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尾上菊之助の春秋 その貳 夏 2020-

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すでにご愛顧いただいている「尾上菊之助の春秋」が、収録記事80本を超えて、重くなっていますので、新シリーズを始めることにいたしました。これまで同様、定期マガジン「長谷部浩のノート…
歌舞伎の正統な継承者であり、『風の谷のナウシカ』歌舞伎版を企画した冒険者としての尾上菊之助の現在に…
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#尾上丑之助

【劇評252】正確な描画力にすぐれる菊之助の『盛綱陣屋』

 三月の国立劇場は、『近江源氏先陣館』を菊之助が出した。  「歌舞伎名作入門」と題したシ…

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長谷部浩
2年前
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蜆売り三吉、五代目菊五郎の売り声

 二月歌舞伎座第三部「鼠小紋東君新形」について、続編を書きます。  この芝居の初演は、安…

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長谷部浩
2年前
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丑之助の蜆売り三吉は、裸足で雪の庭を歩いたか?

 二月歌舞伎座第三部「鼠小紋東君新形」。  大正十四年三月、市村座。九十七年前のことであ…

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長谷部浩
2年前
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【劇評248】芯に立つ役者の力量。菊之助の『鼠小僧次郎吉』

 鼠小僧すなわち義賊との思い込みがあるが、黙阿弥の『鼠小紋東君新形   鼠小僧次郎吉』は…

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長谷部浩
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三月国立劇場。菊之助の『盛綱陣屋』は、丑之助が鷹揚たる小四郎を見せる。

 私信ではなくても、封書を開けるのは楽しい。愛用のペーパーナイフを使って、のり付けされた…

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長谷部浩
2年前
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【追悼】二代目中村吉右衛門の夢

 悔いはないといえば、悔いはない。  悔いがあるといえば、悔いがある。  死は、だれにも等…

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長谷部浩
2年前
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菊之助「読書日記」と歌舞伎の未来。

 歌舞伎役者はどんな本を読んでいるのだろう。  八代目坂東三津五郎は、教養人で、多数の著書を持っていることでも知られている。歌舞伎だけではなく、骨董などの趣味が知られ、エッセイも小技が効いている。  若くして亡くなった十代目は、菊五郎劇団の重鎮だった父の九代目に「おまえは八代目の血を引いている」と半ば揶揄されたと語っていた。つまりは、愛書家は、変わり者とされる世界なのだとわかる。  尾上菊之助が、日本経済新聞の読書欄に「読書日記」として四回のエッセイを寄稿している。  

¥300

丑之助の試練。『盛綱陣屋』の小四郎で芝居心を見せる。

 九月歌舞伎座第二部『盛綱陣屋』の小四郎、小三郎は、歌舞伎の子役のなかでも、ずいぶんと芝…

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長谷部浩
3年前
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【劇評239】幸四郎、錦之助、歌六の『盛綱陣屋』。極限の一刻を生きる。

 だれもが承知の諸般の事情で、開幕が遅れた第二部を観た。  ここまで感染状況がすすむと、…

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長谷部浩
3年前
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【劇評220】菊之助の『春興鏡獅子』は、十年後、伝説の舞台となるだろう。

 記憶に残る伝説の舞台が生まれるには、なんらかの必然が働いている。  五月大歌舞伎は、三…

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長谷部浩
3年前
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