Re:ゼロから始める医学部再受験体験記(前編)

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 前回の自己紹介記事をご覧いただけた方もそうでない方もこんにちは、死に戻り系再受験生こと支倉(でじきゅー@医学部再受験用垢)です。
今回は私が医学部再受験を決意してから実際に合格するまでの体験記をゆるゆると記しますので、「こんなこと考えながら勉強してたんだ~」程度のノリで読んでいただければ筆者冥利に尽きます。癪に障る人もいるかもしれませんがフィクションだと思って受け止めて下るとありがたいです。

支倉(でじきゅー)のスペック

 私の再受験勉強は2017年9月から始まりました。大卒ではあるものの、不幸なことに高専からの大学編入であったためにセンター試験を受けたこともなく、医学部受験者の学力としてはかなり低い状態からのスタートだったと思います。ただし、数年前の入社時に受けたTOEIC IPのスコアは825だったので英語についてだけは比較的知識があったと思われます。各教科毎にスタート時の学力を簡潔にまとめると以下のとおりです。

国語:ライトノベルで鍛えた読解力に自信があるものの、古文漢文は初学

社会:経済学に自信があったが他は初学

英語:TOEIC特化、他の科目と比べるとエース級の学力

数学:高専で微積ベクトル行列はやった

物理:高専で力学と電磁気はやった

化学:高専で周期表はやった

生物:中学でやった

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2017年9月~

 2019年の試験で合格するつもりで予定を立てることとしました。独学で編入試験を突破した経験もあり、医学部再受験も独学でイケるだろうという尋常ではない自信に満ち溢れていました。この頃は医学部再受験の難しさをまったくもって正しく認識しておらず、東京オリンピック予算委員会よりもガバガバな見積もりで勝負に挑もうとしていたのです……。

 当時使っていた原子手帳を参照しつつ記事を書いているのですが、医学部受験をなめすぎてて笑えてきます。計画を立てる上で柱としていた情報は

・数学と英語がとっても重要
・2次対策をやっていればセンター対策は3ヶ月でなんとかなる

こんなもんで有料自習室を利用して勉強を始めることにしました。2017年9月~2018年1月までで青チャートの数ⅠA・ⅡBを一周し、その後に画像に記載の勉強スケジュールを立案しました。(小さくて申し訳ないです)

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 当然、計画通りに勉強が進むはずがなくこんな計画あってないようなものとなるのですが一応勉強は毎日続けていました。(夜はPUBGをやっていました(ノ▽`)アチャー)この頃の1日の平均勉強時間は8時間程度
 悲劇が起きたのは2018年3月頃だったでしょうか。当時お付き合いしていたゲームの上手な女の子にライン通話で中和滴定の疑問点を一方的に話すなどしていたら愛想をつかされ振られました。(もちろん中和滴定の話だけが原因で振られたのではないと重々承知しておりますが。)ここで中和滴定の疑問点について具体的に書かせて頂くと、pH指示薬の変色域がpH7.0付近ではないのにも関わらず中和点としての判断基準になる理屈がまったく理解できなかったのです。こんなもん分かってしまえばなんていうこともないのですが、独学だとちょっとした疑問にぶつかったときにすぐに誰かに聞くことができないので、その点で初学のときは色々と苦労しました。

 振られたあとはあまりのショックに勉強などまったく身に入らず、一ヶ月余り街中を徘徊するだけのお散歩大好きおじさんに変貌しておりました。その余波でGWは東京と名古屋で遊び呆けていました。以下の画像がそのときの手帳のページですが、とてもじゃないですが仕事をやめて受験に向き合っている人間の行動とは思えません。世が世なら恥知らずとして村から追い出されていたことでしょう。

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 う~ん懐かしい。今振り返ってみるとこんなんじゃ受かるはずがないのですが、当時の私はおそらく未だに受かると思っていたはずです。ただ、このように一旦本気で遊び呆けたおかげもあって精神が安定してきた事実もあったので、この選択もあながち間違いではなかったのかなとも思ったりします。なんにせよ振られたのはマズかったですね。

 その後の勉強の具体的な進捗などは別の記事に譲るとして、9月頃には数学、化学、物理は一通り勉強できたので、初めての模試として第三回全統記述模試を受けることとしました。この頃の1日の平均勉強時間は11時間程度。その結果は以下のとおりです。

   偏差値
英語   62.0
数学   46.1
物理   54.9
化学   59.9

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判定はどこもかしこも E しかない状態。こうしてようやくどうやらちょっとヤバいらしいかもしれないぞということに気づくのでした。(一方でゼロから初めてこのぐらい伸びてるなら本番までの伸びしろでギリギリなんとかなるとの算段をつけていた面もありました。)
手帳を見る限り、この模試の結果を受けて数学はなんとスタ演をやり始めています。全統記述で偏差値50未満なのにも関わらずスタ演に手を出すという、まさに愚の骨頂という他ないですが、このときの私はスタ演がなんとかしてくれると信じていました。
10月頃からセンター対策も始めるのですが、やはり基礎がブレブレだったので3ヶ月でどうにかなる状態ではなく、古文漢文が完全に初学だったことも相まって絶望します。2014年のセンター古文(源氏物語)が意味不明すぎてストレスのあまり眉毛をブチブチに引き千切った思い出が印象深いです。
12月頃にはセンターの目標得点率80%で、熊本大学を受験すると決めました。熊本大学に決めた理由は以下の通り。

・立地が良い、ほどほどの都会で観光資源が豊富
・センターの配点が低い
・偏差値が高すぎるというわけではない

 そうして迎えたセンター試験本番。孤独な受験勉強だったため、同じように受験勉強に邁進したであろう人々が同じ教室に何人も集まっていたことに感動していたのを覚えています。
 さて、読者の皆様もワクワクしているであろう筆者の人生初センター試験の結果は以下の通りとなりました。

国語 160
英語 182
リス  44
現社  82
数1A    65
数2B    62
物理  68
化学  74

得点率 約77%

ああ、終わったと思いました。自己採点が終わってすぐに"足切り"の三文字が頭をよぎりました。もう1年勉強するなら金銭の工面はどうするべきか、予備校を利用すべきなのか、応援してくれた方々にどう顔合わせをすれば良いのか、はじめから受験勉強に対して真摯に向き合わなかった自分のおごりに対してこれ以上ないほどの怒りを感じ、この世の終わりのような精神状態になってしまいました。仮想通貨で貯金ぶっ飛ばしたのも今となっては笑い話にできますが、本来浪人も想定しなければいけない状況だったのにも関わらず一体何をやっていたんだという、当時はもう本当に馬鹿なことをしたと自己否定の連続でした。幸い相談に乗ってくれる友人がいたので、励まされたりして熊本大学には出願するだけしてみることにします。結果として足切りをギリギリで通過することができ、熊本大学を受験することはできるようになりました。
気持ちとしては「受けるからには最後まで合格を目指して足掻く、たとえ不合格になってもこれをバネにして来年に繋げる」、その一心でした。
この頃から医学部再受験に対する姿勢が変わりました。自分の能力を過信し、自らレールを外れて選んだ選択肢に全力を出していない自分が恥ずかしくてしょうがなくなりました。再受験1年目の私は、受験勉強に対して真摯に向き合った人からしてみると滑稽でしょう。当然、落ちるべくして落ちました。

医学部再受験1年目 センター得点率77% 熊本大学医学部医学科 不合格

                             後半へ続く

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