見出し画像

日本民藝館を暑い午後に訪ねた

 駒場にある日本民藝館に行ってきた。
 三十年振りかもしれない。
 簡素な佇まいは、以前と変わらない。靴を脱いでバッグに入れ、入口からすぐに続く木の階段を見上げると、時計が逆戻りしたような気がした。もっとも、変わらないと思うのは、もちろん錯覚にすぎない。時間の経過とともに、木の表情には深みが増している。この館を愛する人々によって、磨き抜かれてきたからこそ、変わらぬ今がある。

ここから先は

970字
この記事のみ ¥ 300

年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。