ハセQ - 八ヶ岳を歩き回る読書家

八ヶ岳南麓(北杜市)に家族4人で東京から通う二拠点生活を始め、植物アプリを片手に草木の…

ハセQ - 八ヶ岳を歩き回る読書家

八ヶ岳南麓(北杜市)に家族4人で東京から通う二拠点生活を始め、植物アプリを片手に草木の名前を覚え、八ヶ岳に暮らした先輩たちの名著を熟読しています。 森の暮らしで楽しいことを探し続けています。

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自然に囲まれた暮らしに憧れ、八ヶ岳南麓を拠点にいろいろ巡って1年間が経った

今までも自然は好きだったけど、正直、そんなに興味は持っていませんでした。例えば、植物に関しては壊滅状態。公園に生えている草花の名前もほとんど分からず、桜と梅と桃の花の違いも分からないくらい。 ところが、40歳代の半ば頃から急に緑が恋しくなります。不思議なものですね。 二拠点生活を始めたくなり、関東近郊のあちこちの場所を見に行きました。 そして、八ヶ岳南麓、山梨県北杜市に中古の別荘を見つけて1年前に購入。 共働き夫婦に中学生と小学生の息子。仕事や学校の関係があるので頻繁には行

    • 森の中でタマゴタケに出会えた

      去年はキノコが不作だった八ヶ岳。雨が少なかったのです。 今年は雨がある程度降ってくれたので、夏キノコが一斉に飛び出してきました。素晴らしい。 夏キノコの代表といえば、もちろんタマゴタケです。 いま、八ヶ岳周辺の直売所などでも、タマゴタケが大量に販売されています。大小入り混じって10本くらい入ったのが、600円程度です。探すのが大変で貴重なキノコの割には、随分安いと感じてしまいます。 でも、それには理由が。タマゴタケに限った話ではないですが、自然から採取したキノコはすぐに傷ん

      • ゴムタケを食べてみる

        3週間悩みました。 うちの庭の丸太に生えた、ゴムタケを食べるかどうかです。 以前書いた記事の続きです。 noteにも書いてしまったのでね。 食レポを書くべきという使命感がありました。 一方で、そこまで体を張らなくてもいいのではないかという思いも。 ネット上の情報をどう読んでも美味しいとは書いていないし、毒ではないはずですが、食べている人自体が少ない感じです。 と迷いながらも、また八ヶ岳の家に到着しました。 6月末と比べると、ゴムタケの量は少なくなっている感じ。成長のピーク

        • 苔影が濃い登山道、宮司の滝を目指して

          八ヶ岳南麓の「宮司の滝」を目指す渓流の登山道。 あまり人が歩いていないマイナーな道ですが、入口ですれ違ったのは釣り人でした。魚影が濃い渓流を求めてきたのでしょう。 私はと言うと、求めているのは魚ではありません。期せずして、この渓流が苔むした岩に覆われているのを見て、気持ちの高まりを感じています。 そう。魚影ならぬ苔影の濃さを求める散歩人なのです。 苔影という言葉は、いま私が作りましたからね。検索しても出てこない令和6年の新語です。なんて読むのかな。苔影(タイエイ)でしょうね。

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        自然に囲まれた暮らしに憧れ、八ヶ岳南麓を拠点にいろいろ巡って1年間が経った

          食べるか食べないかの境界線のど真ん中

          ちょっと迷ってます。 というか、すごく迷ってます。 数か月前の話から聞いてください。 庭に生えている木の中で、木こぶが生えたりして弱ってしまったコナラの木があり、万一倒れたりすると大変なので伐採をお願いしたのです。 冬場に切ったほうがいいということで、今年の始めに切ってもらいました。うちには薪ストーブがないので、丸太を近所の方に再利用していただく予定です。だいぶ持って行ってもらったのですが、まだ少し残ってます。行先は決まっているのですが。 生えてきたキノコキノコって、本当

          食べるか食べないかの境界線のど真ん中

          自然豊かな場所に拠点を持つと、知識欲が湧き出てくる

          八ヶ岳の家には深夜に到着することが多いのですが、その翌朝に楽しみにしているのが庭の散歩です。 マムシグサの成長を見守り、山椒の木がいつの間にか実生で増えているのを発見して喜び、1本だけ生えているブルーベリーの木にも緑色の若い果実がついているのを確認し、季節が順調に到来していることを感じます。 さらに庭を歩きながら、なにか新しい発見がないかとキョロキョロします。 苔と一緒に生えるキノコ庭には、ハイゴケ、コツボゴケ、タチゴケなどが群生している場所があり、なかでも軒下の雨水があ

          自然豊かな場所に拠点を持つと、知識欲が湧き出てくる

          研ぎ澄まされた生活:田渕義雄「森暮らしの家」を読む

          八ヶ岳周辺に暮らした先輩たちの著書を読み続けています。 食欲が湧くものは体が欲しているものと言われますが、まさにそんな感じ。 これからの人生をどう過ごそうかと考え続けている私にとって、高原の森の中で暮らしてきた人の言葉は、深く染み入るものがあるのです。 田渕さんは、フライフィッシングを含めてアウトドアライフの達人で、Be-Palの雑誌連載や書籍等で多くのファンを集めていた方です。長野県川上村の金峰山北麓にご自身の家を建てて、森の中での暮らしを満喫されていました。八ヶ岳のすぐ

          研ぎ澄まされた生活:田渕義雄「森暮らしの家」を読む

          信念が結実した場所 つどいの里 八ヶ岳山野草園

          私が八ヶ岳での二拠点生活に踏み切った理由は、自分自身のこれからの生き方を変えたかったからでした。八ヶ岳に暮らした先輩たちの著書を読み、森や自然を愛する生き方に不思議と共鳴するところを感じたからです。 そんな私がかねてから行きたかった場所を、ついに訪れることができました。「つどいの里 八ヶ岳山野草園」です。ここを開拓した方の大きな夢と、その夢を現実にするまでの途方もない労力をビシバシと感じられる、ものすごい場所でした。4.6ヘクタールの山地を切り開いて数十万の山野草を植え、完成

          信念が結実した場所 つどいの里 八ヶ岳山野草園

          混雑を避けて楽しめるシミック八ヶ岳薬用植物園

          ゴールデンウィーク、八ヶ岳周辺の観光施設もかなり混雑しますね。 そんな時でも、ちょっと調べれば人ごみを避けてゆっくり楽しめる場所がいくつもあるものです。 今回は、北杜市小淵沢町にあるシミック八ヶ岳薬用植物園へ行ってきました。ゴールデンウィークの休日中でしたが、私たち以外にほとんど訪問者がなく、驚くほどゆったりと過ごすことができました。 シミック八ヶ岳薬用植物園もともと、山梨県森林総合研究所の付属施設として開園した施設です。 山菜・薬草・きのこなどの普及施設として、約300種

          混雑を避けて楽しめるシミック八ヶ岳薬用植物園

          新芽の名前を調べると、やりたいことが増えていく

          八ヶ岳の家の庭は、かっこよく言うとナチュラルガーデンです。要は、ほとんど何も手入れをせず、自然の野草が生えるままにしているのですが。 さて、芽吹きの季節です。植物判定アプリを片手に、パシャパシャと新芽を撮影しながら、植物の名前を勉強していました。 この木、なんの木?この新芽は何でしょう? 分からなかった方、大丈夫です。私も1年前まで全く知りませんでした。この植物の名前すら、認識したことがありませんでした。 正解はカラマツですね。 八ヶ岳は、かなりの数のカラマツ林に囲まれて

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          一人静(ヒトリシズカ)を見つけた千ヶ滝

          人がまだ山に訪れない頃にひっそりと咲き、人知れず散ってゆくという花があります。その名も、一人静。 印象に残る名前なので存在だけは知っていましたが、見つけることは難しいんだろうなと思っていました。ところが、ひょんな場所で出会ってしまったのです。 大門川三滝の1つ、千ヶ滝北杜市には有名な滝がいくつもあります。 大門川の水系だけでも、上流から宮司の滝、千ヶ滝、大滝の3つが有名です。 千ヶ滝は駐車場までのアクセスも悪くなく、車を降りてから2,3分で滝壺まで下りることができる割に、観

          一人静(ヒトリシズカ)を見つけた千ヶ滝

          明治時代の小学校へタイムスリップすると、令和の小学生は大興奮

          私は昭和後期の小学校を懐かしく思い出す世代ですが、さすがに明治時代の小学校についてはこれまで想像したこともありませんでした。 山梨県北杜市の「津金学校」では、明治初期に山の中に建てられた洋風の小学校が、当時の教室や教育資料をそのまま残す形で展示されています。 正直、そんなに期待もせずにふらりと見に行ったのですが、当時の教育現場がこんなにも工夫を凝らしていて、最先端の機材が揃っていたのかと感嘆しきりでした。 一緒にいった小学生の息子も、令和の小学校との比較が面白かったようで大興

          明治時代の小学校へタイムスリップすると、令和の小学生は大興奮

          発見の感動を何度も味わえる秘密兵器(植物判定アプリ)

          数年前まで、植物に全く関心がありませんでした。 樹木や草花の名前も、ほとんど知りませんでした。 そんな私が植物に興味を持ち始めたきっかけは、植物判定アプリという文明の利器を手にしたことでした。写真を撮るだけで、その植物の名前をかなりの精度で判定してくれます。 このアプリを片手に散歩すると、毎日がうれしい発見に包まれます。 Picture This という腕利きアプリ植物判定アプリにも色々な種類があるので、私もほとんど全てのものを試してみました。その中で、判定の精度がダントツ

          発見の感動を何度も味わえる秘密兵器(植物判定アプリ)

          こんな異形の物が庭にあるなんて(ツチグリ)

          土曜日は積雪に覆われた八ヶ岳の家でしたが、日曜日は晴れて庭の雪もほとんど溶けました。 まだ野草などはほとんど生えていない庭を何気なく歩いていると、変な形のものを発見。もしかしてこれは、ツチグリでは!? ネットで調べ直して、確信します。私にとって、人生で初めての出会いでした。 ツチグリって何?馴染みのない方も多いと思います。 これはキノコです。みかんの皮をむいたような形をしていますが、この丸い部分の中に、大量の胞子が入っています。 自然の中では、雨に打たれた衝撃で、最上部にあ

          こんな異形の物が庭にあるなんて(ツチグリ)

          今年は雪が多い八ヶ岳の麓

          2週間ぶりに八ヶ岳の家へやってきましたが、また雪です。 金曜日の晩に到着したときは全く雪がなかったのですが、土曜日の朝に起きると雪景色になっていました。天気予報どおりですね。3月になってからも雪が多く、例年にない頻度のようです。 そろそろ山菜や野草の芽吹きを探しに行こうと思ったのですが、雪が積もってしまったので、今日は探しに行けないですね。 それはそれでうれしいんだけど、今日は何をしようか。いまだに行先が決まらないまま、とりあえず庭を散歩します。 どんどん降り積もる朝からず

          今年は雪が多い八ヶ岳の麓

          心に苔が生えてしまった

          八ヶ岳を中心に、自然の風景を求めて歩き回っています。 特に心惹かれるのが、渓流、山野草、そして苔。 普段の生活の中でも自然を味わいたいと思い、山野草の寄せ植えなどを眺めていました。今はまだシーズンではありませんが。 ある冬の日、銀座の「野の花 司」というお店を散歩していると、ドアの近くに松ぼっくりを飾っていることに気が付きました。松ぼっくりの隙間から、きれいに苔が生えそろっているのです。 なんだこれは。初めて見るものですが、強く心を揺さぶられました。 調べてみると、「苔ぼっ