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博物館学芸員レポート課題【西洋美術史第一分冊】2021年度提出

略題「美術作品とその社会的役割」
課題「1800年以前に制作された作品1点を例として挙げ、それがどのように当時の社会と関わりをもっていたのか、作者あるいは、作者を援助した側(注文主、教会やパトロンも含む)からの視点も交えて、考察を行う。 」

範囲:第1分冊(18世紀ロココまで)
様式:横書き 3000字程度

序論(第一段落)までを無料で公開しております。
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 当レポートでは、サンドロ・ボッティチェリ(1445-1510年)が1485年頃に描いた「ヴィーナスの誕生」(図1)を取り上げ、この絵から見て取れる当時の社会やパトロンとの関係性についての考察を行う。この作品は、今もなお初期ルネサンスの代表作として知名度が高く、多くの人を魅了しているが、この作品が生まれた当時の時代や作品が表している内容、そしてこの作品がどのように当時の社会と関わりをもっていたのだろうか。生涯にわたってメディチ家のスポンサーを受けたとされるボッティチェリの作品には、パトロンとの関係性や当時の社会的役割が深く残されているだろう。なお、この絵のサイズは172.5×278.5cmで、現在ウフィツィ美術館に所蔵されている。

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