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幼児は”集中できない”のではなく、”集中したくない”だけ。

”できない”と”したくない”はまったく違うもの

「幼児は集中力がまだない」という言葉をよく聞きます。様々な場所で集中出来る限界時間を聞くと、5分、10分、15分…30分といった時間が多いようです。でも僕の感覚では、ちょっと違います。もちろん4時間とか、5時間集中するのは大人でもムリ。でも、幼児は少なくとも同じ部屋での活動で90分〜120分は集中して何かをすることができると思っています。

まず大切なのは、幼児が集中していないという現象に対して、大きく2つのとらえ方があるということです。

1:集中"できない"

できないという言葉は、「したくてもできない」「そもそもできない」といったように、その行動をすること自体が何らかの理由でできないという意味合いでまずはとらえます。

2:集中"したくない"

したくないという言葉は、「できるけどしたくない」というように、その行動をとることはできるのだけど、なんらかの理由で、自分の意思でしないという決断をしている行動とここではとらえます。

これは簡単な表現ではありますが、同じ行動でも「できない」と「したくない」には大きな違いがあると思います。

"できない"と"したくない"の対応方法

僕は、「集中出できない子ども」も、「集中したくない子ども」も、大人側に理由があると考えるようにしています。つまり、「集中してもらえない」わけです。もちろん集中できない子ども達の中には特殊な理由もありますが、そういった子ども達も同様の理由と考えると、少しだけ対応方法が見えてきます。

理由は大人が提供する内容が楽しくないこと

子ども達に集中してもらえない理由の一番は、「楽しくない」ことが大きな原因である場合が多いようです。

もしも大人側が何かを提供するワークをする場合(朝の会でも、ワークショップでも、絵本でも)、大人は多少つまらない内容でも我慢します。でも、子どもはその点ある意味残酷です。つまらなければ当然その場の空気から脱して何か楽しいことを見つけ、実行しようとします。

例えば地面に絵を描き始めたり、手遊びを始めたり、時にはその場から離れてしまったりします。これに対して子どもを叱り、その場に留まって集中するように伝えることも時には大切ですが、子どもが集中の世界に入ってもらえるわけではありません。まずは楽しい場づくりをデザインし、実践するれば、おのずと子ども達は集中の世界に入ってくれます。

これは、普段集中出来ない子どもの集中時間が0分なのが、15分に変わったり、時には子ども達のほぼ全員が60分以上集中してくれることもあります。僕は、集中する楽しさを体験することで、集中ってどういうことなのかを知り、そこから初めて集中するべき時は集中する事の理解ができるようになると思っています。

大人のデザイン力が子どもの集中力に変わる

子どもが集中したくなる場づくりをすれば、子どもは自動的に集中して話を聞いてくれ、そして楽しい時間を過ごしてくれます。楽しいが継続すれば、学びもたくさん得られる場づくりが可能です。

そこで大切なのが、大人の場づくり時のデザイン力です。例えば、1時間話すのではなく、クイズがあったり、自分で考える時間があったり、作業がある時間をつくってみる。また時には身体を動かす時間があったり、お友達と関わりながら遊ぶワークを入れてみると、子どもは集中し続けて楽しい場の展開をすることができます。

みなさんも、子どもが集中したくなる場づくり、デザインをして学び多き時間を過ごしてみてください。

ヒントや様々な事例はこちらにたくさん書かせていただきました。



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