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家族のような、先生のような、スパイスのような 9月2日

今年もたべるとくらしの研究所(略してたべけん)の定期便(年に一度だけ、受付募集をしている)を申し込み、それが昨日届いた。
今年で何年目になるだろう。
現在は北海道に暮らす福島出身の彼らとは古くからの友人であり、家族のようでもあり、彼らと出会ったことがきっかけで、私は福島へ通うように訪れることになった。そしてまさかまさかの不思議な流れで、今は私が福島で暮らしている。出会ってからもうかれこれ20年近くが経つ。

定期便は月に一度、季節の恵みを味わうことのできるジャムや、届いてすぐに食べられる焼き菓子、いつもの料理にちょっと加えることで味が格段に引き締まったり、家庭の味がお店の味に近づいたり、手助けをしてくれるような心強い調味料たちなどなど。それらをその時々で組み合わせたものが、半年にわたって送られてくる。何が届くかはその月ごとのお楽しみだ。

どれもこれもその年の季節の味わい。届いてすぐに温めれば(レンチン?我が家には電子レンジが無いのでオーブンとか蒸籠で蒸すとか)食べられるごちそう便ももちろん嬉しいのだけれど、それは特別な日のためにとっておく。



たべけんから届くものたちは、もっと日常の、日々の食卓、そして自分の手や頭を動かして、いかに楽しく美味しくできるかが盛り込まれている。「これ、どうやって使ってみる??」と、問いかけのような宿題を与えられたかのように使う調味料(ビンもの)たち。後ろからあっこちゃん(たべけん副理事長)の声が聞こえてくるようで、ちょっと嬉しいプレッシャー。ヤル気を上手に奮い立たせてくれる先生のような存在でもある。
その日に家にある食材との組み合わせを考えたり、「これがあるなら〇〇を作ってみよう!」と、足りない食材を買い足したり、買い物に出かける際にも役立って、いつの間にか家庭料理の筋力のようなものをつけてもらっている気がする。

おすすめの使い方や、どのように加工されたものなのかも丁寧に説明されたお便り(たべるとくらしの研究便)も添えられて、季節の美しい移ろいや彼らが込める熱いメッセージは、送られてきた食品たちと同じくらい私のお楽しみとなっている。

「つくる、食べる」そして「かたづける」
家での食事は日々その繰り返し。仕事で疲れてクタクタで、何もヤル気が出ない日だってあるし、献立が思いつかないのもよくあること。
だからと言って私はわがままにできていて、食べられればなんでもいいわけでもなく、ごちそうである必要はないのだけれど、
できることならば美味しく食べたいとも思っていて。
考えてみたら「食べること」以外の、掃除や片づけ、洗濯やら何やら暮らし全般は毎日、ずっと繰り返しながら続いていくもの。意識などせず繰り返していれさえすれば、なんとなく成り立つもの。

でも。
面倒なことではあるのだけれど、
それをどれだけ面白がることができるか。

かつて私の師は「誰でも表現はできるんだよ」と言っていた。
面倒とも、つまらないとも思える(考え方、捉え方次第でそれも変化していく)日常の中からその表現は生まれていくと。

たべけんの定期便はそれをハッと気づかせてくれる
スパイスのようでもある。
なんでも面白がることが得意なたべけんの伸ちゃん、あっこちゃんの声が
また聞こえてきそうな気がする。

9月2日(土)最低気温31℃ 最低気温21℃