不定期連載「俺が古本屋の店員だった話」4 オタク気質の良し悪し
前回の話はこちら
今回は以前に書いた、古本屋における「ダメなオタク」気質について話そうと思っているぞ!
「シネマこんぷれっくす!」より
ダメなオタク気質とは
古本屋、ましてや漫画やゲームが主力の新古書店において店員がオタクである事はなんの問題ない。むしろ商材の知識がある分プラスになることがあり、たまに入ってくる何故かまるで本や漫画、ゲームに関して興味のないタイプよりは仕事の理解度が早いとすら言える。だが、こだわりが強くなるにつれこの辺が店員の資質としては微妙になっていく。
「この漫画は俺が面白いと思ってるんだから売れて当たり前」
「この漫画は最近つまらないからもう終わり」
「この漫画はよく知らないからどうでもいい」
という感じに凝り固まっていく。ちなみに「漫画」の部分はゲームでも小説でもCDでも良いですよ。
「シネマこんぷれっくす」より
こうした、自分の趣味に自信を持ち出すとちと厄介である。以前に話した2人の先輩は、
Yくん(俺と同い年)=ヤンキー上がりのヴィジュアル系バンドマンなのでヤンキー漫画や深夜アニメっぽいタイプの漫画には詳しい。雑誌で言うとヤンマガやマガジンの漫画を読む。
Sくん(俺の一個下で、当時同じ大学に通っていた)=典型的な萌えアニメ好きだが、プライド高めで趣味に自信があるタイプ。ガンガンとか電撃大王とか好きな感じ。
一見趣味の合わなそうな2人だったが、なんだかんだデスノートが好きだったり流行りの漫画には乗るタイプ。遠いようで近いので、商材の取り扱い方が似ているのが問題だった。
「木根さんの1人でキネマ」より
悪いこだわり
漫画というのはとんでもない数あるし、どういう漫画を求めているかというのはある程度集中する。所謂人気漫画だけ集めておけば良い、という訳では決してない。そりゃ人気漫画が沢山在庫があるに越したことはないが、新品ではなく古本である以上人気漫画を常に揃えて置くことは不可能である。ましてや商材は基本的に一度人が買ったものである。それを「買取」しないと商売にならないのだから、不確定要素が大きいと言える。
まぁとは言え、当時はそれ以上にメリットが多かったからロードサイドには古本屋があちこち出来ていた訳だけどね。
なので漫画部門として考えなければいけないのは、「広く浅く」と言ったところか。
彼らは基本的に自分の好きなジャンル以外の漫画を軽視する。なので必然的に幅が狭くなるのね。てか、大きく言えば「自分が好きな漫画」以外を全部軽く見るようになるって事! これが店に与える影響は意外なほど大きいんですよ。
そしてこの話、結構長いのでとりあえず以下次回!
当時の漫画の思い出「death note」
それこそ、ウチの職場に限らずこの漫画の話は色々な所で聞いたよね。そういう意味では全国的な人気があったんだろうなぁ。好きな漫画の趣味が全然違うSくんYくんだけじゃなく、幅広く色んな人と話したかも。まぁだいたいみんな7巻までは良かったのに……という評価だけど!
当時古本屋に入った頃は7巻くらいだったけど、ちょうど一回波が去ったところくらいだったかな。その時はまぁまぁ在庫があったけど、のちの実写映画化後からは再度激品薄商品となる事だった。「デスノ、もうつまんないから安くしていいでしょ」と言ったYくんの判断ミスもあったし、俺もメディアミックスの力のデカさをまだ十分に理解していなかった!
雄山に笑われても仕方がない状態!
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