘れないためにも有意義なメモであるといえます。しかし、本当のメモの真価はここからです。

ここで書いた「ファクト」から、こう考えるのです。

「この具体的情報を受けて、何か言えることは無いか。他に応用可能な法則は無いか。」

この試行錯誤の過程を著者は「抽象化」と呼んでいます。

先ほどの例だと例えば「大阪人は東京人よりも、直接的に目に見えるメリットの訴求に弱い」という気付きを得られます。この抽象化によって、もとの「ファクト」よりも他の分野でも応用しやすい概念を書き連ねていきます。

著者のメモはここで止まりません。抽象化して得られた気づきをもとにアクションを立てます。「転用」のプロセスです。

先の例で言うと、「全国展開する商品の訴求の方法を地域別で変える」といった具体的なアクションを思いつく限り書いていきます。ここまでたどり着けば、大阪で売れやすい商品やその訴求方法はどんなものか?東京ではどうか?とアイデアはどんどん広がっていきます。

思い出していただきたいのは、最初は単なる「大阪でアメちゃん付チラシをたくさん配った話」でした。それが新しいビジネスのアイデアにまでつながったのです。この思考の過程を最初から最後まで手助けし、なおかつ記録するのが著者のメモであり、魔法のアイテムなのです。

【感想】

本書を読んで、私も普段から少しだけ取っていたメモの取り方を見直してみました。やってみたことは2つです。

①「抽象化」と「転用」を実践してみる

②メモの分類をやめてみる

1つ目は言うまでもなく、本書の重要ポイントであるメモの本質的な使い方を実践してみました。

ビジネスに関わることだけでなく、この方法は何にでも有効であることはやってみて気づいた事です。

例えば、「トンテキのレシピを鶏モモ肉を使ってやってみたら美味しかった」というファクトを、「豚肉の代わりに鶏肉を使う」と抽象化して、「じゃあ野菜炒めのお肉も豚肉から鶏肉にしてみよう」と転用する。といった感じで、日常の些細なことにも活用できます。

難しいことを考えなくても、メモのおかげで日常の中で生まれるアイデアの量がとても増えた気がしています。

2つ目はこれまで、分類して整理していたメモの中に「なんでもメモ」を追加して分類の無いメモを取ることにしてみました。

本書で語られていた、「日常に潜む情報を素通りしない」を実践するためです。

これまで私は「見たい映画」や「買うもの」という風にあらかじめ分類を作ってメモをしていました。そうすると、自分が作った分類の情報以外は素通りしてしまっていることに気づきました。

本書内にもありますが、まずは見聞きしたものを全部メモを取るくらいの意気でやってみることが大切だと思います。すると自分が日々どれだけの情報を素通りしていたか気づくと思います。


【おわりに】

どんな夢でも叶う魔法のアイテムをもってしても、夢はすぐには叶わないようです。

ですが、魔法のアイテムの使い方を知り、少しずつ使い始めた私にとっての日常は、魔法にかかったように変わり始めています。

私の前を通り過ぎていく日常の情報たちは何も変わらず、これまで通りに通り過ぎていきます。魔法にかかったのはそれを見聞きする私自身です。

メモをうまく使えば日常の全てがアイデアになります。夢を叶える種がそこら中に転がっていることに気づくことができます。

まずは始めてみることです。まずは本記事を読んで思ったことを書いてみることから始めてみてもいいでしょう。

さあ、魔法のアイテムを今すぐ手に取ってみてください。それは危険な場所でもドラゴンに守られた塔でもなく、すぐそこにあるのですから。


最後までお読みいただき、ありがとうございます。

それでは、また。

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