桜のつぼみも膨らんで 4月2日
家から見える光岩寺のソメイヨシノ。蕾がふくらみ始めたのだろうか。
心なしか木全体が赤みを帯びてきたように見える。
雲一つ無い青空にその姿が美しく、携帯で写真を撮ろうと思っていたのに
後回しにしていたら、あっという間に重い雲に覆われて青空は姿を消してしまった。自然相手に「あとでね」など通用しないとわかっているのに。
桜の見頃というのもそうだ。来週の休みの日にとか、こちらの都合に
合うはずなどないとわかっていながら予定を組もうとしている。
滝桜の開花予想が6日頃と発表され、それで行くと満開は10日頃との予想。
予想はあくまでも予想。さてどうなるか。
この開花間近のソワソワ感は私だけのものではなく、町全体からも
感じられて、余計に浮足立ってくる。
桜だけではなく、我が家の庭もこの数日で一斉に草花が芽吹き始めた。
老木の梅の木は昨年、庭師さんが剪定してくれたお陰で蕾を多く蓄えて、
この辺りの梅の木よりはずいぶんと遅いが、少しずつはじけるように
花を咲かせ始めた。その梅を追いかけるように、サルナシや椿の蕾も
膨らみ始めている。「やまなし」の花が咲いたら、岡安さんに写真を
送ってあげよう。
八重の水仙も早いものは花が咲き始め、チューリップの花はもう少し
先になりそうだけど、今年も律儀に芽を出し葉を広げている。
枯草の下にはミントやレモンバーム、フェンネルも、ワイワイと
声が聞こえてきそうなほどたくさんの柔らかな新芽が顔をのぞかせている。
あと数か月もすればハーブ畑は緑で覆われることになるのだろう。
この急かされるような春の勢いに心が呑まれてしまわないように。
夜は2週ぶりのヨガ。呼吸を深くし、身体の重心や軸を意識して。
落ち着け、自分と、ヨガをやりながらもう一人の自分の声がする。
次第にその声も遠くなり、終わる頃には身体も頭もゆるんでリラックス。
帰りは暗い夜道を歩きながら、あちこちから誘うように漂ってくる
春の甘い香りにうっとりとする。鳥目で目が効かない分、嗅覚が敏感に
なっているのかもしれない。
あぁ。春の匂いは実家の庭の記憶とつながっているようだ。
暗闇の向こうに、白い椿や雪柳、大木になって大きな屋根のように
枝を広げる桜の木が浮かんで見えるような気がした。
春はあけぼのというけれど、夜のお花見ではないこんな夜道のときも
なかなかいいものだと思った帰り道。
4月2日(火)晴れ 最高気温12℃ 最低気温1℃
芽吹きの景色にうっかり油断しそうになるけれど、
陽が落ちるとまだまだ寒い。本格的な春の訪れが
すぐそこにやって来ているというのに。