野田秀樹と対談していた脳科学者中野信子の『脳の闇』を読んでみた。本音が炸裂する。
『兎、波を走る』のパンフレットで野田秀樹と対談していた脳科学者中野信子の新刊を求めてきた。すぱっと小気味のよい断言にひかれたからだ。
題して『脳の闇』。現代人の不安や恐怖は、脳の病理であるとして捉える本で、著者の個人的な体験を踏まえているので、説得力がある。
ただ、説得力がありすぎるのも問題で、脳の機能を科学的に解析できるという考えは、一歩誤ると、危険なのではないかと考えさせられた。
どうも日本の論壇には、こうした脳科学者に、自分たちのやっかいな人生を読み解いてほ