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博物館学芸員レポート課題【博物館資料保存論第一分冊】2021年度提出

略題「博物館資料(文化財)の構成素材とその物性」
課題「実際に博物館、美術館等で展示されている資料(文化財)を選び、その主たる構成素材の物性を理解し、展示に適した条件をまとめよ。」

様式:横書き 2000字程度

序論(第一段落)までを無料で公開しております。
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 美術館や博物館に展示されている文化財(資料)は、日々少しずつ、今この瞬間にも劣化が進んでいる。その劣化要因としては、主に温湿度環境の変化や、光や照明の影響、室内空気汚染、生物被害など様々なことが影響をしている。資料は、芸術上、歴史上や学術上において価値が認められた場合、文化財と認定され、社会において繰り返し使用、あるいは鑑賞される。文化財の多くは、現在を生きている私達よりもはるか昔から存在し、またこの先も長く残されていく。人類の歴史や文化を物語るそれらの貴重な資料は、後世に末永く残すことを考えると、展示しないという選択が正しいのかもしれない。しかし、しまい込んでいては、作品の素晴らしさを人に伝えることも、新たな研究や学びに活かすことも出来ない。だからこそ、資料をできるだけ傷めずに、良好な状態で保存をしながら展示をしていきたい。そのためには、資料の特性を知り、学び、その特性にあった保存方法を選んだ上で資料保存に取り組む必要がある。

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