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数値に依存しない選び方 〜 UGC・インフルエンサー施策

『UGCが大事!』
『インフルエンサーの起用は欠かせない!』

…ソーシャルメディアを使ったデジタルマーケティング施策では、必ずと言っていいほど語られる「UGCとインフルエンサー」。

確かに、取り入れることで認知や購買を促進できることに間違いないでしょう。ただその一方で、効果測定や費用感の把握、ステマや理想でないコンテンツとなるなどネガティブな面が懸念されることも考えられます。

そもそもインフルエンサーにせよUGCにせよ、考え方としては「外部コンテンツを(間接的に)ブランドに取り込む」ということ。

例えば…

◯ ユーザーが生成した口コミ投稿を自ブランドで紹介する

◯ 著名なインフルエンサーに製品を提供、紹介コンテンツを投稿してもらう

◯ プレゼントキャンペーンで一般ユーザーにギフティング、紹介コンテンツを投稿してもらう

このように、(インフルエンサーを含む)ユーザーからコンテンツを引き出し、さらにそれを時ブランドのアカウントから再投稿というかたちで扱っているのです。

この点でいえば、UGCもインフルエンサーコンテンツも同義と捉えられ、どちらにも通じて言えるのは”選定”が最重要だということ。

『重要なのはフォロワー数ではなくエンゲージメントだ!』
... と言いたいワケではない

UGCやインフルエンサーがデジタルマーケティング界隈で頻繁に叫ばれている中、その選出方法を指南する記事をよくよく目にします。

検索して調べてみれば、その選び方について『フォロワー数で決めてはいけない、エンゲージメント率が重要だ!』というような見解を幾度となく見かけることでしょう。

デロイト グローバル 世界45カ国約22,900名のミレニアル世代・Z世代対象 (1)

しかし実際のところ、フォロワー数もエンゲージメント率もどちらも指針や施策によっては重要指標だと言えるし、いずれの指標が良好でも施策のスコープとズレがあれば上手くいかないことも起こり得るでしょう。

また、フォロワーやエンゲージメント率以外の要素(フォロワー属性, ユーザーコミュニケーションの有無, (※)シーディングサイドかクリエイターサイドかetc)が選出するうえで重要だと言えるケースがあるのも事実です。

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🌱  (※) シーディングサイド [Seeding Side]

特定の領域のプロッショナルで、そのコミュニティ内で口コミによる広がり・拡散力を持つインフルエンサー。
ここでは、自身でコンテンツを制作できるクリエイターサイドとは反対のタイプとしています。

以下で、UGCとインフルエンサーの2ケースに分けて考えてみましょう。

① UGCを選定するとき

💡 ポイント

・必ずしもロイヤルユーザーを選定する必要はない

・同じファン内でも異なるコミュニティに属しているユーザーを選ぶ

・一定のコンテンツクオリティを担保しているかどうか

多くのUGC施策の場合、「ブランドロイヤリティ(= 帰属意識)向上」を目的として据えることになるでしょう。

デロイト グローバル 世界45カ国約22,900名のミレニアル世代・Z世代対象 (1)

そのため、UGC施策では投稿元ユーザーがあなたのプロダクト/サービスにどれほどの帰属意識を抱いているかが重要になります。ただし、必ずしもロイヤルユーザー(= 高いロイヤリティを持ったユーザー)である必要はありません。むしろ、やや低いかそれ以下の温度感のユーザーをピックアップします。

高い熱量を持ったユーザーの投稿を紹介すると一般的なユーザーがそれとの温度差を感じざるを得ず、ユーザーとの距離感を引き立ててしまう恐れがあります。(ただし、ハイエンドなブランドの場合には高級感を掻き立てられ、有効策となることも)

また、高いロイヤリティを持つアカウントは同程度の熱量のユーザーとの繋がりが多い。
そのため、成熟したロイヤルユーザーを起用するより、今後温度感の高まりが期待でき、かつ既存コミュニティとは関わりが少ないユーザーが適しているといえます。

デロイト グローバル 世界45カ国約22,900名のミレニアル世代・Z世代対象

見えにくいコミュニティから良質なコンテンツを探すのにかなりのにも、それをどう投稿するかも思案するとなればかなりの労力を要すことでしょう。
しかしながら、それを続けることによってさらなるアカウントグローズが望めると考えられます。

② インフルエンサーを起用するとき

💡 ポイント

・クリエイターサイド / シーディングサイド どちらにあたるか

・コメント欄ではフォロワーとコミュニケーションを取っているか

・過去15投稿のエンゲージメントが最低でも2%であるか

・フォロワーにどういった属性のユーザーが多いか

一口にインフルエンサー施策と言っても、「Instagram ブランドコンテンツ」「アンバサダー施策」「製品提供型のタイアップコンテンツ」「プレゼント企画(インフルエンサーのアカウントでプレゼント企画を実施)」などなど、その起用の方針は多岐にわたります。

それによって注目すべきポイントも異なりますが、ざっと上述したような点は確認しておくべきです。

例えば、フィットネス系女性インフルエンサーを選定、「製品提供型のタイアップコンテンツ」を投稿するとしましょう。
ピックアップする際は、アカウントトプからエンゲージメントやフォロワーの属性、コメント欄でのユーザーとのコミュニケーションなどをチェックします。

よくある失敗としては..

”異様に低いエンゲージメントで、フォロワーをチェックするとビジネスアカウントを多くフォローしていたり非アクティブユーザーがほとんどだった。中には量産されたアカウントも見られた。"

"エンゲージメントは良好で、コメント数もかなり多い。しかし、フォロワー属性をチェックするとスコープとは関係のない男性ユーザーばかりで、コメント内容もよく見るとフィットネスとは関係のない容姿についての内容ばかりだった。 "

このようなケースを回避するためにも、最低限アカウントトップから確認できる情報は把握しておくべきです。

デロイト グローバル 世界45カ国約22,900名のミレニアル世代・Z世代対象

また、タイアップとしてコンテンツを作成してもらうには、インフルエンサーがクリエイターサイド / シーディングサイドのいずれに属するか把握しておく必要があります。
シーディングサイドの場合にはプロフェッショナルカメラマンによる撮影が多く、実際コンテンツ作成を依頼したはいいものの望むようなコンテンツを納品できないケースが起こり得るからです。

加え、次で示すポイントも確認しておくことをお勧めします。

・他のブランドとのタイアップには現在と過去ではどのようなものがあるか

・ブランドのテイストに合わない投稿が目立ったりはしないか

・各ソーシャルメディアではどのようなコンテンツを発信しているか

・繋がりのある他インフルエンサーはどのような属性か

ここで仮定したケースはフィットネス系で製品提供型のタイアップコンテンツでした。
インフルエンサー施策で思うように効果が得られなかった…といったケースを目にしますが、それを避けるためにも、いいね数やフォロワー数などといった数値情報だけでなく、それぞれの施策に合わせて上述したポイントを抑えつつ期待値の高い選定を実施する必要があります。

ソーシャルメディア上でブランドを強化する

冒頭でお伝えしたように、UGC施策もインフルエンサー起用も大局的に見れば「外部コンテンツを(間接的に)ブランドに取り込むこと」です。

デロイト グローバル 世界45カ国約22,900名のミレニアル世代・Z世代対象

それはつまり、ブランド独自に生成するコンテンツとは違い制御できる箇所が少ないという面もある一方、ブランドが持つ既存コミュニティー外にリーチできるというのが実施する最大の意義だと言えるでしょう。
同時に、外部コンテンツを取り込むということからブランドをかたちつくる主要なコンテンツだということも忘れてはいけません。

マッチングアプリで気の合う相手だと感じられるか、そうした、直感的な部分にも配慮する必要のある施策でもあるのです。
そうした意味でも、「フォロワー数やエンゲージメント率など表面的な数値だけで判断するのは非常に危険だ」ということを今回の記事を経て知っていただけたら何よりです。

さいごに

最後まで読んでいただきありがとうございました!

本記事ではソーシャルメディア InstagramでのUGC・インフルエンサー施策の選定についてお話しさせていただきましたが、他にも「D2Cブランドの特徴や戦略」「D2Cブランドとソーシャルメディアの連携」「Shopify構築方法」についても執筆しています 。

今後ともソーシャルメディアやD2Cブランドにまつわる記事を投稿していきますので、質問や感想・取り上げてほしいブランドなどなどお気軽にコメントいただけると嬉しいです 🥳

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